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お金があれば買わないもの

皆さんよくいうのは「お金があればあれとこれとこれを買いたい、金が欲しい」ということだけれども。
生きていくと、どうしても必要だからなるべく安いものを探して買うことのほうが多くなる。
そういうのは、お金があれば買わなかったものたちだ。

お金があればこれは買わなかったなーというものを着て、履いて、使って、身の回りにおいて生きていく。

たまに「高いけれどこれがほしい!」と思って買ったものなども混ざってくる。清水買いなものだ。
チャーチの10万円の靴、バーミキュラの8万円の炊飯器。

それとは違って「安いけどこれがいい」というものもある。
選び抜いたせっけん。気に入って使っている120円5個入りのスポンジ。メンソレータムのリップクリーム。
KATEのアイライナーと、BABYMEEのアイライナー。
100均のまな板。


お金があれば買わなかったものに囲まれて生きていると、それでいいかと思うようになる。
それを「足るを知る」と取るか、じわじわと劣化していくと取るかは、迷うところだ。

ifの話をしても、というところだけれど。

でも、エルメスのカレ(スカーフ)の中古を買い、その後国産の1万円をこえるシルクスカーフを買った時、その差に驚いた。
中古でもエルメスのほうが上だった。圧倒的に。歴然と。
こんなに差があるとは知らなかった。

そして、お金があれば買えるものについても、私は何にもわかっていないんだということにも衝撃を受けた。

そりゃーエルメスを買うよね……と思った。

私は、お金があれば買わないものに囲まれている。
それでいいと思っていたんだけど、それはとても自分の世界を狭めることだとも気が付いた。

安いから買う、買える値段だから買うというのと、それが値段など無関係に必要で欲しくて自分にフィットしているから買うというのとでは、雲泥の差がある。
でもその差に気が付かない。

お金があれば買わなかったものは、本当なら何がよかったのかは、何千万とある選択肢の中から探し出さないといけない。
「これだ」と思ったものが、最初に買った安いものよりいいかというとそうでもないことだってある。これだと思ったものを見つけても廃番になっていることもある。
だったら、わからないものにエネルギーを注ぎ込むよりは「安いから」という判断基準で損切りをするのもありだと思う…。

安いものたち、廉価版たちは、「お金があれば買わない=お金がないから買う」という選択肢であることが最大のうりだ。

私はたくさんのお金があれば買わなかったものたちを買ってきた。
これからも、買うだろう。でも、もっと、お金があれば買わなかったものは減らしたいと思ってしまった。
そしてなるべく、もっと広い価値観を体験したいとも思ったし、それと自分の居心地のよさはまた別の尺度で考えないといけないなとも思う。

狭い価値観の中で生きる方が楽だ。
その楽さは、実際には全然楽ではなく、知らないから我慢できているだけだったりもする。
エルメスを知ってしまったら、あのペラペラを「エルメスに匹敵する」とは言えない。かといってエルメスほどいいものをである必要もないものがたくさんある(いわゆるオーバースペック)。
知ってからいろいろと考えることが増える。

世界は広いが、できることは少ない。

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つよく生きていきたい。