宇都宮ライトレールは何故あんなに揉めたのか?


どうも。ゆうくんです。

4月にたまたま10日間ほど東京にいる機会があり、最近話題の宇都宮ライトレールについて現地に行ってきました。

最初に結論から言うと、公共交通利用者がいないのにも関わらず莫大な費用をかけて建設計画を立てたため揉めてしまったということです。

宇都宮ライトレールが計画された理由は、宇都宮市と芳賀(はが)町との間に大きな工業団地があり、そこに向かう自動車やバスで大渋滞が発生する問題を解決するため、計画されたということが大きな理由です。その渋滞の大きな原因は鬼怒川という大きな川が宇都宮市と工業団地との間にあり、そこに架かる橋に自動車が集中するからです。飲み口に向かってペットボトルが尖っていてそこで水が溜まるようなボトルネックという現象が起きているからです。

宇都宮ライトレール

まず、沿線の様子を見るため、宇都宮駅東口から歩いてLRTが敷かれるベルモール方向へ歩いていきました。
ベルモールは、イトーヨーカドーが核テナントの大型ショッピングモールで様々なお店や映画館、そして、温泉があり幅広い世代の人々が1日過ごすことができる施設です。
そこに、宇都宮市のLRTのプロモーション施設があり、そこで工事の情報やLRTが開業した後、自動車の視点からどのようにLRTが見えるか?というVR情報や鉄道模型が展示されていました。

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そこで、ベルモールまでの道を歩き、中型バスが1時間に2~3本程度しか走らない場所になぜLRTが必要なのかプロモーション施設(MOVE NEXT うつのみや)の方にお話しを伺ったところ、宇都宮市の公共交通のレベルアップを兼ねてライトレールを建設するというお話をしていました。具体的には、SuicaやPASMOなどの全国相互利用ICカードを使用できるようにすること(バスは未だに整理券を取って現金を支払う状態)や、バス路線を再編して公共交通の利便性を向上させていくこと、LRTの各電停に自転車置き場を整備するなどグリーンモビリティ(公共交通・自転車・徒歩)が使いやすいように施策を行うそうです。
そのお話の中で、実際に建設が行われているところが存在しているので、訪問をしてみてはどうか?ということで、バスに乗ってその現場に向かいました。

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そのバスまで1時間近くあり、桜が満開の季節でしたので近くにある宇都宮大学に行って桜の木を撮影してきました。
ベルモールの近くにある温泉の名前に桜という言葉が入っていたのはそのような理由なのかと、この桜並木を見て感じたものです。
ちなみに、宇都宮ライトレールの車両が黄色なのは、宇都宮はよく雷が落ちやすい場所であるらしく、ライトレールと雷都をかけてこの色に決定したそうです。

宇都宮ライトレール車両

その後、バスに乗って工事現場へ向かい、到着したバス停の時刻表を見るとなんと1日4本しかバスが無い…。そんなところに輸送力がバスの3~5倍以上あるライトレールが10分おきに走るわけですから当然反対意見があそこまで大きくなるのは当然だと感じました。

その後、移動する足が無い私は、歩いてベルモールまで戻り、その先のバス停からバスに乗って宇都宮駅に帰ったわけですが、マジで疲れたわ~。(笑)

宇都宮駅で宇都宮名物の宇都宮ぎょうざを食べ、その後JR宇都宮線に乗って東京に帰りました。

私は、その地域の所得水準を知る方法として、道路を走る自動車と自転車に注目するのですが、自動車は、普通車が殆どで、九州ではよく見かける軽自動車はあまり見られませんでした。また、自転車もママチャリよりもシティバイクやクロスバイク、ロードバイクに乗っている方を多く見かけました。

ただ単なる宇都宮旅行記で終わってしまいますので、ここからは、宇都宮ライトレールについて詳しく説明をしていきます。

宇都宮ライトレールの建設費は約458億円(車両製造費込)でそのうちの229億円が国、芳賀町が23億円、宇都宮市が206億円を負担します。全長が14.6kmあるので、1kmあたり約30億円の建設費です。
家を建てる際に住宅ローンを組むように、宇都宮ライトレール建設も20年ローンを組んで年13億円ずつ返済していく予定です。

社会インフラを作る際に作るか作らないかという基準を示す費用対効果(B/C)は1.19で投資に対して社会的な便益効果は1.19倍あるということが確認されています。既に沿線地域では鉄路が通ることから、住民が増加して、小学校が新設されたり、地価が上昇するなどライトレール建設による投資効果が目に見えるようになってきています。

また、運行頻度は朝夕の混雑時間帯は6分に1本、日中は10分に1本程度運行されます。
運賃は初乗り150円の対距離制度で所要時間は快速で37分、各駅停車で44分を予定しています。

今後は、中心市街地である宇都宮駅西口と東武鉄道宇都宮駅との間を結ぶ計画も存在し、東口側の路線が開業した後、そちらの方も路線が建設される予定です。

今回の記事を踏まえて北関東と同じく超自動車社会である私の地元宮崎ではどうなんだろう?ということを考えていきたいと思います。
それでは、次回の更新をお楽しみに!


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