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【マガジン】 ☆かりやど〔序+全六拾話〕 序 壱 弐 参 四 伍 六 七 八 九 …
手が届くなどと 思ってもみなかった 辿り着けるなどと 考えたこともなかった …
この世の果てまで共にいきたかった 最期の先まで共にあるはずだった そう願った人…
最後まで聞いていたかった声 最後に呼びたかった名前 その魂がある場所 仮…
さてさて。 先ほど(about2時間前)、最終話を丸投げし、『呼び合うもの〜かりやど番…
帰りは優一(ゆういち)が運転する側に回った。 助手席の和沙(かずさ)は、ぼんやり…
訊いてしまった優一も、もう、それ以上は何も言えなかった。 「……すまない……」 何もなかったように首を振る朗を、優一の方は言いようのない気持ちを抱えて見つめた。その目の端に、謝罪するようにうなだれた夏川の姿が映る。 「……あの時、美鳥が助かったのは……そして、それから10年もの間、何とか生きて来れたのは、もうそれ自体が奇跡です。先生の尽力と、昇吾の祈りだけが成し得た……二人が叶えた奇跡に他ならない。それがなければ、ぼくは二度と、美鳥どころか昇吾にも再会
暑さとは関係ない汗が、優一(ゆういち)の首筋に浮き上がる。 「逆に言えば、戸…
そこからふたりの写真が続き、時に拗ねたり泣いたりしてはいても、どれも良い表情…
優一(ゆういち)の脳裏に、祖母・冴子(さえこ)の訴えが押し寄せた。 責任は自分に…
優一(ゆういち)の心情を掬い取ったのか、朗(ろう)は片足を一歩下げ、視線をすぐ横…
二人の話はトントン拍子に進んだ。 そうは言っても、優一(ゆういち)は副島(そ…
他愛ない話をして笑い合い、穏やかな時間を過ごした二人は、次の約束をして別れた…
母・沙代(さよ)を連れて優一(ゆういち)が到着すると、全て心得た仲居の案内で離れの部屋へ通された。 既に室内には副島(そえじま)がおり、傍には今日の介添え役と思われる男が控えている。優一も見覚えがある人物だったが、見合い相手の三堂(みどう)家と関わりがあることは推測出来た。 「先生、お待たせして申し訳ありません」 「いや……先方も、今、到着されたそうだ」 副島の言葉が終わるか終わらないか、のタイミングで仲居から声がかかった。 「三堂様がお見えでございます