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こぼれる
あの頃━
ぼくが差し出そうとしたものと
きみが希んでいたものと
その隔たりはあまりに大きくて
あまりにひとりよがりだったぼくには
その溝を埋めることはできなかった
ふたりで手に入れようとしてたのに
気づかないうちにひとり歩きしていた自分
ふと 立ち止まり
振り返った時には
すべてを取りこぼしてしまっていた
こぼれ落ちたきみの心
すり抜けていったきみのぬくもり
もう 取り戻すことは叶わない
ぼくは二度と
この手につかむことはできないだろう
*
【朗読してくださった方】
☆雨の中でひとりさんのプロフィール
☆雨の中でひとりさんの朗読
☆rikuchiさんのプロフィール
☆rikuchiさんの朗読
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