『熱冷え4』
冬の冷えこみとなったあの日、陽差しだけはやわらかく眩しかった。色づいた落ち葉のクッションを踏み締めながら、まだ心持ち青の残った木々を見上げる。枝葉の隙間から差し込んだ光に、ふと目を細めた時、何かが背中に当たった。振り返った目に飛び込んで来たのは、光よりもまばゆい熱。

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