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ゆるふわ宝石商的に男性に持っていてほしい宝石

男性に持っていてほしい宝石。いろいろあります。
石って、特に男性はなんというか、ハードルを感じやすいのですが、男性にも宝石を持っていてほしい。

ゆるふわ宝石商の考える、男性に持っていてほしい宝石の在り方についての妄想です。

男性必修宝石・サファイア

青い宝石、サファイア。これは20代から全世代で持っていてほしい。ひとりひとつは必修宝石。
青い石なので、男性も違和感なく手に取りやすいと思うのも含めて、初めての宝石にはサファイアをお勧めします。

意外に腕時計についていることも多く、実はサファイア持ってたという人も結構いると思う。親からもらったネクタイピンについていたとか、結婚の時の結納返しでもらった腕時計にサファイアが入っていたとか。

20代から全世代という事で、50代でも70代でもいける。
ビジネスシーンでも、プライベートでもいい。
遊びにも仕事にもつかえる。

お値段的にも、シルバーにあわせても素敵に仕上がる石なので、1万円台から素敵なものが買える場合もある。でも石が入っているものは、できれば2~3万円くらいするほうがつくりから見てお勧め(コスパのいい価格帯という事になる。それ以下は安物買いの銭失いになりがち)です。

もちろんゴールドでもプラチナでもしっくりくる品格のある石なので、初心者から上級者までどんとこいです。
一生使える。そういう意味でも高コストパフォーマンスを誇る。

サファイアは「できる男」感が漂います。
石を持ってみたいけど気恥ずかしさが出てしまうメンズは、紺色に近い色を選ぶとより持ちやすいと思います。サファイアとしては青い色が冴えて見える方がお値段的に高い=価値が高いとみなされるのだけど、青が強いよりは黒味のあるくらいのほうがなじみやすいと感じる人は結構いるはず。
黒味の青という事で、石としての値段は1個何十万円みたいなものはかなり減ります。お手頃価格で結構いいものが手に入る、という事でもあります。

小さめでピリッと青みの冴えたものもいいですし、少し大きめで黒味の強い青い石というのもいいです。
はじめての宝石にサファイアは鉄板。
間違いない。
ブラックダイヤも多いけど、賢さや上品さはサファイアのほうが上をいくものが多いです。ブラックダイヤも素敵だけれど、モノによってはギャル男風に転がるケースもよくあるので……
初めての宝石は、ぜひサファイアを。

力の抜けたダメ男にはエメラルドを

エメラルドは緑色の石です。
よく長方形にカットされてダイヤモンドをみっちりまぶしたようなデザインの指輪がありますが、本当のエメラルドはもっと違う世界観を持っている!

実はエメラルドはヒビヒビの石なのです。
宝石とは大抵、熱されたマグマが噴火などで急激に地表に近くなって冷えた時に発生する。過酷な状況を通り過ぎると美しい鉱石の結晶になるのです。
特にエメラルドは過酷な環境を通り抜けないと発生しない鉱石なので、基本的にヒビやインクルージョンと呼ばれる内包物がたくさん含まれています。
かき氷のメロンシロップや、透明なメロンゼリーみたいなエメラルドは、ほとんどありません。(あるけど1個で1000万円くらい値段つけてくるケースもある。マンション買える)

で、私がすごくいいと思うのは、そういうインクルージョンがあるタイプの、ガサガサしたエメラルドをさりげなくつけちゃう、脱力した色男ですよ。

エメラルドは、せめて30代後半以降でつけてほしい。
エメラルドの似合う50代とかやばい。結婚してほしい。
才能も実力もある、でもどこかがんばることの残念さを知ってしまっている。だらしない。無精ひげ。多分女好き(でも性欲はもう控えめ)。

サファイアはすべての男の必修科目だけど、エメラルドはなれる男となれない男がいると思う。
真面目な男性は、エメラルドの男になることはない。
かといって最初からダメな男はもっとなれない。
選ばれし、エメラルドの男。

