T6の「組織に忠実」とは何か

T6は組織に忠実と書かれがちである。しかし私はT6の記事を読み解く中で、T6はむしろ忠誠心と言われてもピンとこないタイプなのではないかと考えた。

今回はなぜT6は記事で「組織に忠実」と説明されがちなのかを考察する。


まず囚われに関して掘り下げる。

T6の囚われは「不安」である。不安を解消するために拠り所を求める。何か完全に信じられるものがあれば自分は大丈夫だ、といった具合だ。

T6的価値観に基づくと、個人的に納得できるいち理論と客観的な事実や価値観とでは後者の方が信憑性が高いと言える。

T6の基本スタンスは外部に拠り所を求めること。人情や経験を一旦脇に置いた場合、最も信憑性の高いといえる情報は客観的に見て信用に足るものである。
信用できる=拠り所として優秀 と言えるかもしれない。

T6的価値観では、自分の頭での検証や自分の考え方に合うかどうかの判断より、客観的に見たときの是非の方が立場が上なのである。
そのため仕組みを取り込んで自分の論理を作り上げることに価値を感じにくい。仮に価値を感じていたとしても、原典から逸れることを過度に気にするだろう。
極端な話ではあるが、エニアグラムにおいて信用しているのは原典のみであり、私が今述べている説は信用に値するのかまず懐疑的な目を向けるなどといった例は言わばT6的だ。
もしいち個人の主観を信用しなければならない場面があれば、それが拠り所としての堅牢さを持ち合わせているか(=信用に値するか)疑わずにはいられないだろう。

これらの価値観が行動の基盤となっていることを考えると、組織に忠実なタイプと称されがちな理由も見えてくる。


前述の通りT6が最も信用できると感じるのは何かしらの客観的な要素である。組織・集団とは、拠り所として扱うにはうってつけの要素だ。なぜなら複数人で構成されているという点において客観性は保証されており、かつよほどのことをしない限り排斥されることはないから。

よってT6は、組織をはじめとする様々な外界の情報を、自分の拠り所として見ているのであり、忠誠心が動機ではない。むしろ所属していた方が得だからというニュアンスの方が近い。外部から忠実に動いているように見えるだけという話だ。

そもそもT6はヘッドセンターである。意志を重視するのはガッツセンターの特徴だ。ここで忠誠心という意志の問題を取り上げれば、T6の方々がT6の説明にピンとこないことが多いのも当然である。

T6の特徴において大事な点は、外部を信用する(=拠り所とする)ということだ。集団への帰属意識や組織への忠誠心の有無がT6かどうかを決めるわけではない。

追記
Ti優位やFi優位だと、より自分が主観的に良しとする拠り所を求める。しかしいずれにせよ外部の情報を最も頼りにしているという点では同じである。 この場合良し悪しを自分で判断しているため、T5を誤認することも多い。

参考文献

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