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トイツ落としから相手の待ちを読み切る!!Mリーグ23-24シーズンを振り返る④後編

皆さんこんにちは。
今回はMリーグ23-24シーズンを振り返る④後編となります。
それでは早速振り返っていきましょう。

鉄強オーナーのセオリー 其の六

【4・・・4と離れて切っているときは、2個隣りのシャンポンを注意!!
メンゼンのときはリャンカンのスジ待ちも注意!!】


今回の鉄強オーナーの格言です!
 
先程オーナーが、
岡部「特にこの局面では、ドラの2sと6mのシャンポン待ちがありそうです。」
と言っていたのは、この格言からきています。
 
どのような思考から成り立つ格言なのか、しっかり確認していきましょう。
 
瑠美さんの捨て牌は、ついつい4mに目がいきがちですが、実は1枚目の4mの次にツモ切りされた8mも大事な情報です。

4mを並べるのではなくて、8mが挟まっていることに注目


トイツ落としには、
① 連続で捨てられる
というパターンと、
② 1枚は離れて捨てられる
というパターンの2つがあります。
 
結果的にはどちらも同じ4mのトイツ落としになりますが、意味は全く異なります。
 
では、瑠美さんの4mトイツ落としは上記の①・②のうちどちらに当てはまるでしょうか?
ここで注目してほしいのが、1枚目の4mの次にツモ切りされた8mです。
 
例えば、瑠美さんが↓のような手牌だったとすると、


①の【連続で捨てられる】パターンの場合は、8mより先に4mを切る可能性が高いです。
なぜなら、通常4より8の方が他家への安全度が高いからです。
これは、今回のケースにおいても例外ではありません。
 
にもかかわらず、瑠美さんは8mをツモ切りし、4mを手の内に留めています。
 
ということは、まずはパッと見で瑠美さんの4mトイツ落としは、②の【1枚は離れて捨てられる】パターンの可能性が高いです。
 
このようなときに、捨て牌に4・・・4とトイツが離れて切られることになり、格言の通り、
【2個隣のシャンポンを注意!!メンゼンのときはリャンカンのスジ待ちも注意!!】しなければなりません。
 
それでは次に、【4のトイツ落とし】にはどのようなケースがあるのか具体的に確認してみましょう。
 


A.44の単純なトイツ落としのケース
B.344(や445)からリャンメン固定で打4とした後に、また4をツモって空切りするケース
C. できているメンツからスライド(例・・・4456から4を切った後にツモ7打4)するケース
D.2244・3344・4455・4466から4を切って、224・334・455・466といったカンチャントイツやリャンメントイツにするケース
E.4468から4を切って、リャンカンにするケース
F.Dの派生形として、4456788・4467899・4456799から4を切って、456788・467899・456799といった形にするケース
G.他に愚形ブロックがあるか、手役狙いのため、4を1枚浮かせておくケース
H.4が安牌のケース
 


瑠美さんの捨て牌と愚形のカン5チーを見ると、第一感は↓2つの可能性が高そうです。
 


D.2244・3344・4455・4466から4を切って、224・334・455・466といったカンチャントイツやリャンメントイツにするケース
 
G.他に愚形ブロックがあるか、手役狙いのため、4を1枚浮かせておくケース
 


では、↑のA~Hを瑠美さんの手牌に当てはめて考えてみましょう。
 
A.44の単純なトイツ落としのケース
→安全度を比較して、8mより4mを手出しする可能性が高いので否定
 
B.空切り、C.スライドのケース
→5sのチー出し4mなので否定
 
そして、E.4468から4を切ってリャンカンにするケースは、格言にもある通り、メンゼンのときに注意するポイントで、鳴いているときはあまり考慮する必要がありません。
 
例えば、西を鳴いている瑠美さんが↓のような手牌だったときは、


8mを切って、4mや8pのポンテンを取れるようにしておくのが自然だからです。


岡部「ちなみに魚谷さん目線だと、8mが自分の手牌と瑠美プロの捨て牌とで4枚全て見えているため、瑠美プロが468というリャンカンを持っている可能性がゼロになっていますね。」

捨て牌と自分の手牌を合わせて読みを深めていきます


8mが全て見えているという情報から、Fの4456788・4467899も否定することができます。
 
また、Fの4456799に関しても、8mを切らずに手牌に置いておくのが自然な手順になるため、否定できます。
 
Hの4mが安牌のケースはすでに否定されています。
 
以上より、やはり今回の瑠美さんの4mトイツ落としは、↓の2つの可能性が高いです。
 
D.2244・3344・4455・4466から4を切って、224・334・455・466といったカンチャントイツやリャンメントイツにするケース
 
G.他に愚形ブロックがあるか、手役狙いのため、4を1枚浮かせておくケース

 
では、改めてそれぞれのケースから想定される待ちの形を深掘りしてみましょう。
 
D.2244・3344・4455・4466から4を切って、224・334・455・466といったカンチャントイツやリャンメントイツにするケースはどうでしょうか?
 
私の捨て牌を見ると、2mを捨てていますが、瑠美さんは鳴いていません。

2mを鳴いていないということは否定される形が増えます


ということは、瑠美さんの手牌には、224・334はないということが分かります。
 
例えば、瑠美さんが↓のような手牌だったときは、2mをポンしてテンパイを取るのが自然ですし、


↓のような手牌だったときは、2mをチーしてテンパイを取るのが自然だからです。


以上より、マンズはこれまでで否定された69m以外のリャンメンに加え、2m・3mのシャンポン待ちを否定することができます。
 
では、455・466はどうでしょうか?
 
