【相場観】現在の相場見通し(24/9/14)
【大局判断】
●株・景気・金利・為替サイクル
株価サイクル 上昇相場(1年11ヶ月経過:安値22/10)
景気サイクル 好景気(4年5ヶ月経過:不況終了20/4)
金利サイクル 横ばい(1年2ヶ月経過/FF5.25%~5.50%)
為替サイクル 円高ドル安
●景気サイクル 拡大期
米国GDP +3.0%
新規失業保険申請件数 230k
米国雇用統計 非農業部門雇用者数142k失業率4.2% 前月比平均時給+14¢(+0.4%)
米国ISM製造業指数 47.2
米国ISM非製造業指数 51.5
米国小売売上高 +1.0%
米国個人消費支出(PCE/CorePCE)2.5%/2.6%
米国消費者物価指数(CPI/Core CPI) 2.5%/3.2%
米国消費者信頼感指数 100.3
ミシガン大学消費者信頼感指数 69.0
米国住宅着工件数/建設許可件数 1238k/1396k
総評:CPIは遂に2%台まで低下。失業率4.2%と改善。小売は強い数字。全体的に底堅い景気を示唆している。
●企業業績(データ元はFactset)
2024年第2四半期のS&P 500のEPS成長率は11.3%。これは2021年第4四半期(31.4%)以来の指数で最大の収益成長率。
アナリストによる、S&P 500 の2024 年第 3 四半期から 2025 年第 3 四半期までの収益成長率の現在の推定値は、4.9%、5.4%、5.8%、5.8%、6.2% 。
●株価サイクル 業績相場
S&P500 上昇局面
NASDAQ 上昇局面
S&P500はPER20.9倍(5年平均19.4、10年18.0)
平均より若干高い水準だが政策金利がこれから低下してくること、高いEPS成長が見込まれることから極端な割高とは言えない。
<メインシナリオ>
ソフトランディング
⚫︎金利サイクル的に次に来るのは景気の腰折れ。クレジットカードの焦付きの上昇トレンドが止まらないこと、低所得者層をメインターゲットとする小売店の株価(ダラーゼネラル、ダラーツリー)が暴落していることは憂慮すべき事態だが、それ以外の経済指標や企業決算はしっかりしている。
⚫︎AIブームを牽引しているのはGAFAMの設備投資である。GAFAMがAIによって業績を伸ばし、株価が堅調であるならば投資家は高水準の設備投資を許容し続けるはず。GAFAMのAIビジネス(AI課金・クラウド部門)が堅調であるか、株価が堅調であるかがブーム継続の大きなカギである。直近GAFAMの株価が下落していること、巨額の設備投資への懸念が広がっていることは注意を要する。
⚫︎インフレは2.5%まで低下した。粘着質だったサービスインフレも低下した。7月FOMCでは賃金インフレはもはやインフレの主要因ではないことが確認された。
⚫︎FACTSETによるとSP500のEPSはこれから高い成長を見込む。24年は+10.2%、25年は+15.4%成長を見込む。SP500企業の売上の41%が海外からの売上であり、利下げに伴うドル安によって恩恵を受けると考えられる。ゆえにEPS予想は今後上方修正が入りやすいと考える。
⚫︎上昇相場は3-15年続く(平均8.9年、平均+468%上昇)が今は1年11ヶ月。未だ若い。
⚫︎不況は大抵10年に1回やってくるが、今は4年5ヶ月。好景気はまだ続いてもおかしくない。
⚫︎2020年3月、2022年10月と立て続けに株は暴落していること、経験則的には-20%を超える大幅調整は10年に1回程度しかこないことを考慮すれば、今すぐ暴落がやってくるオッズは比較的低い。
<点検ポイント>
FRBの動向、長期金利、AIによる生産性向上(AI導入による余剰人員のリストラ・AIによる企業業績UP等)、GAFAMの株価・設備投資、消費関連株の業績、個人消費、CPI推移、雇用統計、米大統領選候補者の支持率、原油価格
<結論>
強気
【一年の見通し】
大統領選サイクル 4年目(2番目/4に強い年)
1月相場成績 プラス
金利動向 9月FOMC(9/19)から利下げ開始
業績動向 拡大へ
注目イベント 11月大統領選挙 FOMC
<見通し>
景気は底堅く、金利は利下げフェーズ、業績は強い。ゆえに一年を通じて相場は高いと予想。1-3月は相場は高かった。これは現職の大統領が勝つ典型的な値動き。この場合、4-5月がスピード調整になる場合が多い。7月に一定の深い下押しがあった。8月からは目立った下押しもなく年末に向けてジリ高と予想。
【9月の見通し】
アノマリー やや強い
注目イベント 小売(9/17)、FOMC(9/19)
投資スタンス 強気
【来週(9/16-9/22)の見通し】
注目イベント 小売(9/17)、FOMC(9/19)
意見 強気
【現在の投資態度】強気
ジャクソンホール会議にて明確に利下げ開始が宣言された。9月FOMC(9/19)から利下げが開始される。大方の予想では利下げ幅は0.25%であり、悪い経済指標が出てこない限りは一回目の利下げ幅は0.25%になると思う。経済のハードランディング感は出てこず、むしろソフトランディング感が出てくるでしょう。株価はこれを好感し、ジリジリと上昇していくと考える。
雇用統計では失業率は4.2%と改善。賃金も高い伸びを見せている。他の経済指標も堅調さを保っている。ゆえに今回の利下げは景気の減速に対応するものではなく、低下したインフレ率に合わせて金利も過度に景気引き締め的にならないように調整するもの。今はそういう意図を投資家に説明しやすい環境だと言える。景気はしっかりしていて、金利は低下するならば株にとっては良い環境。金利低下によるPER拡大が起きやすい。更にドル安によって名目上の海外売上が増えることでSP500のEPS成長は加速するはず。金利が↓、業績が↑ならば株は↑だと考える。
また景気が堅調であるならば、現在CME FEDWATCHで確認できるように、投資家が想定している大幅連続利下げは必要ない。より小幅な利下げに止まると考える。しかし、景気への不安感は完全に払拭されることはなく、思い切りドルを買い上がる動きは現れないと考える。米国の経済がしっかりならば日銀も段階的に利上げを繰り返す可能性があり、それは円高圧力となるはず。為替は現在の水準でフラフラする動きが続くと考える。
来週はFOMCがあり、これが今年の相場の山場になるでしょう。FRB議長から、今回の利下げは景気スローダウンに備えるものではなく、低下したインフレ率に対して過度な引き締め水準になっている政策金利を調整するものである、ということがコミュニケートされるかどうか、慌てふためいたオーラを出さずに整然とした小刻みな利下げが行われていくかどうか、注目したい。金利政策や経済に異変がない限りフルインベストを維持する方針。
<注目セクター>
なし
<現在のPF>株100%/現金0%
[コア]87.0%
VTI 87.0%
[サテライト]13.0%
LLY 6.0%
GOLD 3.0%
VIST 2.0%
MMYT 1.0%
LULU 1.0%
〈ウォッチリスト〉
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