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【米国株】9月FOMC、結果は0.50%利下げ

米連邦準備理事会(FRB)は17-18日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50%引き下げました。

ドットチャートは年内0.50%の追加利下げを示唆
FRBは経済のソフトランディング想定

パウエル議長が語ったように現在の米国経済は好調です。にも関わらず通常の2倍の幅の利下げを行いました。議長はこの大幅利下げには、低下したインフレ率に対して過剰に引き締め的になった政策金利を、景気中立レベルまで引き下げることで景気と雇用市場を支援したいという意図があると語りました。

通常の金融政策では、過度なインフレを抑制するために、インフレ率よりも少し上の水準に政策金利を設定します。しかし、現在はインフレ率2.5%に対して政策金利は5.25%~5.50%です。これはあまりに引き締め過ぎなのです。インフレ率がターゲットの2%に限りなく近づいた今、政策金利を通常のレベルまで引き下げることは適切な金利政策と言えるでしょう。

つまり、この大幅利下げはFRBが景気減速の後手に回り、慌てふためいて行ったものではないということです。記者会見も淡々としたムードで行われました。GDP成長率も堅調であり、失業率は上昇傾向にあるものの歴史的低水準です。経済が好調である内に機先を制する形で利下げを行う。これが過去の不況直前の大幅利下げとは異なる点です。

また議長は中立金利はパンデミック以前よりも大幅に上昇していると述べました。これは市場が想定していたほど金利は下がらないことを意味しています。0.50%という大幅利下げがなされたのに為替が円安に振れたのはこのためでしょう。また中立金利が上昇しているということは米国の潜在成長率がアップしていることを意味すると思います。生成AIが労働生産性向上というカタチで寄与しているのかもしれません。

インフレ率が低下してきたため、FRBは利下げを開始することができました。今後はインフレ率や失業率などのデータを見ながら利下げペースを調整していくとしています。金融政策で景気を支援することでソフトランディングを達成したいとしています。今のところ、順調に物事は進んでいます。ゆえに株式市場に対する強気の見方を維持したいと思います。

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