ケルト_Irish

〘異聞・ケルト4〙英雄への道のり2

【アルスターサイクル4】

 
 
 
 オイフェとの一騎打ちに勝ち、影の国に平和をもたらしたクーフーリン。

 オイフェとのあーんなこーんな関係はとりあえず置いといて、彼はスカアハの下で一年と一日の間、様々な奥義を伝授された。
(この余分っぽい一日は何なんだろう?w)

 聞いて驚け、見て慄け、読んで白目もドライアイ、ってな修業内容を篤とご覧あれ。

1.球の妙技
2.刃の妙技
3.平らに置いた盾の妙技
4.投げ槍の妙技
5.縄の妙技
6.胴の妙技
7.猫の妙技
8.大胆鮭跳躍の妙技
9.棒高跳びに障害物跳び
10.歴戦の戦車の御者だけに許された後退回転
11.必中必殺ガイ・ボルガと真鍮の刃
12.車輪の妙技
13.八人の妙技
14.呼吸秘術
15.口唇憤怒
16.戦士咆哮
17.止め斬りの秘法
18.水切り失神突きの秘法
19.槍登りの妙技
20.槍のてっぺん棒立ちの妙技

 ちょ! 待てよ! 待てって!www

 ……非常に多岐にわたる、つーか、これは武芸の修行なのか? お笑いの修行なのか? ……というより、修行と言っていいのか?

 そもそも『妙技』って? しかも『猫』とか『胴』の『妙技』とは何ぞや? 誰か教えてw

 『大胆鮭跳躍の妙技』とか、名称爆笑de賞! とかあげたいくらいだし。

 『八人の妙技』とか、一人じゃ出来ないやんかーーーーーい! と突っ込みたいし。

 『水切り失神突きの秘法』とか、もはや想像もつかないし、はたまた戦士の戦いにおいて一体何の役に立つのかすらわからんし、むしろ役に立つとも到底思えないし。

 『槍登りの妙技』とか、槍に登ってどないすんねん! だし、『槍のてっぺん棒立ちの妙技』とか、槍のてっぺんに立ったら足に刺さるやないかーーーーーい! だし。だし。

 教えるスカアハもスカアハだが、これらを真顔でやってた超絶めっちゃイケ過ぎてるメンのクーフーリンを想像してみてくれたまえ、諸君。(ベルクカッツェ風)

 白目もドライアイになろうってものだよ、きみ。(シャア風)

 マスター出来てすごい気もするけど、マスターしたから何なんだ、という気もしなくはない。
(やれ、と言われてももちろん出来ないけども)

 何はともあれ、さすが天下無敵超絶イケメン好色ねじれの発作男クーフーリン。あっぱれ、全ての難関をクリアし、スカアハを唸らせた。ものっそ、唸らせた。

 その証拠に、スカアハの元には修行を行なうたくさんの兄弟弟子がいたにも関わらず、その中でただ一人『ゲイ・ボルグ』という魔槍を授かることになったのである。

 さて、この『ゲイ・ボルグ』という槍も、名前は何となくカッコいい気がしなくもないけど、お察しの通り(?)謎な、というより変な武器である。

 ちなみに、古代ゲール語でゲイは『槍』を表し、ボルグは『死』や『激痛』を意味した。
(この辺りで既に何となくイヤな予感がする)

 海の怪物の骨から作られたという『ゲイ・ボルグ』は、まあ、威力は確かに必死なほどすごい武器ではあるのだが、スカアハがこれをクーフーリンに授けたのには、その才能に惚れ込んだ、以外にもうひとつあった。

めっちゃ使い方が面倒くさいのだ。

 
 ゲイ・ボルグが真価を発揮するには、普通では考えられないような特殊な使い方をしなければならない。

足の指で挟み
足で蹴るようにして
敵に投げつける

 
 え? 足で? 足の指で? 槍ですよね、これ?💧
(いや、足の指でグーチョキパー出来るし、タオルを寄せて来ることも出来る私だけど、挟むとこまでは何とか行けても、そこから蹴るように投げつけるってもはややり方わからへん)

 この一撃で、敵の体内に入った槍の穂先は50の棘を傘のように爆発的に広げ、体内をズタズタに引き裂く。しかも、逆棘になっているためしっかりと肉に食い込んでおり、取り除こうとすれば、身体を全て切り開かなければ不可能なのだ。

 激痛というか、たぶん敵は即死に近い。「おまえはもう死んでいる」はず。いや、人間離れした戦士ばっかりやから、案外、しばらく生きてたかも知れんけど、むしろ即死したい気しかしない……。
(イヤな予感的中)

 こう言った理由もあり、クーフーリンがゲイ・ボルグを使った回数は多くはない。ごく少数の優れた戦士に対してのみ使用している。

 普段はクーフーリンの御者で親友のロイグが保管し、合図をされると投げて渡す、というナイスコンビネーション!

 いや、それは関係ない。

 とにかく、そんな風に修行を終え、クーフーリンは影の国から立ち去ることになるのだが、この時、例のオイフェは身籠っていた、みたい。 ←

 クーフーリンは彼女に金の指輪を渡し、産まれる男の子の指にその指輪がピッタリになる頃、父親である自分を探しにアルスターへ旅立たせるよう言い残した。その際に、次の三つの命令(ゲッシュ)を与えている。

『進む道を変えてはならない』
『誰にも名乗ってはならない』
『挑戦された時には、いかなる場合であっても応えねばならない』

 ……っていうか、女の子が産まれたらどうしたんだろう? 古代ケルト人は自分の意思で男女の産み分けが出来たんだろうか?w まあ、この二人の子どもだから、女の子でも破壊的に強い気がしなくもないけど。

 まあ、彼のことは後に置いておいて、クーフーリンはアルスターに戻った。

 そして、そして、今度こそ! とエメルと結婚するべく申し込むものの、彼女の父フォルガルは自分で条件出しておきながら、まだ認めようとしない。

 結局、クーフーリンはフォルガルと戦うことになるわけさ。フォルガルの軍勢を倒して自身の武勇を示し、結婚に至る……訳なんだけど、何かもう、最初から腕を見せとけば話は早かった気もしないかい?w もちろん、影の国に行ったことで得たものも多いから(謎修行とか謎槍とか)結果オーライなんだろうけどwww

 とりあえず、エメルを娶ったクーフーリンは、現在のダンドークに居城を置くことになる。

 さらなる戦いについては、また次回。

 
 

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〖参考文献/出典/引用〗
※昔の資料を引っ張り出すことが出来ず比較的新しめの資料群

◉井村君江 著: ちくま文庫
『ケルトの神話―女神と英雄と妖精と』
◉池上良太 著: 新紀元社
『図解 ケルト神話』

〖その他〗
◉遥か昔々に読んだタイトルも作者名も覚えていない数々の本やマンガの記憶のカケラたちと妄想像の山www
 
 
 
 
 
 

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