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言語探偵 T:信大・言語の事件簿

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2021年10月の記事一覧

言語探偵T 第9話

言語探偵T 第9話

感覚問題 (後編)
「個人差」は確かにある。
でも、コミュニケーションに支障をきたす程の個人差というのは考えにくい。

3.「あまり言わない」の謎

「海釣りをする」という場合にどの前置詞を使うかについて、ネイティブは次のようにコメントしている。(『英語教育』 2012年 2月号 より)

これらのコメントから読み取れることを考えてみよう。

① 個人差というが、コアイメージは使っている。

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言語探偵T 第8話

言語探偵T 第8話

感覚問題 (中編)
「in-after問題」に対して、いくつかのコメントが寄せられた。

2.個人差の謎

(19) I’ll be back in 30 minutes.
(20) I’ll be back after 30 minutes.

inのコアイメージが「内部」であるなら、in 30 minutesをwithin 30 minutesと考えるのは自然であろう。

実際、そう捉える

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言語探偵T 第7話

言語探偵T 第7話

感覚問題 (前編)
前置詞に関する質問は多い。
日本人にとってこれほど難しいものなのに、なぜ英語母語話者は苦も無く使いこなせるのだろうか?

1.コアイメージの謎

前置詞は基本的な意味を「コアイメージ」で表すことができる。
中学校の教科書にもそのようなコアイメージが載っている。

でも、コアイメージをおさえても、どう使ったらいいか迷うことが多い。
(『英語独習法』 今井むつみ 著より)

ここで

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