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【「諭吉」の上手な飼い方】

「諭吉」の上手な飼い方
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ああ、わかります、繁殖ってなかなか難しいですよね。定期的に現れてくれるだけすごいことなんですけど、繁殖させたいってやっぱりどっかで思っちゃいますよ、わかります。わかります。

(全編『ほぼ日』口調でお届けします)

私はビジネスやっている事業家なので、諭吉の繁殖のプロの端くれでもあるんですけど、諭吉の繁殖はほんと簡単じゃないですね。
でも、少ないながら健康な個体を育てるのが私のモットーでもあるので、うまくやってる人たちが羨ましくはありますけど、自分のところの諭吉もとても大切ないい子だなあって思ってます。
金融系の人は単純に諭吉繁殖の専門家でもあるのですが、そもそも諭吉がたくさんいる前提でやっているプラントみたいなもんですからねえ、やっぱり平飼いの自然に育てられた諭吉とはちょっと違うっていうか、そういう人がいう「簡単に増える」っていうのは、やっぱり無理があって、プラント内では健康だけど普通の環境にくるとあっという間に早死にする個体がすごく多い気がします。
諭吉も幸せなのかなって思うと、まあ諭吉に心はないんですけど、こっちの思い込みというかは、ちょっと寂しいような気もしますよね。うん。

とりあえず、小さいコツはあるんじゃないかなーって思っていますので、諭吉の上手な飼い方、わたしのやり方をまとめたいと思います。

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①諭吉2人を英世20人にしておく

諭吉を大事にするあまり、諭吉の体力が失われて英世になってしまったっていう声も聞きますけど、諭吉の個体数がある程度あるうちに少しだけ最初に英世にしてしまうんです。

お財布には常に英世が10~20人レベルでいる状態になっていると、諭吉の流出が防げます。これは「なんとなく流出」を防ぐ方法なので、根本的な解決ではないんですが、個人的な経験から言うとやらないよりマシです。

英世でも十分に対応できる場面では諭吉は控えさせて、英世に活躍してもらわないといけないんです。
ちょっとしたお遣い物とか、ちょっとした買い物、諭吉ではむしろ迷惑になりかねないところを英世だとスルッと相手にいい印象を与えてその場を円滑にしてくれます。

諭吉は万能だが、活躍の場が広い英世を侮るなかれ


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②チーム化させる

諭吉を流出させないという事は、基本的に不可能です。
そこを勘違いして、大事にしまっておけばいいと思っていると、諭吉はどんどん死んでいくのです。不思議ですね。大事にしまっていたはずなのに。

なので、諭吉が流出する時は、むしろ積極的にまとめてリリースしてしまいます。

そして「諭吉は死んだ」という事をきちんと受け入れる事。
もうこれが結論みたいなもんなんですけど、諭吉が死んだとしても、それでもできる事を忘れず腐らずに日々を過ごす事。
死んだ諭吉が残してくれたものを、心から大切にする事。

そういう心構えを持つという事が、実は少なからず諭吉を育てる環境につながっています。その環境を整えるのは、実は諭吉を育てる事よりもむずかしい事なのだと最近特に感じる事であります。

英世で代役が務まらない時は諭吉がいくしかないんですが、なるべくまとめてチーム諭吉で送り出す事にします。
チームにすると突然攻撃力が高まるのです。
それに、チーム化させるとなると、やはり少しでも無駄がないかとチェックをするのが比較的容易にもなりますから。

プラントの諭吉って、つまり超巨大チームなんですよね。だから単体の諭吉としての性質とは全然違うんです。大きくなればなるほど違ってきてしまいます。

これは出ていく時のチーム化ですが、飼育中もチーム化をしておくと、意外に残ってくれますね。
諭吉単体だとあっという間に英世になってしまうんですけど、5諭吉はちょっと触りにくいものですし、20諭吉になるとそりゃあ立派なもんです。
最低限、「チーム家賃」にプラス生活費を足した「チーム生きる望み」を数カ月分確保できているだけで、諭吉の力を感じられます。
そこはもう、あえて増やそうとか考えずに、チーム化しているだけで良しとしておきましょう。そばにいてくれるだけで、多くを望んではいけないものってあると思います。
諭吉が全然いないっていう状態にある人は、とりあえずまず家賃分のチームを作っておく事から始めるといいんじゃないかなって思います。

