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平成筑豊鉄道の駅事務室公開イベントに行ってきました

どうも、ゆうくんです。
今回は、以前から平成筑豊鉄道の河合社長より、お誘いを頂いていた平成筑豊鉄道・油須原駅の駅事務室公開イベントに行ってきました。

今回のイベントに参加するまでは、平成筑豊鉄道に乗ったことはなく、今回初めて乗る鉄道会社になりました。

1.平成筑豊鉄道とは

福岡県の直方市から田川市を経由して行橋市まで抜ける伊田線、糸田線、田川線を運行する鉄道会社です。
元々、伊田線、糸田線、田川線は、国鉄路線として運行されていましたが、特定地方交通線の3次選定路線に指定されたため、国鉄路線として廃線することになりましたが、鉄道路線を残すため、地元沿線自治体が運営する第三セクターとして、平成元年に設立された会社です。
※平成筑豊鉄道が開業した平成元年は既に国鉄は、分割民営化されており、九州内の国鉄路線の継承会社であるJR九州より移譲された形となっています
そのほかに、門司港レトロ観光線も運行する会社となっています。

門司港レトロ観光線 潮風号

詳細については、下に貼っておりますWikipediaのリンクを参照いただけたら幸いです。

2.平成筑豊鉄道に乗ってみて

今回は、博多より、福北ゆたか線(篠栗線・筑豊本線)に乗って、新飯塚まで行った後、新飯塚から後藤寺線で田川後藤寺へ。田川後藤寺から日田彦山線に乗り換えて田川伊田まで向かい、そこから平成筑豊鉄道に乗り換えて油須原駅に向かいました。

ちなみに、博多駅から油須原駅に向かう最速ルートはソニックに乗って、小倉経由で行橋まで向かい、そこから平成筑豊鉄道に乗車するルートが一番早いそうです。

私は今回、未乗車線である後藤寺線と日田彦山線に乗るため、上記のようなルートを選択し、移動しました。

そして、田川伊田より平成筑豊鉄道に乗車し、油須原駅へ。
平成筑豊鉄道の車両に乗ってまず気になったことが、車両にトイレがないことと、奇妙なスペースが車両に2か所あること。
この気になった点についての答えは帰路の列車で知ることとなります。

平成筑豊鉄道の主力車両 400形気動車412号 @油須原駅

列車は、油須原駅に到着。
平成筑豊鉄道の職員さんや地域の方々の出迎えを受けて、私自身も少しビックリしてしまいました。

3.油須原駅にて

その後、私は職員さんにお勧めされ、コーヒーを頂きました。
赤村は有機農業に取り組んでいるらしく、コーヒーもオーガニック、砂糖は、サトウキビで作った黒砂糖の砂糖で、小さじ1杯程度、入れましたが、想像しているよりも甘くなく、大変驚きました。コーヒーを入れて頂いた方から、こんな量で良いですか??と言われましたが、それも納得するほど。。。
平成筑豊鉄道のグッズを始め色々なものが販売されていましたが、今回は我慢。。。

その後、河合社長とお会いし、油須原駅を研究室として使用している西日本工業大学の先生を紹介して頂きました。
また、サイクルトレイン(11/19に実施されたようですが。。。)ができないのかという話が出てから、駅構内バリアフリー化という話が出てきたりと様々なお話させていただきました。
僕が来てからは、社長を独り占めしたような感じになってしまい、本当申し訳ないな~と思いながら過ごしていました。。。

(1)ことこと列車

その後、平成筑豊鉄道を代表する観光列車「ことこと列車」が到着。

ことこと列車@油須原駅

この車両は、JR九州の車両デザイナーである水戸岡鋭治氏のデザインされた車両で、平成筑豊鉄道でこの車両が実現したのは、河合社長が社長に就任するはるか前から、水戸岡鋭治さんの元を訪れて水戸岡さんとの人間関係を築いてきたご縁で実現したそうです。

また、列車名の由来は、平成筑豊鉄道の沿線を「ゆっくり、ことこと」と走るというのが由来だそうです。

ここで、駅事務室公開イベントということで、ホームにタブレットキャッチャーがお目見えに!

タブレット受取器
タブレット交換の実演

タブレット交換の実演したりして、イベントを盛り上げていました。

ことこと列車@油須原駅

JRでは安全に関する規則が厳しいため、こんな危険な写真を撮影することはできませんが、安全が確保できる場合に限り、平成筑豊鉄道ではこのような形で撮影を行ってもいいそうです。(ただし、職員さんがいる場所でない限りやらない方が良いと思います)

ことこと列車出発後は暫く列車が無いことから、駅前の写真を撮ったり、駅にいる地域の人と交流したりして時間を過ごしました。

油須原駅 駅本屋

(2)駅事務室

その後、私は駅事務室公開イベントの目玉である駅事務室について詳しく説明を受けました。

タブレットと言われると、iPadをはじめ、スマートフォンを大画面にしたものというイメージであり、JR九州やJR東日本も運転士にiPad miniを支給し列車を運行するための時刻表や停車駅接近装置としても使用しているため、鉄道会社の社員と言えども、タブレットと言われるとそっちがイメージされてしまうのではないかと思います。

元々鉄道で使用されていたタブレットは、通行票というもので、薬の錠剤のように丸いものというのが名前の由来だそうです。
タブレットは中央が〇、△、◇など様々な形で穴が開いており、運転士の持つ時刻表にも開いている穴の形が記載されていたそうです。

JR札沼線 石狩月形(廃線済) でのタブレット交換シーン
手動信号機(※実際には使用していません)
タブレット送受信機
タブレットが使用されていた当時の時刻表

細かい内容については、今回説明を受けましたが、長文になるため、現地に行ってお話を聞いてみてください!
次回は、11月27日(日)に開催予定です!

