初夏と真冬
初めて出会ったのは、あの夏の日
あの人との思い出はこの日から
友達と4 人で夏祭りに行った。あの人は遅刻してきた。
少し雑な人だったかも。
一緒に上京してきて、住む場所は少し離れてしまったけど週末には会っていた。
2人で歩いたあの道も一緒に行った場所も多すぎて、どこに行ってもあの人との軌跡を辿っているようで。
あの人がいなくなったのは、冬の寒い日。夜中から朝の5時まで話し合いを続けた。私が折れなかったのもあるかな。
気がついたら寝ていて、目が覚めると隣ではあの人が眠っていた。
この光景も今日で最後なのかと思うと、一段と淋しさが増した。
出会ってから2年。あの人のおかげで毎日に彩りがあった。
初めての東京での一人暮らしは不安だったけど、あの人がいたから。
受験は辛かったけど、あの人がいたから。
このドアを開けると、もうあの人はここには来ない。
私の元からは消えてしまう。
後ろを振り返っているだけじゃ生きていけない。前を向く覚悟をした瞬間。
あの人がくれた思い出は、美化されて儚いものになった
今は一人になったけど、"独り"ではないよ
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