まず、455について考えてみます。
例えば、瑠美さんが↓のような手牌だったときは、


5sチーの後のチー出しが、リャンメン待ちになる5mが自然です。


ということは、5mのシャンポン待ちも否定することができそうです。
 
ここで、↓のような「ドラ2sとのシャンポン待ちにする4m切りならあり得るのでは?」と考えた方もいらっしゃるかもしれません。


たしかに、↑の状態からならあり得るのですが、もう少し手牌をさかのぼると5mのシャンポンはほぼ否定されます。
 
例えば、瑠美さんが↓のような手牌だったときは、


6sを切って↓のようにするのが最もテンパイしやすいです。


4mを切ると、↓のようになり、テンパイする牌が減ってしまいます。


以上のように、牌効率上、瑠美さんが455と持っている可能性はほぼないため、5mのシャンポン待ちも否定して良いでしょう。
 
すると、瑠美さんの4mトイツ落としが、
 
D.2244・3344・4455・4466から4を切って、224・334・455・466といったカンチャントイツやリャンメントイツにするケース
 
であった場合には、466の形が該当することになります。
 
すると、最終形が↓のようになっている可能性は十分にあります。


このような思考を経て、【4・・・4と離れて切っているときは、2個隣のシャンポンを注意!!メンゼンのときはリャンカンのスジ待ちも注意!!】という格言につながります。
 
それでは次に、瑠美さんの4mトイツ落としが、
 
G.他に愚形ブロックがあるか、手役狙いのため、4を1枚浮かせておくケース
 
であった場合も考慮し、6mのシャンポンの他に、どのようなシャンポン待ちの可能性があるのかも考えてみましょう。
 
現状、全編を通して瑠美さんの手牌は↓のとおりシャンポン待ちが否定されています。


 
また、瑠美さんは自分で2pを切っているため、2pのシャンポン待ちもありません。


さらに、捨て牌と私の手牌との枚数とを合わせると、8m・9mのシャンポン待ちもありません。


それでは、残りのマンズとピンズを順に確認していきましょう。
 
まず、1mのシャンポン待ちは否定できる材料がないため、シャンポン待ちの候補になり得ます。
 
次に、7mは、8mと4mの切り順が不自然となるため否定できます。
例えば、瑠美さんが↓のような手牌だったとすると、


4mを切って、リャンメントイツ778mを残すのが自然だからです。


それでは次に、ピンズを確認していきます。
 
まず、捨て牌を見ると、

ポン出来たはずの牌を要チェック


1p・5p・9pはポンできるチャンスがあったのにしていないため、シャンポン待ちは否定して良さそうです。


次に3pは、先程7mのシャンポン待ちを否定したときと同様、リャンメントイツになるはずの2pと4mの切り順が不自然となるため否定できます。


さらに4pも、2pと4mの切り順から否定して良さそうです。
例えば瑠美さんが↓のような手牌だったとすると、



4mを切って、カンチャントイツ244pを残すのが自然だからです。
 
最後に、6p・7p・8pのシャンポン待ちを否定できる材料はないため、シャンポン待ちの可能性は↓のようになります。


岡部「あとは字牌ですが、しっかりと見てみたら2pを切った時に重なった北だけはありえますね。
 これらの思考は頭の中でパターン化されていて、実戦で卓に座っているときは消去法で瞬時に判断しています。
さすがに字牌は分からなくなるので毎度考えて数えてますが。」
 
たこらぼ「 ・・・!!?( 驚愕 )」
 
今回は、格言 其の一【食い伸ばしが否定されているときのカン5のチーは、その色は1・9シャンポン以外の待ちを全て否定できる!!】から、【ソーズが待ちに関わっているならシャンポン待ちだけ】ということが分かったので、その片割れをケアする意味でシャンポン待ちにしか触れていません。
 
そのため、もちろんその他の愚形ブロックが待ちになっている可能性もあります。
ただ、実はこれはピンズの上のカンチャンくらいしかなく、その可能性もそれほど高くありません。
余力のある方は是非、なぜこのようになるのか考えてみてください!
 
岡部「考え方のポイントは、ターツ外しやトイツ落としを見つけたら常に、【手牌の中にはそれより同等~良い形が残っている】ということです。
 今回のケースであれば、4mのトイツより同等~良い形が残っていると想定します。
 そして、より“良い形”というのはすなわち、最終的な待ちになったときに4mのシャンポンよりもあがりやすさが見込めたり、4mのトイツより良形に変化する牌が多
かったりするといった形のことです。
とはいえ、鳴いているときはポンができるトイツを残して手を進めていくのがスタンダードなため、ピンズ上のカンチャンがあるとしても可能性はそれほど高くないということになります。」
 
最後に、私の捨て牌の9pをチーしていないこと、私の手牌と瑠美さんの捨て牌とで8mがノーチャンスになっていることから、69p・69mのリャンメンも否定することができます。

仕掛けてない牌は基本的には当たらない


まとめると、リャンメン待ち・シャンポン待ちの可能性は↓のようになりました。


さて、ここに、私が3pを引いてきました。

当たる牌の候補が少なくなってきたけどどうしますか?


マンズ・ソーズは愚形を含むほとんどの待ちが否定されている中、この3pはロンと言われても全くおかしくない牌の1つです。
 
この3p、みなさんは切りますか?
それとも、別の牌を切ってまわりますか?
 
ここからは鳴き読みの話から押し引きの話に変わります。
 


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鉄強オーナーのセオリー 其の七


【危険牌だと分かっていても、安易にオリたりまわったりしない!
相手の手牌構想と自分の手牌価値とを比較して、押すべきときはしっかり押す!!】

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