【米国株】葛藤の無いトレードはなぜ常に失敗するのか?投資の失敗率を下げるコツ
葛藤の無いトレードはなぜ常に失敗するのか。そのメカニズムについて書いていきます。
僕を含めた経験の浅い投資家にとって銘柄に対する印象は目の前の株価の値動きに強く影響を受けます。株価が右肩上がりならば、そのまま株価が上がっていくだろう。株価が横ばいなら、そのままぐずぐずと横ばいが続くだろう。株価が右肩下がりなら、そのまま下がっていくだろう。そういう予想に強く引っ張られます。
しかし、株価が天井を打つ時、常にそれまで株価は右肩上がりなのです。株価が上昇を始める時、それまで株価は横ばいなのです。株価が下落から底を打つ時、株価はそれまで右肩下がりなのです。
次、株価はどう動く?という自身の予想は、これまでの株価の値動きに強く影響を受け、その延長線上を予想してしまいがちなのです。そして、その予想は株価が激しく動いた時、より強化されます。なぜなら、自身の儲けや損失が関わってくるからです。
株価が急角度で上昇しているのを目にする時、このまま儲け損なったらどうしようという機会損失への恐れが急に生じます。乗り遅れたくないという衝動が投資家を支配します。その時、株価がこのまま急上昇していくという予想にベットすることに何の抵抗感も感じません。
株価がぐずぐず横ばいを続けるのを目にする時、他の銘柄に乗り換えた方が良いのではないか?このまま横ばいの銘柄で時間を失うのは勿体無いのではないか?という懸念が生まれます。その時、株価がこのまま横ばいを続けるという予想にベットすることに何の抵抗感も感じません。
株価が下落し続けるのを目にする時、このままもっと株価は下がるのではないか?今買ったら大きな損失を喰らうのではないか?今売って、もっと下がった時に買い直せばいいのでは?別の銘柄に逃げた方がいいのではないか?この銘柄はもうダメなんじゃないか?という懸念が生まれます。その時、株価がこのまま下落していくという予想にベットすることに何の抵抗感も感じません。
株価の先行きへの印象は、それまでの株価の値動きに強く引っ張られるので、株価が急上昇した後に強気になります。株価の横ばいが長く続いた後に、この株は動かないという思いが強まります。株価の下落が極まった時に弱気になります。
しかし、株価というものは、いつかは天井を打ちます。横ばい期間が長いほどパワーを溜め込んで、次の値動きは激しくなります。下落が極まった時に底を打ちます。
つまり、投資家が株価に持つ印象と実際の株価の値動きは真逆になりがちなのです。人間の素直な、次の値動きへの印象の形成のメカニズム、それと実際の株価の値動きは絶妙に相性が悪いのです。
この株はもっともっと上がっていくのではないか、という思いが強まるほど、株価の天井は近づいているのです。その強気意見はそれまで株価が上昇してきたことに裏打ちされているから。つまり、既に株価は上がり切っている。
この株はもう動かないのではないか、という思いが強まるほど、株価の急激な値動きは間近なのです。その弱気意見はそれまで長く株価が動かなかったことに裏打ちされているから。しかし、横ばい期間が長いほど株価は次の値動きへのパワーを溜め込んでいる。
もうこの株はダメだ、もっと下がるという思いが強まるほど相場の反転ポイント間近なのです。その悲観的な見方はそれまで株価が下がってきたことに裏打ちされているから。つまり、既に株価はかなり下がっている。
葛藤の無いトレードはなぜ常に失敗するのか。葛藤が無いということは、自分の抱いている株価への印象に沿うようなトレードをする時に、何の抵抗感も感じなかったということです。それは今まで説明してきたメカニズム的に、大抵、株価の天井で強気転換すること。株価が横ばい期間を脱して急上昇する前にその株を見限ること。株価が下落局面の底を打つ直前で弱気転換することだからです。
ですから、トレードの失敗率を下げたいならば、自分が何かしらのアクションを起こすときに、一瞬、どうして自分はこのアクションを取りたいと感じているのか、と振り返ってみると良いと思います。そのアクションに全く抵抗感が感じられないならば、踏みとどまることを考えるべきです。特に、そのアクションに駆り立てられる理由が目の前の値動きに強く引っ張られているならば注意が必要です。
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