法人成りしてよかったですか?

電子タバコのIQOS(アイコス)のポスターが妊娠検査薬にしか見えないなと思いながら角を曲がる。
駅から遠い、くねくねと奥まった道の奥に、会計経理全般のマネジメントを依頼している会計事務所がある。

そろそろ2期目が終わる事を踏まえて、消費税の話をしに行った。

法人成りして2期目は、なかなか動乱で、融資を合計で450万円入れたというのがすごく大きな変化だった。
1期目も1000万円を越えたが、今期もおそらく越えそう。

起業する時に最初に出てくるのが、個人事業でいくのか、それとも最初から法人としてやるのか、という問題だ。

私は、非常に小さく始めたので個人事業者として派遣社員しながらやっていて、大体2年半くらいで法人成りした。
法人成りするタイミングはちょっと早すぎるかなと思ったけれど、法人成りにはあれこれ手助けが必要で、その時に会計マネジメント会社を人づてに教えてもらって話をしていく中で、「まあちょっと早いけど、助けてくれる人がいるうちに」という感じで法人成りした。

法人成りするのは、ある意味とても簡単だ。

既定の書類に20万円くらいの印紙を張り付けて提出するわけです。それだけです。

自分でやろうとしてもできない事ではないし、行政書士や会計士や税理士にお願いしなくてもいい。
けど、個人的には頼んだ方が絶対いいと思います。

むしろ、人に頼む事=法人成りする意義でもある気がしている。

自分一人の存在ではなく、法人格という複数が関わる形状に変える事が、個人事業からの法人成りの意味だと思っている。

(ついでに、法人成りすると息をしているだけでお金がかかるから、ある程度の経営体力、つまりお金が回っていないとムリ。今、年商1000万円だけど超ギリギリだから。吹けば飛ぶから)

だから、ひとりでやりたいと思っている人は、個人事業主のまま突き進むのがずっと利益も大きいし、いいと思う。ムリに法人成りする必要はない。面子とかプライドとか、カッコいいからとかで法人成りするのは馬鹿げている。損しかしないと思う。個人事業主はほんといいです。
もし迷っている小規模起業を目指している人がいるなら、特別な理由がない限り個人事業主をお勧めします。
(確定申告はがっちりしよう)

個人の感覚では、創業融資も受ける必要はあんまりないと思う。
絶対に必要な、店舗を構えるタイプの起業なら融資は絶対かもしれないけど、そうじゃないタイプなら創業後に融資を受けるほうが利率もよく受けられるし、実績があるから通りやすい(やっぱり確定申告はがっちりしておこう)。
融資は、うけるよりも返すほうが本番だから!ほんの少しでも利率は下げていこう!

もちろん、自分が通ってきた道しかわからないから、これがベストだともいえないけれど、小さくはじめて年商が1000万程度くらいまでなら、個人事業主の方がいいと思う。
数人でやるにしても、個人事業主パターンのやり方も検討したほうがいいような気もする。法人にするのがゴールでもないし、カッコいい事でもない。むしろ損をする事も多い。

で、法人成りしてよかったですか?

と聞かれたら、

私はまだ「まだよくわからない」と答えると思う。

答えなんかそう簡単に出ないし、正解とされるものも変わっていくし、ある意味永遠に不確定の中を泳ぎ続ける事しか、我々には許されていないのだ。

ある程度の売上が見込まれるからってその通りになるわけではない。
しかし、逆も然りである。
我々は、その不確定の海の中で己の予測を立ててその結果かそれ以上の結果を得るまでは、永遠に素潜りをし続ける。

我々とは?
ビジネスという世界に飛び込んだ、弱弱しい人間の事である。

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