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【ハゲ杯】原チャのトゥデイで、大型バイクと闘った話

忘れもしません。

あれはつい先日のこと。

私は愛車のトゥデイに跨がり、仕事からご機嫌良く帰っていた。

学生時代に今は亡きじいちゃんに買ってもらった大切なトゥデイとは、もう10年以上の付き合いになる。ん?いや、確かじいちゃんまだ生きてた。ごめんなさい。

色々な都合上、またこの愛車に乗って出勤することになったのだ。ホコリをかぶっていたトゥデイも、どことなく嬉しそうにしている気がした。

車での出勤もいいが、やはり原チャが速い。
俺のドライビィングテクニックを駆使すれば、車ををひょいひょいと避けながら走ることができる。
朝は混むからトゥデイが最高だ。

安全運転に心掛けているから、半年に一回くらいのペースでしか転けない。

仕事が終わり、アフターファイブを楽しんだ後、いつもの見慣れたバイパスをトゥデイで颯爽と走る。

この道は俺のカントリーロードだ。

たぶん、俺のために作られたバイパスであろう。

人が気持ち良くトゥデイで帰っていると、後方から

ぶぉぉぉぉろろろろん!!
ぶぉぉぉぶぉぉぉぉ!!!
ぶるるるるるぶぉんぶぉん!!

とアホみたいな音が聞こえてきた。

前の車が信号で停まり、横をすり抜けるスペースもなかったため、大人しく車の後ろでまっていた。

すると先ほどの音がどんどん近づいてくる。

俺はとっさに
「なにヤツ!?」と殺気を察知した。

すると、俺の跨がるトゥデイの周辺が、ワケわからんガンダムみたいな大型バイクたちに囲まれてしまった。7台くらいに。

俺はとっさに
「くそ、囲まれたか……」
と思った。

その間もずっと、ガンダムみたいな大型バイクたちは

ぶぉぉぉぉろろろろん!!
ぶぉぉぉぶぉぉぉぉ!!!
ぶるるるるるぶぉんぶぉん!!

と威嚇してくる。

俺も負けじとエンジンをふかす。

ぷるるん、ぷるるん、ぷるるるん……ぷす……

バッテリーが弱ってるので、ちょっと元気がないけど、それなりに対抗した。

そして、前の車が進みだす。

バカみたいな大型バイクたちは一斉に

ぶぉぉぉぉろろろろん!!
ぶぉぉぉぶぉぉぉぉ!!!
ぶるるるるるぶぉんぶぉん!!
ぶおぉおおおぉん!!!
ぶろろろらろろん!!!!

と音をたてながら走り出した。

俺も負けじと全力でアクセルを回した。

ぷるるん!!

どうやらトゥディもやる気のようだ。
さすがは俺の愛車。

俺もトゥディもこの世で一番嫌いなことは、自分よりも大きなやつに臆すること。

そして何よりも俺とトゥディは負けず嫌いだ。

大型バイクの集団は前の車が遅いので、もたついている。スピードはでていないのに音だけはいっちょまえだ。

俺は全力でアクセルを回し、全集中の呼吸で周辺を把握しながら走った。

すると一筋の光が見えた。

俺はさらにアクセルを回した。

ぷるるるん!!

ひゅん、ひゅん、ひゅん!!と
大型バイクたちの間をすり抜けた。

そして、前の車の後ろにぴったりとついた。

大型バイクたちは、俺とトゥデイのケツにまとわりついている。

ぶぉぉぉぉろろろろん!!
ぶぉぉぉぶぉぉぉぉ!!!
ぶるるるるるぶぉんぶぉん!!

と音は聞こえるものの、その大きなガタイが仇となり、さらには集団でいることから、小回りも利かない。

俺は拳を空高く突き上げ、トゥデイは勝利の雄叫びをあげた。

ぷるるるるん!!

地の利と自分達の強みを生かした俺とトゥデイが勝利を納め、この戦いは幕をおろした。

バイパスを右折するために、俺が車線を変更し、信号で停まると、先ほど俺たちと戦った大型バイクの集団が横を走り抜けていった。

運転手たちが俺とトゥデイに敬意を示して、敬礼をしながら去っていった。

俺とトゥデイはその後ろ姿を見送り、帰路へとついたのだった。

漢たちの果てなき闘い……
この空が続く限り、きっといつまでも……

終わり

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