見出し画像

【振り返り】調整局面前〜調整局面時の投資家心理から学べること

米国株はここ2日間安値から反発して上昇しています。

これまでは4月頭から相場が弱含み始め、先週は毎日毎日相場が下がるという状態でした。この3週間の僕の頭の中を心理面と思考面の両面に注目して振り返ってみようと思います。あと、ネットで他の投資家の雰囲気がどうだったかも書いていきます。

【4月頭】
〈相場〉もたつき始める

〈思考面〉利下げ織り込みの後退による株価のギクシャクが始まったか?確定申告に向けての利益確定売りもありそう。下げに備えてキャッシュポジションを作っておくべきだ。

〈心理面〉もっと上がってくれないかな?待たされるの面倒くさいな。上昇トレンドが一旦終わった株は処分しておくけど、大部分の株はホールドでいいかな。

〈ネット〉AIブームで電力需要が増えるから原子力発電銘柄とかいいのでは?!

【4月第二週】
〈相場〉下げ始める

〈思考面〉利下げ織り込みの剥落が進んでいる。しかし、まだ剥落しきってはいない。確定申告の期限までもう少しだけある。まだギクシャクは続くはず。

〈心理面〉上昇トレンドが崩れた株が増え始めた。更に処分。しかし半導体銘柄はAIブームが終わっていないのだから、ほとんど下げないのでは?申告まで間近なんだから大型ハイテク株はもう買っていいのでは?どうせ大きなところは殆ど下がらないだろう。

〈ネット〉NVDAの高値は3/8につけた株価だったのでは?ライバルの台頭で投資家の評価が下がっているのでは?

【4月第三週】
〈相場〉崩れる

〈思考面〉利下げ織り込みは十分剥落した。申告期限も過ぎた。しかし、イラン-イスラエル問題が投資家心理を悪化させている。ただ、これも米景気やAIブームには無関係な問題であり、来週から決算シーズンが本格化することを考えるとそろそろ買いでいいはずだ。投資家のセンチメントも恐怖に触れている。これも買い材料だ。

〈心理面〉あっちゃー、数日買いが早かった。。。せっかく現金を用意していたのに。買いのタイミングをミスった。しかし、半導体銘柄がここまで下げるなんてやり過ぎでは?センチメント指数的には陰の極に近いはずなのに。もうどうにでもしてくれ!

〈ネット〉AIブームは終了。バブル相場もほんの一瞬で、業界関係者が盛り上がっていただけ。損益トントンで売り逃げられるように少しだけ株価戻して欲しい…。NVDAやARMはバブル崩壊、TSMの決算も悪かった(実際は良い数字だったが決算後に株価は下がったのでネット上の投資家は悪い決算だったと評価)から、もう半導体も終わったな。ジムクレーマーも相場の底はまだ先と言っている。イラン-イスラエル問題がエスカレートしてホルムズ海峡が封鎖→原油高騰→インフレ再燃となったら目も当てられないぞ。

AIバブル終わったとのコメントが出た次の日から急反発
こちらも反発

【反省点】
下げに備えて現金をある程度作っておこうとしたことは良かった。しかし、当初は下げを甘く見ていたことが分かる。AI関連株はあんまり下がらないだろうと評価していたため、作った現金ポジションは少なかった(当初3割)。調整といえども個別銘柄では暴落レベルまで下がることもある。よってもう少し厚めの現金ポジションを作っておくべきだった。下げの前では下げを甘く見積もってしまいがちになる。災害時に大したことにならないだろうと考えることと似ている。

また、下げが始まった時はこの下げはもう少しで終わるだろうと考えがちであること、下げの終わりの目処がたったときに、もう少しで下げは終わるのだから、早めに買ってしまっても良いのでは?と勇み足になってしまいがちであることも分かった。良い教訓として次に活かしたい。投げ売りによって、下げの最後の最後が一番下げ幅が大きいこと、その時にがっつり買いに行ける現金ポジションを保持しておくことが大事であることがわかった。途中で買いの誘惑に駆られないことが大切である。

あと下落局面でネットなんかを見ていると、株価の値動きの印象に強く影響を受けたコメントが散見されました。AIブームは終わった、第三次世界大戦、みたいなコメントは冷静に事態を観察すれば絶対に出てこないコメントだと思います。つまり、思考回路がこうなっているのです。

〈ダメな思考回路〉
株価が急落する
→含み損になる
→更に下がる
→損が拡大する
→怖くなる
→心が折れる
→諦めの念が生まれる
→諦めを正当化する理由を作り出す、もしくはそれと同じような意見を支持する(AIブーム終了、第三次世界大戦、景気後退、まだ相場は底ではない)
→売却する

特にネット上ではPV稼ぎのために株価が下落すると暴落論が湧いて出てきます。それを見て、やっぱり自分の諦めの念は正しいのかも、と考えるわけです。

この思考回路では、株価が下がっている原因分析、下げ材料への考察、相場の大局観が変化したかどうかの点検、次の展開がどうなる可能性が高いかの考察、テクニカル的な分析、センチメント指標の確認などが判断材料に全く入っていません。ただただ、株価の値動きと自分の損益具合の二つに対する印象だけが判断材料になっています。この思考回路では株価が下がったら売って、株価が上がったら買うハメになります。全く上手くいきません。

僕自身も株価が反転する数日前に買いポジションを立てたので、数日間は下げるまま眺めることしかできませんでした。その間は、このまま下げ続けるのでは?AIブーム大丈夫か?というダメな思考回路に飲み込まれそうになりました。いくら株価が反転するオッズが高いと頭で計算できても、結局は自身の憶測でしかありません。それゆえに不安になってしまうのです。

ですから、下げ始める前の段階である程度の現金ポジションを作っておくこと、下げている途中で買いの誘惑に負けず、悲観の極に達するまで現金ポジションを確保していくことで、押し目買いができるということが心理面での安心材料となり、冷静な判断に基づいて投資行動が取れるのではと考えます。次の調整局面(恐らく9月〜)では、この記事を振り返ってメリハリ効いた投資行動を取りたいと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?