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スポーツ専門メディアがことごとく"御用達記者""提灯記者"と化す理由&背景①

スポーツを見る・楽しむにあたって欠かせない存在の一つ言えるのがメディアです。

試合を取材する記者や、ウェブやSNSでその競技についての情報を発信・扱う媒体、専門誌として活動するメディアなどその存在は幅広く存在しています。

しかし、私が様々なスポーツを見ていて思うのが

スポーツ専門メディアに限って御用達記者・提灯記者と化しているのではないか

という点です。その理由を解説し、語ります。

①各競技の専門メディアとスポーツ新聞・地元紙との違いとは

まず各競技の専門メディアについてですが、幅広くスポーツ競技が行われている日本においてもすっかり主流として定着しています。

具体例を挙げるとサッカーだとエルゴラッソ、バスケだと月バスやダンクシュートなど・・・

一方でスポーツ新聞は名前の通り各種スポーツを全般扱うメディアです。

地元紙は主にホームタウン・フランチャイズで活動展開しているチームや選手についてフォーカスするパターンになります。

②専門メディアはバックアップ・財政面が弱い 一方でスポーツ紙や地元紙はバックアップ体制も影響力も強いという実情

「専門メディアだからじっくりとその競技を追う・扱えるでしょ?」と思われがちですが、実際のところその専門メディアの多くが会社・団体・イチ企業としては非常に規模が小さいです。

特に専門メディアへ寄稿しているフリーの記者などは、取材費用や移動にかかる費用は自腹で資金的に余裕がないパターンも多い。また一つの競技について特化している為、その競技のファンだけにしか需要・ニーズがないという点です。

対照的にスポーツ紙は全国に幅広く展開して財政的にも余裕があり、クラブや選手、世間に対する影響力・発信力が高い。

地元紙に関しても、特にスポーツ情報などを発信するようなメディアになると地域における影響力・発信力も大きく、とくにサッカーやバスケなどのホームタウンを拠点として活動する団体競技の各チームのメインスポンサーとなっているケースも多いです。

③専門メディアはクラブや選手との関係において下手に回るのが実情

結局何が言いたいんだと問われそうですが、経済的なバックアップも弱く、一つの競技しか扱えないために影響力・発信力も低いような専門メディア取材活動する上で選手やチームに強く配慮してしまうのです。

球技を中心としたクラブや選手に対して批判的な記事を一つでも書いた場合、「取材禁止にします」と言われてしまえば専門メディアとして仕事を失ってしまいますから活動ができなくなってしまう。

関係性を失ってしまうことの恐怖や後ろ盾のなさによって、記事のほぼ大半がクラブや選手に対して甘く好意的な意見になりますし、その競技・チームのファンが本当に必要としている情報を発信することができない。

だから発信する情報はいつもワンパターン。素人レベル同然のマッチレポートや、クラブや選手などからの公式リリースを引用しての記事だったり、インタビュー記事にしても、選手やクラブスタッフ、コーチングスタッフに対して核心を突くことができないから甘やかすような好意的な記事しか書けない。

無論言うまでもなくファンや情報を受け取る側が欲しいのはそんなワンパターンで素人のブロガーやnoteユーザーでも発信できる情報ではないです。本来専門メディアに対して求められる仕事として情報を発信しなければならないのは、クラブや選手など取材対象にも忖度なく核心をつくような厳しい記事です。

(専門メディアの一つでもあるバスケットボールキング。発信する情報は公式リリースを引用しただけの記事が目立つ。)

④忖度なく厳しい記事やデリケートな情報でも発信できるスポーツ紙や地元紙。

一方でバックアップも影響力も強いスポーツ紙や地元紙は、チームや選手に対しても忖度なく批判的な記事であったり、鋭い着眼点からくるような指摘やファンが欲しがる選手の移籍情報も多く発信できます。

スポンサーだったりする地元紙の取材を断るのはチームも立場上はできませんし、スポーツ新聞紙に関しても影響力が強く取材活動に余裕持って取り組める為、各チームの強化担当や選手の代理人なども含めた利害関係者に対しても忖度なく取材したうえで移籍記事も書けます。またクラブ内部の人間としっかりとした関係を構築できていることも多い。

スポーツ紙に関しては大手主要クラスとなると全国的に与える発信力影響力がとても大きいので、クラブはそれを断ったりしてしまうと大きなマイナスになってしまいます。いわば見えないところでの力関係があるのです。

(サンガの主要スポンサーでもある京都新聞。地元メディアでありながらもチームに対して忖度なく問題点を掘り下げた記事・情報を発信し続けている。)

⑤メディアとして果たすべき仕事ができない行わない専門メディアは本当に必要なのか?

素人ブロガーでも書けるようなマッチレポートや、公式リリースを引用しただけの記事、選手やクラブスタッフに対してただ話を聞きに行っただけのインタビューを、そのまま記事として発信するようなメディアなど必要ないでしょう。

選手やクラブに対して顔色を窺い、自分の仕事を失いたくないが為に"提灯記事"煽て上げるようなニュースを発信するだけの記者や専門メディアなど所詮は業界に寄生しているだけの存在です。

このような低クオリティな仕事しかできないが為、現場レベルの経験も持たないような素人のブロガーやYoutuber、バイラルメディアの台頭を許してしまうのです。専門メディアという一つの競技に対して特化した上で情報を発信・提供することが可能な立場でありながら、そのメリットを全く活かせないのはでは一体何の為に活動し存在しているのか?と嘆きたくなります。

※次回の記事へ続けます。

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