【米大統領選】共和党トランプ氏が当選確実
米国大統領選挙は共和党のトランプ氏が勝利しました。
事前の世論調査での支持率は拮抗していましたが、激戦州全てでトランプ氏が優勢に立つなど、圧勝でした。上院では共和党が過半数を確保し、下院でも共和党に勢いがあります。大統領・上院・下院、全てで共和党が支配権を得る「トリプル・レッド」が実現する見通しです。
年始からの株式市場の値動きは現職(今回は民主党)が勝つ典型的なものでしたが、今回は外れました。
米国経済統計の数字は好景気を示しており、景気が良い場合は与党有利というセオリーがありましたが、今回は外れました。恐らく、富裕層は株高によって消費が堅調で統計値を押し上げた一方で、物価高に不満を持つ中間層や低所得者層がトランプ氏支持に回ったのだと思います。
債券市場はトランプ氏の財政出動的な政策に警戒を示しています。債券が売られ金利が上昇しています。
金利が上昇することで日米金利差が拡大し、為替は円安が進んでいます。
大統領選の決着がつき不確実性がなくなったこと、米政治において「トリプル・レッド」が実現したことを好感して株式市場は上昇しています。しかし、投開票日の数日前から金利高・株高が進む「トランプ・トレード」の様相を呈しており、今回の結果のサプライズ感はあまりありません。
トランプ氏を支援してきたイーロン・マスク氏率いるテスラの株価は時間外で+15%と暴騰しています。しかし、トランプ氏が大統領となったからといってテスラの業績に直接関係はありません。中国EVメーカーとの競争、EV市場の広がり、新製品の開発状況などがテスラの業績を左右する要素です。これらに影響を与えない要素での株価暴騰は長続きしないと思います。
S&P500現在のPERは21.3倍であり、5年平均(19.6)、10年平均(18.1)を超えて割高の水準です。そこから時間外で3%近く上昇しており割高度は増しています。一方で長期金利が上昇しています。金利上昇はPERへの下押し圧力です。これらは両立しないと思います。
結論として「トランプ・トレード」は長続きしないと思います。キャッシュポジション高める必要性は感じませんが、ここから米国指数の新規の買い乗せは控えます。一旦、株価が冷めるのを待ちたいと思います。