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離島と真珠と海と飛行機

一泊した福岡から、飛行機で、五島列島へ。

意外に高度高く取るから、着陸の気圧差が苦手過ぎておかしくなり、猫のように爪を研ぎ始める。

福江空港に到着して、完全に目が泳いでいる状態で、ほかの同行者と合流…。

そこからバスに乗って福江港へ。バス代は300円、時間はだいたい10分くらいです。福江港は空港よりにぎわっていて、何船もフェリーが。

フェリーで奈留島へ。
車座でのびのび。500円で40分かかる。もっと高いやつは30分ほどで到着するみたい。

そして、到着しました。奈留島!!!

行ったのは真珠の養殖場。

黒猫はタヒチって呼んでますって。

透明感のすごい海。そして裏庭かのうように海で真珠を育ててる。

こちらは、伊勢志摩などでずっとやっていた方が、もっと強い貝をもとめていらっしゃっているらしく、一軒だけで作られています。

この大珠の、じゃりじゃり!!気持ちは海賊の宝箱をのぞいている感じ。

すでによいものはすべて納品先にいってしまって、あまりこれと言っていいのはおいていないということだったので、見せてもらったのは業者さん的にはダメなやつ。
といいつつ、色がすごい、大きさも飴玉みたい。

手前の米粒みたいなのは、核のない真珠。
砂や虫がはいったのが偶然真珠になったもので、つまり伝統的な天然真珠。もちろん大きさもばらついているので、ほとんど流通しない(インド人が買っていくらしい)

天然のアコヤガイはどんどん数が減っているそうです。
海外から持ってきた貝のウイルスに感染したりして、全体の生産量も減っているし、そもそも不況のあおりを受けやすいものだし。

でも、なんというのかなあ。すごい。生命力を感じる。
野性のエネルギー炸裂している。
ダイヤモンドなどの鉱物とは全く違うエネルギーの質で、とても生き物に近い。だから、生命力というか。

「貝を弱らせてから、核をいれるんです。強いと吐き出したり、拒絶反応おこすから」
「うわー、悪い男みたいー!気が弱くなったところにねじ込むと」

生き物なので、そういう加減がすごく難しくて、やはり長年の勘もあるし、経験もあるからできるらしいです。
悪い男になるのは簡単でも、そこから真珠を取り出すのは楽じゃないんですよ!

ちなみに、ここに行ってもあんまりおみやげっぽい真珠は手に入らないです。
数十万円のネックレスは少しあったかな。
カードは使えません。現金!!
(私も十数万円は持って行った…いろいろ相談の結果、最初に送ってもらった3万円分の真珠の分だけお支払い。残りのオーダー分は洗浄等の処理後にお振込みに)

やっぱりですね、今回のような特殊なあれじゃなければ(長崎大の先生と同行して漁協の車を借り、みたいな)、基本的に真珠を購入するのは宝飾のお店、ジュエリーショップがいいです。
やっぱりここは素材生産地。
私はジュエリーデザイナーを連れて現地に乗り込んだ感じですが、お客として見るとキツい。わからない事が多いし、手ごろなものがない。値切って安く買えるみたいなイメージで来ても、真珠の良し悪しは専門家じゃないとわからないし、良し悪しは好みの違いだけで資産価値として見る人は普通に金でも買えばいいんです。

そこからいい珠を選び出してジュエリーを作っていくのは、また別の段階で。

そのできたジュエリーを販売という形でお客さんにお届けするのも、また別の段階なんだと、当たり前なんだけどものすごく実感しました。

その中で、産地直送っぽさとか、イキの良さみたいなものを届けるとか、いろんな角度がまたあって。

いま、なんというかいろんなことを考えて、胸も頭もいっぱいです。


ほんとに、小さな島で。
湾が深いというか、海を抱き込んでいるような地形で。

人間の小ささを感じる。


もう少しいられたらよかったですね。
という事で、なんとかまた行けるようにしなくては。
(飛行機苦手だったけどプロペラ機は平気だったので、やはり揺れより高度の問題です)

つよく生きていきたい。