見出し画像

新型コロナウイルスの「第3ステージ」突入!??

欧米を中心とする先進国における
新型コロナウイルスの感染者はピーク時からは落ち着きつつある。
それにより経済活動の再開やその検討に入る動きが見られる。
日本でも緊急事態宣言の延長はされたものの、人々の活動に関して若干の緩和が見られた。
先進国の状況改善からNYダウ平均株価は半値戻し、日経平均は2万円台に戻している。

じゃあこれでコロナは落ち着くの!??

そんなわけはない。
先進国内でも感染の再燃は大いにあり得るし、新たな現象として、4月末から新興国での感染者数が先進国を上回り始めた。
1月下旬からの
中国での感染拡大を「第1ステージ」、
3月頃からの欧米を中心とした先進国での感染拡大を「第2ステージ」だとしたら、
現在は新興国での感染拡大の「第3ステージ」に足を踏み入れた可能性がある。

今回は新興国のコロナウイルス感染拡大状況と経済・金融環境を整理する。

①主要新興国の人口比に対しての患者数を確認すると、トルコ、ロシア、サウジアラビア、ブラジルが深刻だと言える。
②経済・金融環境は
経常収支と政府債務残高(どちらも19年の名目GDP比)、インフレ率の3つの指標から脆弱性に着目すると、ブラジル、南アフリカ、メキシコ、トルコ、アルゼンチンなどが挙げられる。
これらの国に共通して言えることは、
対ドルでの通貨下落率も10%以上だという事だ

①と②の両方で当てはまる国は
ブラジルとトルコ。各国の状況を確認する。

ブラジル
・ボルソナロ大統領は経済活動の制限を唱える閣僚を相次いで解任するなど、政局の混乱も見られる。
・ブラジル通貨のレアルは過去最低水準で、資本の流出やインフレ懸念が強まっている。
トルコ
・コロナ前からトルコ中央銀行による8回連続の利下げ中。
・ドル建て債務が多く、トルコ通貨の
リラ下落や資本流出の加速の影響。
・5月下旬まで続くラマダン期間中に感染拡大のおそれ

※ラマダンとは
1ヶ月のあいだ一切の飲食を絶つほか、あらゆる禁欲が課せられ、世界中のイスラム教徒が行う。普段よりも人と会う行為が良い行いとされ
あまり会えない友人や親戚、目上の人に、積極的に会いに行く。

①と②の両方に当てはまらなくても、
以前の記事で述べた南アフリカや
インフレ率がゼロ付近のサウジアラビア
政府債務残高が少ないロシア
といった国も感染拡大が懸念され、
さらには原油価格の急落の二重苦に直面。

新興国や途上国は医療体制が弱く、
これらの国にコロナウイルスの感染拡大という
「第3ステージ」が本格化すれば、
ウイルスの封じ込めは難しく、さらに他国への感染再拡大も考えられる。
貿易や人々の往来はまだまだ制限され、グローバル経済の長期的な低迷も懸念される。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?