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【相場観】現在の相場見通し(24/9/1)

【大局判断】
●株・景気・金利・為替サイクル
株価サイクル 上昇相場(1年11ヶ月経過:安値22/10)
景気サイクル 好景気(4年5ヶ月経過:不況終了20/4)
金利サイクル 横ばい(1年2ヶ月経過/FF5.25%~5.50%)
為替サイクル 不明(ソフトランディングなら円安ドル高、ハードランディングなら円高ドル安)

●景気サイクル 拡大期
米国GDP +3.0%
新規失業保険申請件数 231k
米国雇用統計 非農業部門雇用者数114k失業率4.3% 前月比平均時給+8¢(+0.2%)
米国ISM製造業指数 46.8
米国ISM非製造業指数 51.4
米国小売売上高 +1.0%
米国個人消費支出(PCE/CorePCE)2.5%/2.6%
米国消費者物価指数(CPI/Core CPI) 2.9%/3.2%
米国消費者信頼感指数 100.3
ミシガン大学消費者信頼感指数 67.9
米国住宅着工件数/建設許可件数 1238k/1396k

総評:CPIは遂に2%台まで低下。失業率4.3%は依然として歴史的低水準も上昇トレンド継続。しかし、8月分の雇用統計(9/6発表)のアナリスト予想では失業率4.2%と改善する見通し。小売は強い数字。全体的に底堅い景気を示唆している。

●企業業績(データ元はFactset)
2024年第2四半期のS&P 500の混合EPS成長率(報告済みの企業の実際の結果と、まだ報告していない企業の推定結果を組み合わせたもの)は10.8%。これは2021年第4四半期(31.4%)以来の指数で最大の収益成長率。

アナリストによる、S&P 500 の2024 年第 3 四半期から 2025 年第 3 四半期までの収益成長率の現在の推定値は、4.9%、5.4%、5.8%、5.8%、6.2% 。

●株価サイクル 業績相場
S&P500 上昇局面
NASDAQ 上昇局面
S&P500はPER21.0倍(5年平均19.4、10年17.9)
平均より高い水準だが政策金利がこれから低下してくること、高いEPS成長が見込まれることから極端な割高とはまだ言えない。

<メインシナリオ>
ソフトランディング?景気後退?

⚫︎金利サイクル的に次に来るのは景気の腰折れ。クレジットカードの焦付きの上昇トレンドが止まらないこと、FRB議長からのメッセージに利下げが混ざり始めていることから、目先の景況感は不透明感が漂い始める。

⚫︎AIブームを牽引しているのはGAFAMの設備投資である。GAFAMがAIによって業績を伸ばし、株価が堅調であるならば投資家は高水準の設備投資を許容し続けるはず。GAFAMのAIビジネス(AI課金・クラウド部門)が堅調であるか、株価が堅調であるかがブーム継続の大きなカギである。直近GAFAMの株価が下落していること、巨額の設備投資への懸念が広がっていることは注意を要する。一方でTSMCの7月業績は前年同月比44.7%増の2569億台湾ドル(約1兆1600億円)と極めて好調だった。24年6月に比べても23.6%の増収だった。

⚫︎インフレは2.9%まで低下した。粘着質だったサービスインフレも低下した。7月FOMCでは賃金インフレはもはやインフレの主要因ではないことが確認された。

⚫︎FACTSETによるとSP500のEPSはこれから高い成長を見込む。24年は+10.2%(8月時点のアナリスト予想)、25年は+14.4%(6月時点)成長を見込む。24年EPS成長は1%ほど下方修正された。

⚫︎上昇相場は3-15年続く(平均8.9年、平均+468%上昇)が今は1年11ヶ月。未だ若い。

⚫︎不況は大抵10年に1回やってくるが、今は4年5ヶ月。好景気はまだ続いてもおかしくない。

⚫︎2020年3月、2022年10月と立て続けに株は暴落していること、経験則的には-20%を超える大幅調整は10年に1回程度しかこないことを考慮すれば、今すぐ暴落がやってくるオッズは比較的低い。

<点検ポイント>
FRBの動向、長期金利、AIによる生産性向上(AI導入による余剰人員のリストラ・AIによる企業業績UP等)、GAFAMの株価・設備投資、消費関連株の業績、個人消費、CPI推移、雇用統計、米大統領選候補者の支持率、原油価格

<結論>
中立

【一年の見通し】
大統領選サイクル 4年目(2番目/4に強い年)
1月相場成績 プラス
金利動向 9月FOMC(9/18)から利下げ開始
業績動向 拡大へ
注目イベント 11月大統領選挙

<見通し>
景気は底堅く、金利は利下げフェーズ、業績は強い。ゆえに一年を通じて相場は高いと予想。1-3月は相場は高かった。これは現職の大統領が勝つ典型的な値動き。この場合、4-5月がスピード調整になる場合が多い。7月に一定の深い下押しがあった。8月からは目立った下押しもなく年末に向けてジリ高と予想。

【9月の見通し】
アノマリー やや強い
注目イベント 雇用統計(9/6)、CPI(9/11)、FOMC(9/18)
投資スタンス 中立

【来週(9/2-9/6)の見通し】
注目イベント 雇用統計(9/6)
意見 中立

【現在の投資態度】中立
ジャクソンホール会議にて明確に利下げ開始が宣言されました。9月FOMC(9/18)から利下げが開始されます。大方の予想では利下げ幅は0.25%であり、悪い経済指標が出てこない限りは一回目の利下げ幅は0.25%になると思います。経済のハードランディング感は出てこず、むしろソフトランディング感が出てくると思います。株価はこれを好感し、ジリジリと上昇していくと考えます。

ドル円は140円台半ばで揉んでいます。

週末に少し円安に触れましたが、これはGDPが+3.0%に修正されたことを受けての動きでした。

https://www.cmegroup.com/ja/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html

投資家の利下げ期待は年内4回分(0.25%×4=1.0%)を依然として織り込んでいますが、11月FOMCでの利下げ期待が0.50%から0.25%に若干振れてきました。少し前は0.50%利下げ期待が90%近くありました。現在、投資家が織り込んでいる利下げペースはFOMCのたびに連続で利下げしていくものです。これは手のつけられない不況が起きた時の利下げペースです。今の経済指標や消費関連株の決算を見るに、アメリカの景気は底堅さを保っているように見えます。すぐにガラガラと崩れ落ちる兆候は見られません。であるならば、現在の投資家の利下げ期待はまだまだ過剰である可能性があります。先週見られたように、強い経済指標が発表されて、投資家の利下げ期待が後退すると、円安に振れるという動きがもう少し進むかもしれません。米国経済の底堅さが示されたことで円高による為替差損を受けるリスクは若干後退したと考えます。状況を見つつ、株式の割合を増やしていくことを検討します。

<注目セクター>
なし

<現在のPF>株9.2%/現金90.8%(日本円)
[コア]

[サテライト]9.2%
LLY 5.0%
GOLD 4.2%

〈ウォッチリスト〉
PYPL
VIST
WMT
KO
CLX
LULU
ONON

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