ラッセル2000連動のETFや投資信託でおすすめは?日本から買える2銘柄+α
米国の代表的な株価指数の一つ「ラッセル2000」に連動するETFや投資信託を物色する動きが2024年の後半から出てきています。
2023年や2024年前半までは米国の大型株が強かったですが、2024年後半以降は小型株中心のラッセル2000が注目を集めるのではないかな?と個人的にも思っています。
そこで、この記事では日本から購入可能なラッセル2000に連動するETFや投資信託の説明や、おすすめの銘柄などを取り上げてみたいと思います。
ラッセル2000連動のETFや投資信託とは
まずは「ラッセル2000」の説明をしたいと思います。
✅ラッセル2000とは
ラッセル2000指数とも呼ばれるラッセル2000は、ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場している銘柄のうち、時価総額上位1001位から3000位までの2000銘柄を対象とした株価指数です。
浮動株調整後の時価総額加重平均型が採用されているので、1001位から3000位の中で時価総額が大きい企業ほど構成比率が高くなります。
年1回、毎年6月に構成銘柄の入替が行われます。
つまりラッセル2000連動のETFや投資信託とは、株価指数「ラッセル2000」を対象指標とし、ラッセル2000に連動する投資成果を目指すETFや投資信託の事です。
✅ラッセル2000の特徴
ラッセル2000は小型株が中心となるので景気に敏感な株価指数です。
景気が悪化する場合、倒産リスクなども大型株より高いので小型株の方が先に売られやすく、その結果大型株の構成比率の高いS&P500などの指数と比べると先行して下落しやすい傾向にあります。
その為、「暴落の先行指標」など呼ばれることもあります。
✅ラッセル2000が注目され始めた理由
ラッセル2000は小型株が中心なので景気に敏感だと話しましたが、金利緩和や金利の引き締めにも敏感に反応します。
とんでもなく大きい売上のある大型株とそうでない小型株では売上・利益に対する金利の影響が異なります。
当然、小型株の方が金利の負担の割合は大きくなります。
そこで注目され始めた理由①なのですが、米国で金利上昇懸念が後退し、金利低下観測が強まってきたためです。
ラッセル2000は金利低下の恩恵を受けやすい小型株の巨大な集合体なので金利利下げの恩恵を受けやすく、コンセンサス予想によると今後の利下げを見越して2024年後半から2025年にかけて力強い回復が見込まれています。
注目され始めた理由②は、ラッセル2000が割安で放置されていたからです。
ラッセル2000とS&P500は2022年頃までは同じような値動きとなっていましたが、2023年頃からマグニフィセント7などの大型のテクノロジー株が恐ろしい位のスピードで成長し相場上昇を牽引しました。
それに伴い、大型株に一気に資金が流入し小型株は物色の圏外となっていたのです。
利下げの恩恵を受けやすいラッセル2000が比較的割安で放置気味だった事で注目され始め、株価は上昇傾向となっています。
✅構成銘柄(比率TOP10)
ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場している銘柄の内、時価総額上位1001位から3000位までの2000銘柄からなる指数なので日本ではあまり馴染みのない企業が並びますね。
また2000銘柄もあるので1銘柄当たりの比率も小さくなっています。
米国の小型株にリスク分散させつつ投資をしたいという方におすすめの株価指数です。
それでは、ラッセル2000連動ETFを比較していきましょう。
ラッセル2000連動のETFや投資信託の比較
✅ETF
プレーンな「ラッセル2000」との連動を目指す日本国内から買えるETFは2銘柄あります。
2銘柄とも米国ETFです。
【IWM】iシェアーズ・ラッセル2000 ETF
【VTWO】バンガード・ラッセル2000 ETF
以前はラッセル2000連動の国内ETF(【1558】iシェアーズ 米国小型株ETF-JDR(ラッセル2000))もあったのですが2018年1月22日に上場廃止となっています。
また、「ラッセル2000」の亜種のような株価指数への連動を目指すETFも上記の2銘柄を提供する運用会社からそれぞれ出ているのでそちらも合わせてご紹介していきます。