(3)地域との繋がり

11/20に福岡市長選挙が行われ、高島市長が4選というニュースが流れました。
私も福岡市民として選挙には行きましたが、160万都市ということで、やはり市長と住民の距離があり、全く身近に感じられないように感じます。
選挙の投票率が30%台前半になるのも市長と住民との距離が遠すぎることが関わってきているのではないかと思います。

地元の宮崎であれば、宮崎市長や国会議員、経済界でもキーパーソンになる人もまちなかで出会えたりします。
熊本も2年住んでいましたが、自分のいた環境もあるかとは思いますが、福岡よりも宮崎みたいに地域のキーパーソンとの距離が近い感覚がありました。

平成筑豊鉄道の沿線自治体は、多くても人口10万人に届かない自治体であるため、地域のキーパーソンや首長との距離が近いという特徴があるらしく、マイレール意識やソーシャル・キャピタルが熟成されているように感じました。

今回は、北九州大学の学生さんや福岡県の職員さんと話させていただく機会を頂きました。
北九州大学の学生さんは、地域活性化の学部(経済学部系)に在籍しているとのことで、11/12と11/13にイオンモール直方で開催された公共交通のイベントに向け準備を進めていたようです。
対象は小学生向けだったようで、駅名を漢字で書けるようにする漢字ドリルやダムカードならぬ第三セクター鉄道で展開されている鉄道カードを配布する計画を立てていたようです。
私も、土木学科卒業ですが、交通まちづくりの研究をしていたこともあって、公共交通を利用するためにどうしたらいいのか?と真剣に考えていたあの頃の情熱を思い出させていただくことができました。

4.帰り道

私は、その後、再び田川伊田駅に戻る列車に乗車し、油須原駅をあとにしました。
田川伊田駅に戻る帰路で、福岡県の職員さんとお話したのですが、私が、平成筑豊鉄道に乗って引っかかっていた疑問について答えを頂くことができました。

私自身が引っかかっていた疑問は以下の点でした。
①最高速度が40~50km/hと沿線の自動車に抜かれるほどゆっくりだったこと
②快速列車が欲しいと感じたこと
③車両にトイレがないこと
④ロングシートの間にある謎の空間

①については、線路自体は85~95km/hで走れるものの、維持補修のコストを下げたことと、ダイヤにかなり余裕を持たせてるためとのことでした。
ただ、運転士の視点では、気動車がオートマ車で自動変速するため、変速するタイミングで速度が一定になることで車両に対してかえって負荷がかかる可能性があることを懸念している人もいるという話を聞きました。

②については、元々快速列車が運行されていたものの、快速通過駅の利便性が大幅に下がることから、利便性を優先にしたとのことです。

③については、平成筑豊鉄道の車両基地に汚水を処理する装置がないため、設置していないことと、設置した場合に車内のスペースを大きく占めてしまうため、設置していないとのことでした。
そのため、車内でトイレに行きたい乗客がいたら、駅に長時間停車して駅のトイレに行って頂く形にしているようです。また、運転時分についてもそれを考慮して組んであるようです。

④については、元々ボックスシートがあったそうですが、輸送力を確保するため撤去したようです。

また、その方は、平成筑豊鉄道の運転士1次試験を通過した方だったそうですが、49歳で運転士になった方(タブレット交換実演の写真の列車に乗務されていた運転士)も知り合いだったようで、その運転士さんは、「福岡県の方が1次試験を突破したなら俺もできるし、2次試験もできる」と言って試験突破してしまったそうです。

5.最後に

今回、このイベントに参加して感じた点が以下の3つです。
1.地域と繋がることで自分事になる。
2.机上の空論は痛い目を見る。
3.根拠のない自信を持って、今自分の夢のために、今自分のできる限りのことをすれば夢は叶う。

1.については、地域に足を付けることで自分が問題意識を持つことができるし、その問題意識を共有することのハードルが全然違うように感じました。

2.については、数字や紙の上でのデータだけでなく、現場に足を運んでものを見なければ何も分からないということを凄く実感し、勉強することができました。

3.については、河合社長や運転士さんのような話を聞いていると、「自分の中の絶対」を持つことは重要だなって思いました。
いくら現実に折れそうになっても、出来ることをやっていれば道が開くように感じました。

ただの鉄道好き向けのイベントでしたが、僕にとってはとても学びの多いイベントになりました。
次回、次々回あたりは、年末年始ということで、今年の総括と来年の目標になると思いますが、2月あたりの投稿でまたまた宇都宮ライトレールの話ができたらと思っています。

それでは、次の投稿をお楽しみに👍

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