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死兆星と呼ばれた男

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小説、死兆星と呼ばれた男のまとめです。週一で更新していく予定ですので楽しみにお待ちください🎶現代の闇をダークヒーローの主人公を中心に少しファンタジーっぽく書いたそんな内容となって…
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記事一覧

死兆星と呼ばれた男

エピソード4  産声

あの患者が運ばれてきてから私の全てが狂ってしまった。
緊急外来で、運び込まれてきたその男。
運び込まれてきた当初、服にはおびただしいくらいの血が付いており髪の毛も血で濡れていて、とてもじゃないがパッとみ、直ぐにでも緊急手術しなければならないほどの重傷。
直ぐにレントゲンやMRIと言った精密検査が行われたが、しかし結果は驚くことに全くと言って良い程に異常無し。
身体には血は付

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死兆星と呼ばれた男

エピソード3   生誕

男『、、、、雨か。』

男の子『?おじちゃん!!お外は、雨なんて降ってないよ??変なのー!!』

そう言うと小さい男の子は笑いながら楽しそうに病院の廊下を走って行ってしまう。
残された俺は、その後も今は晴れている病院の廊下の窓の外の景色を静かに眺めていた。
確かに、今日は晴れている。
でも、俺には少し先の未来の出来事が目に映るのだ。
意識すればだが。
この病院のベッドで目

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死兆星と呼ばれた男

エピソード2  虚の揺り籠

女性の声『教授ーー?あ、またこんなに散らかして何度も片付けて下さいって言ってるのに!!今回は論文は出来そうなんですかー?えーと、何でしたっけ?確か、人類の何とかかんとか、、、。』

助手の声で深い眠りから目を醒ます。
辺りはレポートと書類の山、いつもの私の仕事場だ。

私『人類のルーツとその未知の可能性だよ。三葉君、いつも悪いねぇ(笑)今日は何のようだい?論文はまだ出

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死兆星と呼ばれた男

エピソード1 胎動

私がその現場に居合わせたのはほとんど偶然だった。
たまたま近所のいつものお散歩コースを歩いていた時、何か大きな物が落ちた音が不意に耳に届いた。
その音は不気味で生々しいグチャっと何かナマモノが地面に叩き付けられたような嫌な音だった。
連れていた愛犬がその音がした方向へと吠える。
全身に悪寒が走って身体がそちらの方に行こうは思えず力が抜ける、愛犬が力一杯、私をその場所へと連

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死兆星と呼ばれたの男

少女『ねぇ、ねぇ!!お兄ちゃん!!私、将来大きくなったらアイドルになるんだ♪キラキラ光って皆を幸せにしてあげるの♪』

くすんで少し汚れが付いた服の裾を指でつまみ上げながらその場でくるりと回る可憐な少女。
少女の居る部屋は辺りにゴミが散乱し、脱ぎ捨てられた服の山やゴミ袋に入ったゴミの山が狭い部屋の半分を占めていた。
そんな酷い状況の中でも少女の顔には笑顔が咲き誇り、画面が割れたテレビの淡い光が少女

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