エメラルドは弱い石なのです。脆さと、傷を抱え込んでいる天国の庭を封じ込めた緑の石。その庭に行くことは絶対にできないが、そのカケラをずっと手元に置いている。
その天国の庭は誰も手入れをしないから雑草がぼうぼうだ。

負けと挫折を知っているが、豊かさを捨てなかった男。
ずるく賢いがあまりそれを出すこともなくなったし、かといって善良さもこれといって使わない。
贅沢を好み、清貧を鼻で笑い、意外と無駄を嫌う。
強いものに巻かれる気もなくなったが、弱いものにはどうにも強く出られない。

そういうダメ男。それが(私の考える)エメラルドの男です。
得がたい!!
エメラルドの男はそうそういないが、ぜひエメラルドの男が現れてほしい。

なお、エメラルドの男はできる男の象徴であるサファイアは持っている前提ですね。
サファイアあってのエメラルド。

二流男の静かなる野心・コニャックダイヤ

男のダイヤモンドというとブラックダイヤが何となくおなじみ感あるかもしれませんが、これも30代からは違う選択肢があります。

それがブラウンダイヤ。
なかでもコニャックのような深みとテリのあるものが大変よい。

ちなみに私もコニャックダイヤはお気に入りなので一個持っています。
個人的な趣味で、ブラウン系~オレンジの石が好きなんですよねー。

ブラウンダイヤモンドのよさは、雑味にあります。
透明なダイヤモンドは光を買うために存在しているのだけれど、ブラウンダイヤはもともとよく光らない格下の石とされていました。
でも中には味のある石もあり、ファンシーカラーとしてだんだんその地位を確立しつつあります。

コニャックダイヤは、ほんといい石。
ある程度年齢のいった人なら、意外にもどなたでも違和感ない。
特に向いている人は、明るいタイプの人。エメラルドのようなだらしなさの色気というより、スポーツおじさんって感じです。ご家庭を大事にしているタイプ。
でもね、そういう人でもうまく人には言えない憎しみやもどかしさ、アウトローへの憧れ、それができなかった自分の小心さに忸怩たる思いを抱えていたりする。
ブラウンダイヤモンドは、そういう不純物を全部持っている。
不純物を抱え込んだうえで、なおダイヤモンドとして存在している。

エメラルドが傷を抱えるロマンチストなら、コニャックダイヤモンドは二流に甘んじる豊かさだ。
けしてダイヤモンドとしてのトップには立てない。それでも、ダイヤモンドとしてあり続ける。
負けたわけではない、勝ってはいないが。
それでもいつの間にか確固とした立場を手に入れ、しっかりと愛されていたりする。

完璧なアウトローにはなれない、世界の一流にもなれない、だからこそ手に入れられた豊かさ。甘んじて手に入れた、というのは少しばかりそぐわない。それなりになにかを失った。

そういうものをまとめて抱えていられるのが、コニャックダイヤの男です。
妥協を知る男。
そして今をほがらかに楽しむ男。
無理にギラギラ光らせることもないが、そうは言っても宝石の王たるダイヤモンド。

二流とか言ってますけど、色のいい大きなサイズだと「へ???」ってくらいにお値段つきますからね、油断ならねぇおっさんです。
シレッと不倫してるタイプ。手練れの不倫相手から情報を得て妻にセンスのあるプレゼントをする。何がマイホームパパじゃ。

「なんとなく地味な石」と思ったら実はダイヤモンド。
ある程度年齢がいったら、このくらいのエゲツなさを洗練させた形で持っていてもいいっちゃいいのです。
こちらもサファイアを入門編にこなしてからのランクアップコースです。
エメラルドの男になるほど傷つかなかった男は、大抵コニャックダイヤの男。
格付けが上がるかどうかは、自分次第。

他にもあるある、男が持つから際立つ宝石

例えば真珠。とても女性的なイメージが強いかもしれないけど、これをプチッと取り入れると、すごく洒脱。
特に歪んだバロック珠はいいですね。
横綱が羽織紐にごっついバロック真珠をブリンブリンにつけてたのは、よかったです。歌舞いてる!真珠で歌舞けるのって、相当なことですよ。かっこいい。やばい。
何となく「冠婚葬祭」「女性的」でくくってしまうのは非常にもったいない。

