リスタート

コロナ騒ぎが始まって、2ヶ月近くが経とうとしている。
私は、割と自粛が早かった。
 
仕事は2月末の分からすべて中止にした。
2月末なんて、お風呂も寝室も一緒の合宿。
どう考えても家族以上の濃厚接触。
 
母が喘息もち、アレルギーもち、基礎疾患だらけなので、
とにかくうつさない、うつらない、は、早くに始めた。
 
 
ひと月に3往復は新幹線や飛行機に乗っていたのに、
それらすべてがなくなり、ぽっかりと空いた時間たち。
 
 
新しくオンラインや、今後の流れを作ったりすることに当てるための時間。
 
いやいやそれよりも、本来、なんのためにこの仕事をしていたのか?
世界を元気にするためだろう?
だったら今動かなくていつ動くんだよ。の時間なはず。
 
 
そんなことが頭をよぎりながらも、
半分は、今後のビジネスと情勢の見通しを立てようとコロナ情報の追っかけに走り、半分は、家族に時間を注いだ。
 
そしてその合間に、自分と仕事を見つめ直す時間を取った。
 
 
こどもたちは、私がいると、ものすごく楽しそうに日々を過ごしている。
自宅待機、うちの子たちにとっては、パラダイスだ。
 
 
そりゃそうだと思う。
 
自分で言うのもなんだけれど、
私はこどもに対して笑いと遊びを創る天才で。
 
一緒にこれやろうぜぃ!と、
次から次に思いついては、
一緒にやって、飽きて、また新しく作る、と繰り返した。
(継続が苦手な分、新しく始めることは得意)
 
 
こどもは新中学一年生と、新四年生。
 
家庭菜園を始めた。
家事も仕込んだ。
台所のあと片付け、洗濯物を畳んで片づけること。
 
何よりも、料理を。
自分たちでご飯の準備ができるほどに、料理の腕は上達。
野菜炒めと味噌汁がメインだけれど、生きていくには十分だ。
 
 
もともと料理も食べることも好きな私は、
備蓄だと言って買った生鮮食材を使っては、自炊を愉しみ、美味しいご飯を食べる日々。
 
 
朝、学校の支度に追われることもない。
こどもたちが家事を分担してくれるので心の余裕が溢れている。
 
オットもテレワークとなり、我が家は、家族全員揃い、笑いの絶えない、絵に描いたような幸せな家庭生活を送っていた。
 
 
このまま、家庭で生きていくのも楽しいのかもしれない。
わたしは、こどもたちとずっと楽しくいられれば、それでもう幸せなのかもしれない。そんな想いが頭をよぎる。
 
 
同時に、
ニュースを見る度、
スーパーで、段ボール箱が重なっていくのを見る度、
 
この状況下で働いてくださっている方々のおかげさまを感じるようになった。
 
 
おそらく、家にこもっていることで、
イライラやもやもやを感じている人も多いだろう。
 
こどもが小さかったら、そりゃー余裕はなくなる。
 
 
今のこの生活をして過ごしているだけでは、
自分だけがノアの箱舟に乗っているような、そんな感覚を感じていた。
 
自分だけじゃ、
食料を得ることも、
病気を治すことも、
物を配送してもらうこともできないのに。
 
 
そろそろ、この温かで幸せでぬるま湯な環境から、抜け出さなくてはならない。
 
 
そう思っていた矢先。
口火を切ったのは、オットだった。
 
 
ねぇ。
あなたが家にいることで、こどもたちはすごく毎日楽しそうだよね。
俺だってありがたいし、楽ちんだ。
 
俺の調子がよくないからと、いてくれるのもありがたいよ。
でもね、それを動かない言い訳にしてない?
 
いつまでもそれじゃだめだよね?
あなたにはやることがあるでしょう?
  
それ、いつやるの?
今じゃないの?
 
 
あなたが自分のやることをやらない道を選ぶなら、それでもいいけど。
そうじゃないんでしょ?
 
 
うん。そうだね。
ほんと、そうなんだ。
 
 
オットは、目を怪我して、片耳も聴こえなくなって、身体の負担は増えていて。
でもまぁ元気には生きている。
 
オットの調子が悪そうだと、
家にいなきゃな、って気がしてたんだ。
 
 
考えてみると、これまで、こんなに長い間ゆっくりと家族と自宅にいるのは久しぶりだ。
 
学校の長期休暇時は、私が家にいないことも多かったし、、、
育児休暇くらいか。
 
あの頃より、こどもたちは随分と成長し、
ともに生きられるほどになった。 
 
 
幸せだったな。
楽しかったな。
でも、長くは続かない、夏休みのようなもの。
 
 
長く続けちゃうと、
私は、楽だけど、愉しくなくなっちゃうんだ。
 
楽、と、楽しい、と、愉しい、は違う。
私は生きている感覚を感じながら生きたい。
 
 
 
十分チャージした。
そろそろ私は、次のステップに進もうと思う。
 
おかげさまで毎日物を食べられ、
おかげさまでネットで注文したら届けてもらっている。
 
おかげさまで、
ワクチンを待ち続けることもできるし、
 
 
医療従事者を始め、
さまざまな方々のおかげでこの生活がある、ということが、本当に目に見えて感じられた。
 
この文章が、どれほどに今の世の中にそぐわないか、知っているけれど。
 

リスタートとして、残しておく。
 
 
やるべきことがある。
やりたいことがある。
 
よし。やろう。
 

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