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今の学びが楽しいのは、三年後の自分から手紙が一方的に送られてきたおかげです。

  • 第五話

  • 一通目

 拝啓 トイレすら行くのが面倒なネガ子ちゃん

 ネガ子の悪い癖、出ちゃったね。何でもかんでも自分で解決しなくちゃって思い込んで行動するところ。
 ネガ子にもポジ子にも兄弟がいないし、まず一人親家庭で育った子どもって人一倍自立心が強いもんね。しかも母親譲りの負けず嫌い。仕方がないといえばそれまでだけど、だからといって自分がダウンする必要ある?
 でもさ、ネガ子は頑張ってケアマネージャーを呼べたじゃん? 後日母がショートステイのサービスについて何か言うと思うけど、とりあえず他力を借りられたんだから聞き流しな。
 それで、ネガ子はまず病院に行くこと。整形外科は後、やっと見つけた心療内科が先だよ。
 仮に今体が動いたところで、現在の症状すべてを医師に伝えるなんてできないと思うけど。備えとして今、紙に書き留めておきな。それで医師に渡すの。

 うまく通院に繋げられたら、飽きるまでポケモンしなよ。せっかく中古で買ったんだから。それに、ネガ子は今まで頑張ってきたんだから、なおさら好きなことをする権利があるし。スッキリしてから自分を見つめなおしたらいいじゃん。時間はたくさんあるんだから。

 その後でいいじゃん。自分のことを考えるのはさ。ネガ子にはその時間が無さ過ぎたんだよ。
 そろそろ思考が疲れると思うから、今度は手紙、短めにするね。

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