赤い石としての最高峰であるルビーも、こだわりだすとドツボにハマるタイプの石だから、好きになってしまった男性はすごく好きになりそうな気配があります。
エメラルドがダメ男なら、ルビーはクズ男。
私の好みはエメラルドの男ですけどね、ルビーの男はケガしやすい。
でもそういうのに男性自身はめちゃくちゃ憧れている。悪い男。

ちなみにダイヤモンドに関しては、あれはすべての人に似あいます。
ダイヤモンドは気合です。気合のない人はいないので誰でも持つことができるわけですが、気合が足りてないと負けます。
そこらへん、サファイアは特に気合なども求めてこないのでほんと優秀です。ちょっとやる気を出したいという時には、ダイヤを1粒2粒トッピングするというのもすごくアリです。小さくても威力はすごい。
サファイアにそえてもいい。

で、どうやって持てばいいのか?

宝石ちょっと持ってみたいと思った男性諸兄に、どんなアイテムをおすすめしたらいいのか。
ここが、ぶっちゃけ現段階の課題です。

一昔前はネクタイピンなどが定番でしたけど、どんどんネクタイ自体使わないファッションが一般化している。
逆に指輪などはもっと気軽な存在になっています。

一般的なところでいうと、やはり指輪かネックレス。
でも、そうなるとインディアンジュエリーか、クロムハーツかあたりしか思いつかないというのが現状(そこを思いつけただけ上出来)。
そんなに不良にはなれなかった若い頃を思い出して、すべてがそこで停止する……みたいな話はよく聞きます。
フレッドも男性ジュエリーとしては有名だけど、ちょい悪オヤジ色が強め。

そこら辺をうまくこなしているのが、ティファニーとコラボレートしたドーバーストリートマーケット。すっごいうまいなーって思いました。安過ぎず高すぎない価格帯、不良になれない真面目な僕らの気持ちに寄り添って、それだけではない特別な重みと強さとおしゃれ感(場合によってはモテまで)をくれて、ストリートカジュアルだけどティファニーという完全な安パイ。完璧。若者から50代までコーディネート次第でいける。
ただ、限定だし、石は入っていない!
ゆるふわ宝石商的には、出番なし!!悲しみ!!

という事で、メンズにいい感じに宝石を持ってもらえるようなメンズジュエリーを考えていかなくてはいけないなって、しみじみ思っているところです。
ちょっと頑張って、今年のうちにはできれば渋谷のおしゃれなバーみたいなところでメンズのための宝石イベントひっそりやりたい。その場で買わなくても一杯飲んでいってくれたまえよ。ノンアルも置いておくよ。気にしないでやってくれたまえ。
価格帯は、2万~10万くらい。ドーバーストリートマーケットよりお手頃かもしれない。もちろん「予算40万円でがっつりやってくれ!」と言われたらそれもできます。
もし100万円以上予算あるなら、その場合はカルティエでもハリーウィンストンでも行くといいです。

結婚指輪と小指のピンキーリングの重ね付けとか結構いいですよ。
腕時計の感覚でブレスレットやバングルから入るのもイケている。
ネックレスは、チェーンの長さを調整すると、びっくりするほど似合うようになるから、実は試着すごく大事(あとメンズだとネックレスは金属量増えるからそれなりのお値段になるので、ぴったりくるものを選ぶのが高コスパにつながります)
指輪もサイズを測って作るのです。

ただね、ひとつだけゆるふわ宝石商、言いたいことがある。
ゆるふわだから、ルールとかマナーとかほとんど気にしないんだけどね、ひとつだけ。
頼むからスーツに金運系数珠ブレスはやめてくれ!!!
頼むから!!!
前に満員電車で虎目石数珠ブレス男が吊革に手を伸ばしたタイミングで顔にがっつり当たって相当痛かったんだよね、今でも許してない。
今後、スーツに数珠ブレスの男はすべからく、わたくしの呪いを受けることになる。

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つよく生きていきたい。