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【相場観】現在の相場見通し(24/5/25)

【大局判断】
●株・景気・金利・為替サイクル
株価サイクル 上昇相場(1年7ヶ月経過:安値22/10)
景気サイクル 好景気(4年1ヶ月経過:不況終了20/4)
金利サイクル 横ばい(10ヶ月経過/FF5.25%~5.50%)
為替サイクル 円安ドル高(160円突破後為替介入、円安進行鈍化)

●景気サイクル 拡大期
米国GDP +3.4%
新規失業保険申請件数 215k
米国雇用統計 非農業部門雇用者数175k失業率3.9% 前月比平均時給+7¢(+0.2%)
米国ISM製造業指数 49.2
米国ISM非製造業指数 49.4
米国小売売上高 +0.0%
米国消費者物価指数(CPI/Core CPI) 3.4%/3.6%
米国生産者物価指数(PPI/Core PPI) 2.2%/2.4%
米国消費者信頼感指数 104.7
ミシガン大学消費者信頼感指数 69.1
米国住宅着工件数/建設許可件数 1360k/1440k

総評:景気の強さを示すトレンドに変化なし

●株価サイクル 業績相場
S&P500 上昇局面
NASDAQ 上昇局面
S&P500はPER20.5倍(5年平均19.2、10年17.8)
やや高い水準だが政策金利が横ばいであること、これから高いEPS成長が見込まれることから極端な割高とは言えない。仮にAIバブルとなるならば、ITバブル期と同様に激しいPER拡大が起こるかも知れず、PER水準を理由に弱気になってはいけないと考える。景気・企業業績・生産性が拡大しているかどうかがより重要だと考える。

●決算
S&P500企業の96%が現在までに2024年第 1 四半期の実績を報告。これらの企業のうち78%が予想を上回る実際のEPSを報告。これは5年間の平均の77%を超えて、10 年間の平均の74%も上回る。合計すると、企業は予想を7.5%上回る利益を報告しており、これは5年平均の8.5%を下回るが、10年平均の6.7%を上回る。

収益に関しては、S&P500企業の61%が予想を上回る実際の収益を報告。これは5年平均の69%を下回り、10 年平均の64%も下回る。合計すると、企業は予想を0.8%上回る収益を報告しているが、これは5年平均の2.0%を下回り、10年平均の1.4%も下回っている。おそらくドル高の影響であり、企業業績の勢いとは無関係の話。

総じて決算は好調である。

<メインシナリオ>
ソフトランディング→経済再拡大

⚫︎金利サイクル的に次に来るのは景気の腰折れ。しかし、経済指標は強いまま。消費も強い。AIによる生産性向上が通常の景気サイクルの力学を超えて米経済を再拡大へと向かわせている可能性がある。

⚫︎AIによる仕事の代替によって高所得のホワイトカラーを中心にレイオフが相次いでいる。特に高給取りのITエンジニアの求人が急減している。これらがインフレ鎮静化に寄与している可能性アリ。各社の決算コールでも言及されているが、AIの活用が企業間で広がりを見せ始めており、生産性の大幅な向上が起き始めている。状況はソフトランディングが実現した1995年に酷似。本来は実現可能性が極めて低い経済軟着陸がほぼ実現しようとしている。3月FOMCでは24年のGDP成長は+1.4%→+2.0%へ上方修正された。25年、26年も+2.0%に上方修正された。FRBはソフトランディングを予想している。

⚫︎AIブームを牽引しているのはGAFAMの設備投資である。GAFAMがAIによって業績を伸ばし、株価が堅調であるならば投資家は高水準の設備投資を許容し続けるはず。GAFAMのAIビジネスが堅調であるか、株価が堅調であるかがブーム継続の大きなカギである。

