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2020年の旧譜振り返り 前編

初めて聴く旧譜は、あなたにとっての新譜である

はい、2021年になって1週間が経っちゃいましたが、せっかくnoteデビューしたんで、2020年のベストアルバムに引き続き、自分の旧譜事情も振り返っておこうかなと。

はっきり言って新譜より旧譜を聴いてた一年で、特に未聴の有名盤、名盤を意識的に聴きました。というのも、名盤ランキング常連の有名アーティスト(ボウイ、トーキングヘッズ、ソニックユース‥などなど) でも、代表的なアルバムをちょっと聴いてそこで満足しちゃってる自分がいて、完全スルーしてたその他のアルバムが多々あったんですね。あと、ネット上のオタクたちの話についていけないことが多いこともしばしば・・・。在宅勤務スタートで視聴時間もたっぷりあることだし、、、、良い機会だ!!とばかりに色々と聴きました。
ということで、四半期ごとにどんな旧譜を聴いてきたか、テキトーに振り返ってみたいと思います。出てくるのは有名なアルバムばかりですが、私自身その程度のレベルということでご承知おきのほど宜しくお願いいたします。

Jan〜Mar

Warp Records関連の初期作をきちんと聴いてなかったんで、Aphex Twinのアルバムを聞き直したりArtificial Intelligenceのコンピや初期の代表作を聴いてました。中でも以下に挙げたNightmares On WaxのダビーなトリップホップやBlack Dog Producutionの現代にも通じる洗練されたエレクトロニックミュージックがお気に入りでした。あと、忘れちゃいけないAutechreConfiled (1998)Exai (2013)は聴いてましたが、初期の代表作は通ってなかったのでそこを結構聴きました。その中で順位をつけるなら今のところ①Amber(1994)、②Tri Repetae(1995)、③EP7(1999)、④LP5(1998)、⑤Incunabula(1993)、⑥Confield(1998)ですかね(めっちゃ適当ですが)。Autechreは正直気軽に聴けない凄みがあって十分に聴き込めたわけじゃないので、定期的に聴いていきたいアーティストですね。また、Warp Recordsについては以下のResident Advisorの記事が面白かったです。

Nightmares On Wax / Smokers Delight (1995)
My Fav Tracks: "(Man) Tha Journey", "Bless My Soul"

Black Dog Production / Bytes (1993)
My Fav Track: Olivine

Autechre / Amber (1994)
My Fav Tracks: "Montreal", "Slip"

1月にはMoodymannの来日があり、そこでのDJプレイには感銘を受けました。ヒップホップ、ソウル、ディスコ、ハウス、テクノとその引き出しの多さとジャンルの異なる楽曲を違和感なくスムーズに場に溶け込ませる技術はすごかった。普段クラブにあまり行くわけじゃないので余計にそう思ったのかもしれないけど。そんな素晴らしい体験に触発されて、かかってた曲をディグったりしていたのも1月です。その中からDouble Exposureを特にお気に入りとして挙げます。これはもう多幸感満載のディスコチューンでミラーボールがよく似合う、そんな最高のアルバムでした。これきっかけに70s後半のディスコもいくつか聴きましたね。あとはMoodymannのアルバム全部聞き直してました。気分によって変わりますが、今のマイベストは「Forevernevermore (2000)」にします。

Double Exposure / Ten Percent (1976)
My Fav Tracks: "Everyman", "My Love Is Free"

Moodymann / Forevernevermore (2000)
My Fav Tracks: "Don't You Want My Love", "Wednesday Night People"

アンダーグラウンドヒップホップ界の天才、Madlib関連もいくつか聴きました。MadlibはMF Doom(2020年10月に逝去。RIP)との「Madvillainy(2004)」、ブルーノート音源を使った「Shades of Blue (2003)」、Freddie Gibbsとの「Bandana(2019)」と好きな作品は多かったんですが、Yesterdays New QuintetDJ Relsは完全スルーしてました。以下に挙げたYesterdays New Quintet「Angles Without Edges (2001)」はジャジーインストヒップホップにおける最高の一枚と言っても過言ではない内容でかなりリピートしましたね。スティービー・ワンダーの再解釈盤「Stevie (2004)」も非常に面白く、また、Quasimotoのヘリウムガスラップも超ハマりました。それにしても彼のディスコグラフィの豊富さもなかなかエゲツなくとても網羅しきれない・・。今年リリース予定のFour Tetとのアルバムも楽しみですね。

Yesterday New Quintet / Angles Without Edges (2001)
My Fav Track: "The One Who Knows"

Quasimoto / The Unseen (2000)
My Fav Tracks: "Astro", "The Unseen"