増やそうとするより、まずはチーム化を試みる

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③諭吉そのものより、諭吉の与えてくれたものを大切にする

諭吉って「上手に飼えばみるみる増える」というのは生態の一部分でしかないんですよね。だから、すぐに弱って死んでしまうのが悪い事ではなくて、むしろ当たり前というか自然の姿なんだと思います。
だけど、私たちは諭吉の事好きだから、すごく好きだから、つい諭吉がどんどん増えてくれたらいいなって、そう思っちゃうんですよね。

それって、本当は諭吉の本質を見失っているって事なんだと思います。

諭吉って心がないようでいて、必ず来た場所に何かを与えてくれて、大体それはいい事が多いです(たまに悪い事もあるけど、いい事のほうが圧倒的に多いです)。
本当は、私たちはそういう「諭吉が与えてくれたもの」が欲しいから、諭吉がたくさんいてくれたらなあって思うんですけど、それがそのうち「諭吉がたくさんいてくれたらなあ」になっちゃうんですよね。

諭吉がいなくなった時って、多分諭吉のいない事への寂しさよりも、諭吉が与えてくれたことの喜びがすごくあると思います。
それこそが、諭吉の本来の姿なんだと思うんですよ。

諭吉に心はないんですけど、そういう喜びとか安心とかを与えてもらっているって実感すると、すごく、なんていうか諭吉の事が大切に思えてきます。

だからって、諭吉そのものが何かをしてくれているわけじゃないんですよね。
やっているのは自分自身なんだから。
そこをね、やっぱり勘違いしちゃう。自分の力と諭吉の力を取り違えてしまうと、もうただただ諭吉がたくさんいてほしくてそれだけになっちゃうんですよ。

だから、諭吉がいない事をそんなに嘆かない事。
すごく逆説的な感じなんですけど。
それが諭吉を育てる環境にどうしても欠かせない事なんだと思うんです。

諭吉より諭吉の与えてくれたものを大切にする
諭吉を使った自分の力を信じて、伸ばしていく

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諭吉を上手に飼うには、諭吉の居心地の良さを追求してはいけない

変な事を言うなって思ったかもしれませんが、諭吉を大切にするというのは、実は諭吉を増やすことの逆を行く事がよくある、という事を、できればもっとたくさんの人が知ってくれたらいいんじゃないかなって思うんですよ。

よくあるお金本なら、「お財布はお金のホテルだから居心地がいいように美しく整えて!」とか「お金が仲間を連れて戻ってくるように、支払の時は『行ってらっしゃい、帰っておいで』と願う」とか、とにかく、諭吉・諭吉・諭吉なんですよ。

それは平飼い飼育の諭吉には、むしろストレスっていうか。

そんなくらいなら、早々に英世にして、個別に働いてもらったほうがよっぽどいいんです。
英世でも諭吉のような仕事、やろうと思えばできますからね。
特に、人の心を動かすための仕組みとかに役立ちます。お礼とか、ちょっとした贈り物や、疲れてしまった後輩にご飯を一回おごってあげるとか、そういう事は諭吉じゃなくたってできるし、諭吉だからいいというわけじゃないじゃないですか。

諭吉でしか戦えないフィールドは多いんですが、そうじゃないところできちんと英世を使える事。
それができて、やっぱり諭吉の平飼い飼育は可能なんじゃないかと思います。
ここは諭吉がぎっちりのプラントじゃないから。

プラントの諭吉と、私たちのような平飼いの諭吉は全然別物なのに、同じ諭吉だっていう事だけで同じように語られてしまうのが、不幸のはじまりなんじゃないかなとはよく思います。

諭吉そのものより、諭吉が与えてくれたものを大切にする。
これが健康な諭吉の飼育に絶対に欠かせないものだと思います。
健康な諭吉は、けっこうすぐ死ぬし、わんわんと増えるようなもんじゃないんです。繰り返しますけど、プラントの中と同じ状態だと思っちゃダメです。

それに、他人の諭吉でご飯食べさせてもらった事とか、助けてもらった事とか、ありませんか?
あの時、そのひとの諭吉は死んだじゃないですか。それでもそれ以上に、その人の御好意をありがたく思ったり、死んだ諭吉はお店にとっては生きた諭吉になってきてくれたわけで、やっぱり適切に死なせることができないと、ダメなんだと思います。

今まで死んだたくさんの諭吉の存在で、きっと今がある。

だから、今をすごく大切にする事や、未来を大切にする事って、諭吉を大切にする事とイコールだと思うんです。

でも、諭吉、増えないかな……(笑)

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