✅投資信託
「ラッセル2000」との連動を目指す日本国内から買える投資信託は残念ながら現時点ではありません。
ただ、ETFである「ラッセル2000」の亜種のような株価指数への連動を目指す投資信託はありますのでそちらをご紹介しておきます。
ブラックロック米国小型成長株式オープン
Aコース(為替ヘッジなし)/Bコース(為替ヘッジあり)
✅【IWM】iシェアーズ・ラッセル2000 ETFの基本情報
【IWM】は、世界有数の資産運用会社ブラックロックが提供するラッセル2000に連動する投資成果を目指すETFです。
ラッセル2000連動のETFの中で1番歴史が古く、運用期間も長いので純資産総額も潤沢です。
新NISAの成長投資枠の対象商品で信託報酬は0.19%です。
ちなみに、上記で少し触れましたが「ラッセル2000」の亜種的なETFがこちらです。
【IWN】iシェアーズ・ラッセル2000 バリュー ETF
【IWO】iシェアーズ・ラッセル2000 グロース ETF
同じブラックロック社から提供されているETFです。
【IWM】とは連動指数が少しだけ異なります。
【IWN】iシェアーズ・ラッセル2000 バリュー ETFの連動指数は「ラッセル2000バリュー株インデックス」です。
ラッセル2000の構成銘柄の内、株価純資産倍率が低く、予測成長率および過去の成長率が低い企業を組み入れた指数です。
信託報酬は0.24%です。
【IWO】iシェアーズ・ラッセル2000 グロース ETFの連動指数は「ラッセル2000グロース株インデックス」です。
ラッセル2000の構成銘柄の内、株価純資産倍率が高く、予測成長率および過去の成長率が高い企業を組み入れた指数です。
信託報酬は0.24%です。
2商品とも「ラッセル2000」と少しだけ異なる指数ですが、長期で見た場合運用成績はほぼ同じで、期待出来るリターンに大きな差は生まれません。
それでいて、プレーンな「ラッセル2000」を連動指数とする【IWM】よりも信託報酬が高いです。
また純資産総額や流動性も【IWM】と比べると極点に下がります。
更に、日本の証券会社で取り扱っている会社も少ないので【IWM】、【IWM】、【IWM】の3銘柄を比較した場合では【IWM】が個人的にはおすすめです。
◦【IWM】の過去パフォーマンス
3ヶ月トータルリターン:12.58%
3年トータルリターン:1.52%
5年トータルリターン:8.66%
✅【VTWO】バンガード・ラッセル2000 ETFの基本情報
ブラックロックと並ぶ世界最大規模の資産運用会社のバンガード・グループが提供するラッセル2000に連動する投資成果を目指すETFです。
【IWM】よりも10年後発スタートなので純資産総額は劣りますが、86億USDあるので上場廃止(繰上償還)の心配はなさそうです。
新NISAの成長投資枠の対象商品で信託報酬は0.10%です。
市場価格が【IWM】の半分以下なので投資しやすい点も魅力的です。
ちなみに【VTWO】を提供しているバンガード社も「ラッセル2000」の亜種的なETFを取り扱っています。
【VTWV】バンガード・ラッセル2000 バリュー株 ETF
【VTWG】バンガード・ラッセル2000 グロース株 ETF
【IWM】の後追いで開始したETFなので取り扱うETFも合わせにきていますね。
それぞれの連動指数も【IWN】と【VTWV】、【IWO】と【VTWG】は同じです。
【VTWO】、【VTWV】、【VTWG】を比較した時も同じ理由で【VTWO】が個人的にはおすすめです。
◦【VTWO】の過去パフォーマンス
3ヶ月トータルリターン:12.62%
3年トータルリターン:1.68%
5年トータルリターン:8.85%
✅ブラックロック米国小型成長株式オープンの基本情報
【IWM】と同じくブラックロックが提供する投資信託です。
連動指数がプレーンなラッセル2000ではなく、ラッセル2000グロース株インデックスです。
つまり【IWO】、【VTWG】と同じ指数をベンチマークとしています。
信託報酬は1.683%です。
また、こちらの投資信託は償還予定の日が2025年9月29日と既に決まっています。
よって、これから投資する商品としてはおすすめ出来ない投資信託です。
