SNSで物議を醸したオーラスの仕掛け判断は正しかったのか?
アガれば良い局での仕掛け判断
南4局(オーラス)
この局は、当時SNSで様々な意見が飛び交いました。
話題になっていたのは、私の↓の選択です。
岡部「8p意外だったんですよね。鳴かなさそうだなぁって思って観てたんです。」
魚谷「この8pねぇ・・・
私は、あがればいいだけの局なら鳴いた方が良いと思ってるんですよね。
ターツ候補も57sの1個しかないし、リャンシャンテンからイーシャンテンになるし、ほんとにただあがるだけの、あがり効率だけを見たら鳴いた方が得だと。どうですか・・・?」
岡部「ピンズのホンイツを見た鳴きっていう訳では・・・?」
魚谷「(8pポンの時点では)そういう訳ではないですね。
安全度が白で確保されているというのも大きくて、白がなくてタンヤオのみの形だったりしたらもちろん鳴かないです」
岡部「シャンテン数を1個進めるとくっつきがなくなっちゃうから、タンキ探しの旅みたいになりそうで・・・
鳴いてもあんまり(あがりまでの速度は)変わらない気はしますね。
僕は、ポンせず親の現物2枚と白の安全牌で、5枚親への安全牌を確保しながら攻めていく手順を選びそうです。
4mや8mの横伸びも見つつチーテン、4mや8mをたてに引いた場合は次に出た8pポンしてテンパイを取る、というイメージです。
あとは、親以外の人が鳴いて、安そうならアシストや差し込みもします。
自分が行けなくても他2人が行くかもしれなくて、3人で親を流しにいく可能性が高い局面と捉えています。
【2着で終わる】という目標は同じですが、より守備的な選択ですね。」
魚谷「なるほど・・・
SNSでも「鳴いて速度が上がってない」と言われたのですが、私としては【上がってはいる】と思っています。本当に微差ですけど、手牌としての速度+この後のアシストも期待出来ることを考えると鳴く前より鳴いた後の方がテンパイやアガリまでは近づいていると思いました」
岡部「2着目のこの局面での選択であって、あがりトップのダンゴ状態や、後先を考えない局面であれば、僕も必ずポンします。
空中(=まだ牌が河についていない状況)でポンと発声してそうなレベルで(笑)」
魚谷「では、状況も加味してオーナーは鳴かない選択になるということですね」
岡部「あがりまで早くなってるかは自分でもよく分かってないですが、前にがむしゃらに出て負けるのは仕方ないと思ってて。
出来ることがあったのに見逃して負けるみたいなのが、自分の麻雀では絶対に許せなくて。
そういった意味では、ポンしてがむしゃらに自分で2着を決めに行くのは、それほどリスクもなく他家の出方も伺えて、今期の魚谷さんのテーマに合ってるなぁと思います。
僕は鳴かなさそうですが、鳴くのもありなののかなぁと。それほど微妙な局面ですね。」
この鳴きは一見、↓のようなリスクが目立ちます。
そのため、ポンしない選択がマジョリティではあります。
ですが、ポンする選択にも可能性を感じているため、『 麻雀AI「NAGA」』に解析を依頼してみることにしました。
まずは、その結果を確認してみましょう。
バランス派のニシキは、結構スルー寄りでした。
では、ニシキに比べ【 副露率が7ポイント高く、和了率も放銃率も高く攻撃的 】(※)とされる超副露派のカガシはどうでしょうか。
※ https://x.com/NAGA025/status/1652943059741728768より引用
【鉄鳴き】という程ではありませんが、鳴きが優位のようです。
超副露派の小林さん、本田さん、いかがでしょうか?(笑)
やはり、この8pポンは打ち手のタイプによって判断が絶妙に異なる難しい局面のようです。
ただ、私のこの8pポンに関しては、【オーラスだから鳴いた】という側面が強いです。
というのも、オーラス時の思考は、その他の局と大きく異なるからです。
南4局(オーラス) オーラス時の思考
東1局(=東発)時点での最善の結果は、自分がトップになることです。
そのため、対局が始まった段階では、対局者全員がそれぞれ等しく敵です。
ですが、4人に1人しかトップになれない以上、対局が進むにつれ、次善・三善と結果を妥協していくことも少なくありません。
するとどのようなことが起こるかというと、それまで等しく敵だった対局者同士の間に、利害関係が生まれます。
特にオーラスは、この利害関係が打牌選択に強く影響を及ぼします。
これを、今回のオーラスをもとに具体的に考えてみましょう。
オーラス開始時の点棒状況は↓のようになっていました。
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