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荷物の極意

荷物の極意は無駄のなさではない

ミニマリストという言葉がとても流行って、荷物は少なければ少ないほどよいという価値観が改めて強く印象付けられるようになった。
でも、違うのだ。荷物の極意は、少ないことではない。
なら、必要なものをすべて持って無駄なものはひとつもないのが目指すべき形なのか、というと、そうでもあるけど、そうでもない。

無駄がなかろうと、使いたい時に使えなければ意味がない。
少なさを優先して不便に、あるいは身の危険に発展することもある。
あらゆる場面を想定して、あまりに重くなって、これまた不便、身の危険という事もある。

むずかしい。

必要な時に出てこなければないのと同じ

ずっとあれこれやってきて、荷物の極意は、ものの量以前に
「使う時にスッと出てくる」
「必要な時に必要なスペースがある」
という二点が何より大切だと気がついた。

どれだけ作戦を練りに練って荷物を選別したとしても、使う時にそれが出て来なければ、ないのと同じなのだ。

重たい思いをしてないものを運び、挙句に必要なタイミングでひたすら不便をしたりチャンスを失ったりする。

そう考えると、なにを持っていくか、よりも、なにをするのかを考えなくてはいけない。
なにを、どんな感じでしたいのか。

わたしも散々必要なものを詰め込んで重たい思いをして脚をアザだらけにして運んで、必要な時にそれが出てこなくて歯嚙みをした経験が……一度や二度ではないなんて……_(:3 」∠)_

大損である!

いかに素晴らしいパッキングでコンパクトにまとめたとしても、出てこないなら大損!損害!

荷物は、使いたい時に出てこないのを減らすために、荷物の数を減らせという提言があるのだ。
減らすのが目的ではない。

必要な時に必要なものをだせること。
これを考えてモノをもたいないといけないし、必要な事態に出会った時にスッと出せる動きもマスターしておかねばならない。モノを持つには、技術を持たねばならない。
いくら高機能のガジェットで超軽量なものを持ったとしても、使う時に鞄の奥深くに沈んで出てこないのなら、いくら軽くてコンパクトで高機能であっても、重さという負債にしかならないし、不便を与えられる。

私が長距離お出かけの時に愛用しているプラスチックの目玉クリップは、軽いけどかさばらせるための道具です(100均の文具コーナーにあるプラスチックのカラフルなやつがイチオシ)。
これはある時ふと新幹線のチケットを留めてみたら、散らばらないしポケットの中で迷子にならないし、うっかり落とした時(飛行機のチケットを飛行機の中に置き忘れてしまった!)も大きな目印になったのですぐに見つけてもらえたりして、最高に役立ったのです。

そして、学びました。
モノは小さくすることだけが能ではない。大きくすることで便利になる物もあるのだ、と。

身体から離さない

もう一つ、持ち歩くために必要な技術で言うなら、身体から離さないという事があると思う。
外で動きながら何かをしている時、自分の身から離してしまったものは、もう自分のコントロール下から外れてしまっているのだ。

自分のコントロール下から外れてしまったものは、取り戻すのに大変な労力を要する。ゴミを散らかしたら回収する手間が増え、置きっぱなしにした備品はどこかに消えてなくなる。

といっても、大きくて重たいものまでずっと持ち歩くのは大変なので、そこをよく考えて「動きを邪魔せず、必要なものを持つスタイルとはなにか」をデザインしていかねばならないのです。

持ち物の極意は、モノにはなくて動きをいかに考えているかである

私は身体が小さいし、あまり力もない上に、移動に弱い。
おかげでモノの見方が変わってきたし、実際に重さや大きさを考えるようになっていろいろやったけど失敗したこともすごく多く、さらにそれが学びでもあった。
学ぶって、金がかかる。

その中で、徐々にやり方というか、考え方のコツは「もの」にはないという事がわかってきたというのが、とても大きなことです。

(動き+環境)÷体力

数式にもなっていないけど、考える方向性としてはこういう事なんだと思ってきている。
動きは、時間がタイトなのかゆっくりなのか、環境は助けがあるのかないのか、自分が知っている場所なのかそうでないのか(言葉が通じないケースもある)、そういう事を全部相互的に考えて、その時の体力を考慮する。

どんな時も軽さと丈夫さはプラスに働いてくれる。
(しかし丈夫なものは重いのだ。軽いものは弱いのだ)

荷物の極意は、モノにはなく、自分の動きにある。

個人的に気を付けている事

・中が見える小分けポーチは優秀
メッシュや透明な小分けポーチは、本当に役に立ちます。全部それにしてもいいけど、やはり見えない方がいいものもあるので、バランス重要。
ジップロックに代表されるジップ付き袋はサイズ違いで複数所持。これでまとめるだけで人生が変わるほど部屋や荷物が片付く。

・使い捨てのものもあちこちに忍ばせる
使い捨て眼鏡ふきシートとか、一回使い切り目薬、ちょっとだけ欲しいんだよね、っていうのにほんとに便利。マスクも個包装が好き!
常に使い切り個包装のものを探している。

・ごみ袋は必須
必要なさそうだけど一番必要になる、ゴミ袋。
スーパーやコンビニの袋で十分なんだけど、欲しい時にないのがこいつです。
だからどの鞄にも小さくたたんで潜ませておく。
使い捨てグッズを使えば使うほどゴミも出ますしね……

・なるべくたためるものを愛用
パッカブル、ポケッタブル至上主義です。
服も靴も、探せばあります。眼鏡ケースもぺったんこになるやつがあります。持ち運び椅子も机もぺったんこになるやつを自宅でも愛用しています。

・アウトドア用品が結局最強
軽い!丈夫!雨にも強い!
モンベル先輩にはどうかタウンユースデザインを取り入れたものを作っていただきたく存じます。モンベルってロゴが表にない!カラーコーディネートしやすい色!遭難回避のための人工的な色合いとかじゃなくて!
特にアウトドアブランドにしなくても、登山のための服の着方(コットンはダメ、ウールのインナーとか)など大変学ぶべきところが大きいです。

・軽さは大正義
何をおいても最軽量のものを選びます。
特に、カバンやポーチ自体にかなりの重さが出ていると、モノを入れた時に大変な事になります。ガワの重さを無視するとすべてを失敗します。
入れ物の重さを十分に考えるだけで、いろんなことが解決する!


これからも、荷物をいかに素敵に組めるかどうか、考えて実践していこうと思います。

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