ラッセル2000連動ETFの簡易比較表
ラッセル2000に連動するETF(亜種含む)のティッカー・銘柄名、連動指数、総資産総額、信託報酬のみを抜粋した簡易的な比較表です。
ラッセル2000連動ETFのおすすめ銘柄
これからラッセル2000連動のETFへの投資を考えている方におすすめはズバリ『【VTWO】バンガード・ラッセル2000 ETF』です。
✅おすすめ銘柄:【VTWO】バンガード・ラッセル2000 ETF
なぜ、この銘柄がおすすめなのかを説明していきます。
まずラッセル2000を連動指標とするETFを提供しているのがブラックロック社とバンガード社の2社となります。
それぞれの提供している銘柄名と信託報酬は以下の通りです。
◦ブラックロック社提供
【IWM】iシェアーズ・ラッセル2000 ETF:0.19%
【IWN】iシェアーズ・ラッセル2000 バリュー ETF:0.24%
【IWO】iシェアーズ・ラッセル2000 グロース ETF:0.24%
◦バンガード社提供
【VTWO】バンガード・ラッセル2000 ETF:0.10%
【VTWV】バンガード・ラッセル2000 バリュー株 ETF:0.15%
【VTWG】バンガード・ラッセル2000 グロース株 ETF:0.15%
【IWM】と【VTWO】、【IWN】と【VTWV】、【IWO】と【VTWG】は同じ株価指数を連動指数と定めていますが、どの銘柄もバンガード社提供のETFの方が信託報酬が安いです。
その為、バンガード社提供の3銘柄の方がおすすめ出来ますが、その中でのおすすめとなると【VTWO】です。
以下の図は、【VTWO】と【VTWV】と【VTWG】の過去5年間の値動きを比較したものです。
切り取る期間により順位は異なりますが、3銘柄とも殆ど変わらない値動きをしている事が分かりますね。
プレーンなラッセル2000に連動する【VTWO】はだいたいどの期間においても【VTWV】と【VTWG】の間の上位の指標に近い方に位置しています。
つまり【VTWO】はどの期間でも1番成績の良い指標と殆ど変わりがない事が分かります。
期待出来るリターンがほぼ差が出ないのであればかかるコストは少ない方がお得です。
よって、バンガード社が提供する3銘柄の中でも個人的には【VTWO】バンガード・ラッセル2000 ETFがおすすめ銘柄です。
✅その他チェックするポイント
信託報酬以外にも「純資産総額」と「流動性」はチェックしておきたいポイントです。
「純資産総額」が少ないと強制的に繰り上げ償還をされる可能性が高くなる事、また「純資産総額」が多いと将来的に信託報酬が下げられる可能性があります。
そうした事から「純資産総額」は多い方が良いでしょう。
また、流動性は低い場合自分が買いたい価格・売りたい価格で売買が成立しない可能性が高くなります。
流動性が高ければ1000円で買えていた場合でも、流動性が低い事で1010円でなければ買えない、といった事が起こり無駄なコストがかかる可能性があるので流動性もチェックしておきたいです。
まとめ
ラッセル2000の説明やラッセル2000への連動を目指すETFの紹介などを行ってきましたが、最後に要点だけまとめておきます。
◦日本国内の証券会社から購入可能な、「ラッセル2000」を連動指数とするETFは2銘柄
【IWM】iシェアーズ・ラッセル2000 ETF
と
【VTWO】バンガード・ラッセル2000 ETF
◦「ラッセル2000」と似た指数(「ラッセル2000バリュー株インデックス」、「ラッセル2000グロース株インデックス」)を連動指数とするETFもある
【IWN】iシェアーズ・ラッセル2000 バリュー ETF
【IWO】iシェアーズ・ラッセル2000 グロース ETF
【VTWV】バンガード・ラッセル2000 バリュー株 ETF
【VTWG】バンガード・ラッセル2000 グロース株 ETF
◦「ラッセル2000」を連動指数とする投資信託は現状なし
◦「ラッセル2000」連動ETFでおすすめ銘柄
【VTWO】バンガード・ラッセル2000 ETF
もし今後、どこかの会社がラッセル2000連動のETFを新規で追加などしましたら随時、記事を更新しておきます。
以上です。それでは、またねー
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