ぼんじりじり

面白いフラッシュ倉庫

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ダンディ坂野が文化になった現在

麦茶をグラスに注ぐ。生卵を割って熱したフライパンに落とす。明後日の方向に乱れた髪を櫛で梳かす。そして、テレビの電源をつける。いつもの朝のルーティーン。 「ゲッツ! 今日は昨日に引き続き、蒸し暑い日になりそうです。熱中症には十分に気を付けてください……」 ニュース番組のお天気お姉さんが朗らかな声で熱中症対策について語り始める。その声を聴き流しながら、僕は目玉焼きと何もつけていない食パンを齧る。頭の中は既に仕事の事で埋め尽くされつつあった。今日はきっと忙しい日になる。昨日も忙

    • R-18 6秒クッキング

      長田が目を覚ましたのは、薄暗い部屋だった。いやらしい赤色の間接照明のほかに明かりはなく、場末の風俗店のような湿気があった。雄の臭いが染みついた陰鬱な部屋で、長田はベッドに大の字に縛り付けられていた。しかも、一糸纏わぬ、生まれたままの姿で。 状況が飲み込めず、長田は軽いパニックに陥り、大声を上げたが、声は沈黙に飲み込まれた。芋虫のように体を捩じらせ、手首、足首に結び付けられた麻縄を解こうとするが、緩まる気配はない。それどころか、かえって麻縄が食い込む始末。痛みに耐えかね、長田は

    ダンディ坂野が文化になった現在