有名になる事をやめた後のVtuberの話。

今年の4月に一か月ほど休止をした。
毎年春になると花粉症→薬で喉が渇く→風邪をひく→持病の咳喘息が併発する→ずっと止まらなくて専門の魔界病院に行く、までが一連の流れになっているんだけど、今年はコロナによる不安やそれに伴いやりたい事が出来ない、中止せざるおえない状況からのストレスなどなどで症状が悪化してVtuber活動も苦しくなってしまい、咳喘息治療と心の休養で活動休止した。

休止宣言した次の日からTwitterを覗かなくなり、配信をしなくなり、Vtuberとはなんぞや?私はなんでVtuberをやってたんだ?とまるで憑物が落ちたかのように無感情で、自分を俯瞰しながら今までしてきたVtuber活動を振り返ったり今後どうするかをぼんやりとだがしっかりと考える事ができた。

Vtuberを始める理由は人それぞれだと思う。
私もVtuberという文化に初めて触れて、やってみたい、やってみよう!!というあまり後先を考えず、知識もなく始めた記憶がある。
始めて痛感したのは個人勢の知名度の壁。
まずは知ってもらう、認識してもらう事から始まる。
個人勢だから当然宣伝も自分で行い、RTを呼びかけ多くの人に知ってもらう、色んな人に知ってもらうために凸待ちなど色々な所に顔を出した。
自分のやりたい事や、やってる事に価値や意味を持たせるためにはとにかく知名度が必要だった。
凸待ちに行ったり自分が凸待ちを開いたり、コラボに出たりコラボを企画したりした。

ただ性分で今も苦手なのが、自分よりも知名度のあるVtuberさんにコラボをもちかけ共演してもらうのは、なんだか「すり寄り」や「売名」だと本人に勘違いされるのが嫌で、その本人の事が好きでコラボしたくても、なんだか声をかけづらかった。
自分が同じチャンネル登録数になれば、同じ位の知名度になればそういったしがらみもなくなると思い、また知名度を上げる活動をしていった。

凸待ち企画を何度かして、とても魅力的なVtuberさんなのに同じく知名度がなくてチャンネル登録数が少ない人に出会うと、もっとちゃんとした露出の場を作りたい!!私が有名になって見る人が沢山来るようになって、凸待ちすれば、この人のちゃんとした宣伝の場になる!!個人勢を盛り上げる活動がしたい!!と有名になる理由が自分よりも他者優先になりつつあった。(それは今も変わらないけど)

そうして活動を始めてからバズる事は一切なく、堅実に活動して、2020年3月に累計24時間配信を通してチャンネル登録数1000人を突破した。
デビューしてからの目標だった。憧れていた数字だった。
だがいざなって見るとさほど変わらなかった。
同時接続は一桁当たり前だし、その時点で再生数も足りず収益化が次の目標になっただけで、登録数が1000人いても1000人が全員配信を見てくれている訳ではない。
当たり前の事だが、そうだよな、と納得した時に何かが落ち着いてしまった。

そうして落ち着いた状態でコロナの影響で仕事が休みになり、やりたかった事がうまくいかなかったり中止せざる負えなくなったり、ため息がでる事が多くなるなか、私はSHOWROOMのガチイベに参加していた。
毎日数字や順位を横目で見ないふりをしながら、家にいるばかりでテレビも面白くなく、雑談のネタもつき欠けて、自分の魅力の無さや引き出しの無さ、ダメさ加減に絶望してしまい、配信中にテンションがだだ下がりしてしまった。

ストレスで咳喘息もひどくなり、配信中まともにしゃべれない。
咳を我慢しながらトークも弾まず、ファンの方に心配をかけさせてしまう。
雑談枠をとったが何も話すことが思い浮かばない。
こんな私を、魅力もなにもない私を、ガチイベ応援してくれる訳がない。
あぁ、でもガチイベ中だ。次の配信準備しなきゃ。
次枠は何をしゃべれば。何が楽しんでもらえるかわからない。
…配信が、つらい。