横田進にも触れておこうかな。彼の存在自体を知ったのも去年か一昨年、既に亡くなっていたことはとても残念に思います。この人も多作でとても全ては追いきれないけど、聴くアルバムがことごとく良かったです。デトロイトテクノなPRISM名義「Metronome Melody(1995)」、本人名義作では、フレンチテクノな「1998 (1998)」、秀逸なアンビエント作品「Sakura (2000)」、ディープなブロークンビーツ「Baroque (2004)」と本当にハズレがない。「Love or Die (2007)」のファンタジー感のある美しいメロディ、サウンドスケープには感服。なんと切なく美しい・・・。

Susumu Yokota / Love or Die (2007)
My Fav Track: "That Person's Hearsay Protects My Free Spirit"

Apr〜Jun

ディラン「Murder Most Foul」きっかけに、急にクラシックロックの未聴orお蔵入りアルバムを聴こうと決意したのがこの頃です。

まずはディラン。今年一聴いたアーティストはディランです。ディランも全てのディスコグラフィを網羅するにはまだまだ厳しく、ちょっとずつ聴いてないアルバムに手を出していきました。また、Bootlegシリーズは全くのノータッチだったのでいくつか聴きましたが、ローリングサンダーレビューの模様を収録したVol.5はヤバかったですね。もうディランがキレッキレ・・・。個人的にはロイヤルアルバートホールコンサート(Bootleg Series, Vol.4)よりもこっちっすね。全人類必聴のライブ盤。あと、Bootleg Series, Vol.8における1989〜2006年のアウトテイク集も最高でした。自分、「Time Out of Mind (1997)」〜「Modern Times (2006)」期がディランのカタログの中でも一番好きなんです!!(語気強め)

Bob Dylan / The Bootleg Series Vol. 5: Bob Dylan Live 1975, The Rolling Thunder Revue
My Fav Tracks: "Mama, You Been On My Mind", "Hurricane", "A Hard Rain's Gonna Fall"

みんな大好きDavid Bowieについては、スタジオアルバムが全27作(だよね?)、そのうち2020年に入るまでは8/27作しか聴いてませんでした。なので、この2020年に未聴アルバムをいくつか聴き、16/27作まで増やしました。うーんこれでやっと6割・・・。とりあえず「Station to Station (1976)」を聴いてなかった自分を叱りたい。前作「Young Americans (1975)」のソウルからベルリン3部作への移り変わり時期のアルバムで、最高級のミニマルファンク。これは現時点でのボウイの個人的ベストです。

David Bowie / Station to Station (1976)
My Fav Tracks: "Stay", "Station to Station"

Sonic YouthもTwitterのTLに触発されて未聴アルバムを聴いたバンドの一つ。彼らに関してはなんとか全てのスタジオアルバムを網羅しました。2019年までは4作しか聴いてなかったので、追加11作。よく頑張った。まあ聴き込みは足りないので、これからも定期的に聴きます。新たに聴いたものの中では「Washing Machine (1995)」、「Muray Street (2002)」が特に好き。あと、ソニックユースの師匠ことGlenn Branca「The Ascension (1981)」も凄かった。緻密に計算されたギターノイズの嵐。ミニマルアートノイズの大傑作でピッチフォークが満点つけるのもわかります。

Sonic Youth / Washing Machine (1995)
My Fav Tracks: "Junkie's Promise", "The Diamond Sea"

Glenn Branca / The Ascension (1981)
My Fav Tracks: "Lesson No.2", "The Ascension"

私、80年代がほんとーに疎いんですよ。他の年代も大したことないけど、80年代は特に疎い。音楽聴き始めた00年代はガレージロックリバイバルの真っ只中で、80sの煌びやかな音は敵!みたいな価値観があったように思うんですね。思うにそれに影響されたまま、のらりくらりとここまで来ちゃった‥気がします。なので、2020年は少しずつ80sの名盤を聴き始めましたよっと。
一番のサプライズはKate Bush「Hounds of Love (1985)」ですね。これ2010年代のエレポップ、シンセポップ全ての元祖でしょ?一曲目の一音目から衝撃的で私的名盤認定。これは凄かった。
The Replacementsも良かった。「Let It Be (1984)」、「Tim (1985)」、「Please to Meet Me (1987)」の3枚は特に最高で、パンキッシュ+少し文学的な香りのする歌詞+グッドメロディと、順序は逆ですが私の青春バンド、The Libertinesをちょっと彷彿とさせましたね。
Talking Headsはみなさん、「Remain In Light (1980)」だけ聴いて止まってませんか?同じくブライアン・イーノプロデュースの「More Songs About Building and Food (1978)」「Fear of Music (1979)」とセルフプロデュース作の「Speaking In Tongues (1984)」もちゃんと聴きましょうね(一年前の自分へ)。

Kate Bush / Hounds of Love (1985)
My Fav Tracks: "Running Up That Hill (A Deal With God)", "The Big Sky"

The Replacements / Tim (1985)
My Fav Tracks: "Bastards of Young", "Swingin Party"

Talking Heads / Fear of Music (1979)
My Fav Tracks: "Life During Wartime", "I Zimbra"

上半期の振り返りは以上です。
後編へ続く・・・


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