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安寧の金額

融資の手続きが完了して、ちょっとした金がどんと口座に入ってきた。
もう100万円くらい使っちゃったけど。

ずっと私は金がない事がウリでやってきた。
それなのに、融資を申し込んだらちゃんと貸してもらえるようになってしまった。

なってしまった、というのもおかしいかもしれないけど、ちゃんと成長していて金利も優遇されて貸してもらえた。そうやって、口座にどんとまとまったお金が入った。

そして知ったのは、人は500万円ほどが口座に入っているだけで、心の安寧を得るものだという事だ。

実はこれが300万円程度の時は、全然だった。全然穏やかではなかった。減っていく感覚のほうが強くてピリピリ度が増しただけだった。
それが500万円もあると、急にそれが引っ込むのだ。

まー、個人で貯金が500万円なら「あら持ってるわね」って感じですけどね、会社としての500万円は「吹けば飛ぶ」レベルです。恐ろしや。同じ500万円なのに。(実際、借りてから早々に100万円使っちゃっているし)

だとしても、500万円には300万円にはない心の安寧がありました。

ビジネスを特にやっていない人たちも、車を買うのにそのくらいのローンをサクッと組んだり、マンションを買った人なんかは1000万円とかザラです。金額で言うなら、ほんと大したことないんだと思う。金融機関にとってもハナクソな扱いをされる(大体OJT中の若手の練習にあてられるケース散見)。
それでも、本当に借りる側の私にとっては大きなお金で、使う事をほんとに躊躇するような緊張感と手ごたえがある額だ。

金がないのが私のビジネススタイルのアイデンティティーみたいなところがあったけれど、次の段階に行ってしまったんだな、という切なさみたいなものもちょっと感じている。
卒業シーズンですしね。

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ビジネスの融資は、条件にもよるんだけど、車やマンションを買うローンや奨学金みたいなものとは根本的に違う。
金が、そのまま手元にくるのだ。
ローンだと、お金そのものがあるのじゃなくて、モノ(自動車やマンション)が手元にくる。で、あとは延々とお金を返してく。だから返しているというより実際には「永遠に払い続けている」ような感覚になる。ただただ手元からお金を差っ引かれるような、うすら寒い気持ちになる。
でもビジネスの融資は、まず金がドンとくる。
これは、最高ですよ。

創業融資などは「これとこれを買うためのお金で貸してあげるから、買った領収書持ってきてよ」ってなる物が多いです。
設備投資のための融資も「工事の見積りと、払ったら領収書出してね」みたいなこともよくあると思います。
が、お金だけをドンと出してもらうのは、その後どう使うかはこっちのさじ加減ひとつ。(その点補助金は融通さ皆無なのが多い)

お金を印字した通帳を見て、

「あーー……減らさないようにがんばろう。いや……もっともっと増やしてくんだ……」

と、なぜか胸があたたかいもので埋まっていった。

500万円が、800万円になり、1000万円になり、すべてを返し終わった時にはこの何倍もの数字になっていることを、ほっこりとした気持ちで想像していた。

実際に100万円ほど使ったけど、減ってはいない。
毎度のギリギリ綱渡りが十八番ですけど。
(地面すれすれであっても落とさないのがマイモットー)


それにしても不思議なのは、300万円ではダメで500万円ならいいという自分の中にあるラインの存在だ。

800万円だったらどうかなと想像してみたけど、なんだかあり過ぎる感じがしてしまった。安寧じゃなくて、むしろ「これをどう使ったらいいのか」という焦りのほうが大きい感じがした。

「借りた金」はしょせん他人のカネなのだ。
過分に借りるとそれだけ他人に奪われるものでもある。心理的な話だけど。もちろん、利子も大きくなるし使った額を返すのも大変になる。
その、他人とのやり取りの中で、ちょうどいいラインというのが個々人の中に存在しているのだろう。

私はそれが300万では少なすぎて、800万では多すぎるという事だったのかもしれない。
(ちなみに手持ちの残高が100万円を切ると人間相当削られますよ心が)

心の安寧がビジネスの成長を促すとはちょっと思えないので、私はいつも自殺すれすれのところで突っ走っている。(労働に関してはこの限りでなく安心とオープンな交流が保証されていることが労働効率を著しく高めると思っている)
そこに現れた融資の500万円(嘘。そんなに借りてない。手持ちの資金と合わせた額)の存在は、私にとっても新しい体験だった。


さて、ここから、今年の夏から秋にかけて、ちょっと頑張りたいと思います。

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