嫁の誕生日目前にカッコいいこと言ったのに、台無しにされた話

夜、嫁(長州小力似)を助手席に乗せ、買い物にでかけた帰りのこと。

俺は車を運転しながら 、 ネオン街に目を向ける。

この街の光の1つ1つに誰かのドラマがある。

そう思うと、この優しい光をいとおしく感じる……

俺は、左手でハンドルを握り、右手は窓の外に出して、夜風の優しさを噛み締めていた。

ふと、そろそろ嫁の誕生日ということを思い出した。

俺は尋ねた。

「おい、そろそろ誕生日だろ?何か欲しいもんはあるか?」

俺は少し恥ずかしい気持ちもあり、目線はフロントガラスに向けたままだ。

「えっ!何か買ってくれるの!?」

相変わらず声がでかい。のは、さておき、
俺は小さく頷いた。

「よっしゃ!!なんにしよーかな!?」

声がでかい……

「んーー!!でも今は欲しいものないなぁ!!誕生日プレゼントの有効期限はいつまでですか!?」

窓から入り込む夜の風が、俺の前髪をかきあげる……

俺は軽く微笑んで伝えた……

「俺が生きてる間だ……」

めっちゃカッコいい…俺。
何?この、王子様みたいな切り返し…天才?天才?いや、イケメンだな。俺かっけぇ。

「そっか、すぐ死んだらどうしよ……」

なっ!?えっ??なんで??
カッコよくなかった今俺!?なんでそんなこと言うの?この子、えっなんで??

もうカッコいいことは言わない……

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