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☆ひとつぶやき小説風☆

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読んで字の如く。
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#いつもこのパティーンやな

『氷焔3』
通り過ぎる匂いに、不意に心が立ち止まる。何の匂いだったか咄嗟にはわからないのに、自分がその匂いを知っている事、だけは憶えているのだ。
纏う人の全て──不思議なことに、直接的、つまりは物理的なもの──ばかりが薄れ、触れることなど叶わない匂いの方が己に刻み込まれている。

悠凜
4年前
16

『氷焔2』
忘れたい理由はない。けれど、憶えていなければならない理由もない。
過ぎ去ったあの人の顔、声、あれほどに追い求めた後ろ姿さえ薄れた。手と身体のぬくもり、感触、そして何より、あの人自身の形さえ、次第に朧気になっているのに。深く深く刻み込んだ事さえ、いずれは風化して行く。

悠凜
4年前
16

『氷焔』
消え去る事はなくとも、薄れゆくのが自然だろう。
忘れたくて忘れられない事もあれば、忘れたくないのに忘れてしまう事もある。それは、その願いに対する執着の成せる意地悪なのか、はたまた優しさなのか──それは私にはわからない。
ただ、ふとした時に引き留めるものは確かにある。

悠凜
4年前
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