休止しよう。
たしかガチイベ最終日、活動休止宣言する日に決めた。

そんなこんなで休止してぼけーっと今後について考えてました。
私は性格上どん底まで落ち込んで
「ああクソ駄目魔族が、誰も私の事なんて必要としてない、別に私が消えたって誰も悲しまない、すぐに忘れる、私を誰も好きでなんてない!!!……
…いや、そこまででもないわ。そこまで言われる筋合いねぇわ。ちゃんと活動してるわ。あの人は悲しんでくれるし仲いい子いるわ」(この間1分)
みたいな浮上がすごく早くてスッ…ってした顔になるんですけど、そのおかげで引退は考えませんでした。

私が活動してて苦しかったのなんでだろな、って考えた時に先程話していた、自分よりも知名度がある子との付き合いで、自分の中でその子と自分ほ密かに比べてしまうところがあり、それがものすごく苦しかった。
でもなんで比べるんだろう、って考えた時に、私はこのVtuber活動で生活費を稼ぐつもりもないし、そのポテンシャルも器用さも自分にない事が分かっていて、専業でがんばっていく子との覚悟が違う。
そこで追いつこうって考えるのはその子に失礼なのでは?
そもそも有名になりたいって言って、有名になりたいはあくまでやりたい事をする為の手段で、そこが目標じゃないのであれば別のやり方があるのでは?
とか色々考えた結果、私は有名になる事を目標から外した。

知名度はたしかに必要だ。
でもほかVtuberのようにアイドルの様にふるまえるわけでも誰でも分け隔てなく接する事ができるわけでもない。
何よりも自分は万人受けするタイプではない。
ならばそんなVtuberに出会って何かに惹かれてくれたファンの方と楽しく過ごす事を第一に考えていくのが楽しい活動の第一歩じゃないか?

この考えにストンと落ちてからは、「知名度の為に~しなきゃ」というプランニングがなくなった。
もちろん見てくれる人が楽しい配信になる様に変わらず努力をするが、変な我慢や嫉妬をしなくなった。
所詮は他人は他人。隣の芝生は青く見えるもの。そう見えるのはそれだけその子が努力をしている証拠だ。

それと、今の私はVtuber活動において「無理をしない」「嫌な事、気の乗らない事はやらない」「義務と思う事はやらない」を実施してる。
一例として、これまでどんなに時間がなくても朝の挨拶ツイートをしていたが、しなくなった。
もともとVtuber活動する前は低血圧で朝はぼーっとソシャゲログインして気になるニュースと確認するだけだった。
挨拶ツイートはみんな手ごろに挨拶コメントしてくれて気軽なコミュニケーションだと思うが、仕事中は長くスマホを触れず、昼休みは付き合いで同僚と食べたりしていると、結局おはようのリプ返を18時過ぎに送る事が多くなった。
帰宅途中や帰ってからすぐパソコンに向かってのリプ返がほぼ作業のようだった。
「やらなきゃ」の気持ちでする挨拶は、なんだか悲しい。
だから朝の挨拶ツイートをしなくなった。
休みの日など余裕がある日や、しても軽い感じで済ませる事にした。
休止後に突然告知もなく変わったから不安に思う人もいるだろうし、これによりTwitter内での交流は減った気もするが、そこもあまり気にしない事にした。

有名になる為にしてきた事すべてが無駄だったわけではないし、活動においてしたほうがいい事は沢山ある。
でも私の活動は仕事でも義務でもなんでもなくて、楽しくてしている事なんだ、と再確認できた今は、私が楽しいと思える事をしようと思った。
そして今私を応援してくれるファンの人と楽しい時間を過ごす事を大切にしよう。
また新しく私を知ってどこかに惹かれてくれる人と出会う為に色んな事をする時が来ると思うけど、その時は力を貸してもらえるように。

以上、Vtuber活動一年半過ぎた、今の私の心境でした。


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