⚫︎インフレは3%近辺で下げの勢いが止まった感があるが、米国以外が不況でデフレ傾向であることを考えればインフレがスパイクする可能性は低い。食料品のインフレは既に落ち着いている。原油価格は落ち着きを見せていること、コモディティ価格が下落していることはインフレ抑制にはプラスである。しかし、インフレ率がしっかりと2%まで下がってこない限りは、しばらくインフレ抑制のために高金利が続く可能性は高い。

⚫︎5月FOMCでは利下げは想定よりも後ずれすることが示唆された。年内はほとんど利下げが行われない可能性の方がある。市場は年内利下げが行われることを期待しているが、このギャップはリスクではある。引き続きCPIの推移をチェックする必要がある。3回インフレ率が下がってくれば下落トレンドとみなせる。

⚫︎FACTSETによるとSP500のEPSはこれから高い成長を見込む。金利の方向性は横ばいであり、企業業績が伸びるなら株の方向性は上と考えるのが自然。

⚫︎上昇相場は3-15年続く(平均8.9年、平均+468%上昇)が今は1年7ヶ月。未だ若い。

⚫︎不況は大抵10年に1回やってくるが、今は4年1ヶ月。好景気も若い。

⚫︎2020年3月、2022年10月と立て続けに株は暴落していること、経験則的には-20%を超える大幅調整は10年に1回程度しかこないことを考慮すれば、今すぐ暴落がやってくるオッズは低い。

⚫︎ソフトランディングが実現した1995-2000年、SP500は+220%上昇。為替は+70%円安に振れた。

<点検ポイント>
AIによる生産性向上(AI導入による余剰人員のリストラ・AIによる企業業績UP等)、GAFAMの株価・設備投資、個人消費、CPI推移、原油価格、長期金利

<結論>
強気

【一年の見通し】
大統領選サイクル 4年目(2番目/4に強い年)
1月相場成績 プラス
金利動向 やや下落かほとんど横ばいが続く
業績動向 拡大へ
注目イベント 11月大統領選挙

<見通し>
景気は底堅く、金利は利下げフェーズ、業績は強い。ゆえに一年を通じて相場は高いと予想。1-3月が高かった。これは現職の大統領が勝つ典型的な値動き。この場合、4-5月がスピード調整になる場合が多い。8月に向けてはサマーラリーが期待できる。選挙直前の9-10月は調整する確率が高いが、大統領選投開票日1-2週間前からは年末にかけて高いと予想。

【5月の見通し】
アノマリー 強い
注目イベント 決算シーズン
投資スタンス ホールド

【来週(5/27-5/31)の見通し】
注目イベント  決算シーズン 
意見 ホールド

【現在の投資態度】強気
米経済はソフトランディングを達成することがメインシナリオ。業績拡大が見込めるAI関連株、好決算ハイパーグロース株が良いと考える。特にテーマ投資のど真ん中であるAI関連株に重点を置きたい。TSLA、META、MSFT、GOOGの決算では高水準なAI投資が続くことが確認できた。TSMCの4月収益は前年同月比+60%と驚異的な伸びを見せている。NVDAの決算では2025年までAI半導体の需要が供給を上回っていることが示された。この状況ではAI半導体を買い渋った企業には新しいAI半導体が割り当てられない状況になっている。旧型と新型では性能差が30倍も違う。更新が遅れれば一瞬にして他社から劣後する。故に各社は高値でAI半導体を買い続けなければならない。またAI半導体をトレーニングや推論に使いたい会社にレンタルすることで簡単に利益がでる状況でもあるので追加投資は問題にならない。旺盛なAI投資が続く条件が整っている。AIブームは当分続くと判断できる。目先、調整が予想される9月までは現在のフルポジションを維持する。

<注目セクター>
AI関連、好決算ハイパーグロース

<現在のPF>株100%/現金0%
[コア]40%
VOO
[サテライト]60%
GOOG
NVDA
AVGO
TSM
IOT
MNDY
S
CRWD
ZS
ONON

〈ウォッチリスト〉
MRVL
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ALAB
NTAP
NET
KVYO
AI
PLTR
TTD
APP
PINS
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TEAM
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