孤独に立ち向かうには金が要る

経営者は孤独という課題で、しょっちゅう吹き上がっているのが、私のまわりである。

小規模のひとり会社社長、小規模の会社の経営者などが多いせいだ。
会社員をやめると、そういう事になる。

社長や経営者は、孤独である。

それに異論はない。

それに対し、どういうアプローチをするかは、人それぞれだ。
仕事以外の友人関係を豊かに厚くしていくタイプ。
家族との絆を深めに深めていくタイプ。
社員とのやり取りを密にしようとするタイプ。
何もかもバッサリ捨てて孤立するタイプ。
いろいろある。

私はバッサリ捨てて無縁仏一直線なのだけど、周りの皆さんは活動範囲を広げて豊かにしていく人もいれば、家族関係を深めようとFacebookにお子さんの写真ばかりをのせている人もいる。また産まれたの?みたいな。
社員とのやり取りを深めようとして、そうじゃない反応が返ってきて死ぬほどへこんでいる人もいるし、たくさんの友人関係を広げたいというのが妙な不倫になって泥沼になっている人もいる。

どっちにしても、とにかく孤独を突き付けられるのが経営者なのだと思う。

私も、小さくビジネスを始めたけど、ずっと孤独だ。
家族の為に始めた時も、家族は何も理解していなかった。
軌道に乗ったら丸ごと家族に持っていかれた。そういう事もとても孤独だった。

新しく始めた事業も、基本は孤独を貫いている。
人は増やさない。面倒だから。
コミュニケーションはコストだから。

「起業セミナーに行ったらかなりセンスのいい講師が、経営者は孤独だから領収書もらう必要がないくらい給料をもらわないといけないって言ってた」という話を聞いて、非常に深く頷いた。

孤独を癒すにはお金がいる。

家族も恋人も、金がない状態で保持できるなんてありえないのだ。それがなくても、自分を満たすためには金がある、という安心感がどうしても必要だ。

お金ですべてを計るなんて、なんて了見の狭い愚かな人間だ!というご意見もあるだろう。わかる。
だが、お金といっても数千万円も必要なわけではない。何なら1万円くらいでいい。それでちゃんと自分を癒しておくのは非常に重要なことだ。

お金は、使い方次第だ。
孤独のせいで、最終的に異常な犯罪を引き起こす事は少なくない。たった1万円をケチって、通り魔や放火魔、レイプ犯のような犯罪の種を育ててもいいのか?

別にそれは経営者に限った事ではない。

貯金も大事だが、今を強く生き抜くために、お金は非常に強い味方になる。
お金を味方にするためにも、ちゃんと使う体験をしないといけない。

孤独に弱い人は、別に精神が弱い訳ではない。
誰かといる事にとても強く、コミュニティを作ったり維持する機能に優れている人なのだ。
孤独に強い人は、コミュニティの維持のために犠牲になる事が多いタイプの人で、そういうところの技術や才能がちょっとない。
どっちにしても、コミュニティに参加し続けるためにも何かを生産しなくてはいけないし、そこから離れるためにも何らかのお金は必要になる。

お金を正しく持って、正しく使う。
他人のお金の使い方は、経済共同体でないなら口出しをしてはいけない。(国家や会社となると、ある意味大きな経済共同体なので、いろいろと言わないといけない事はあるとは思う…)
一見不可解なお金でも、それがその人にとっては医療費と同等の意味を持つほどの価値があるかもしれない。精神を健全にし、健やかに社会とかかわるために必要な経費というものが、必ずある。
それをケチっては基本的人権に触れるようなこともある。

金で解決できることなど、安い事だと思いませんかね?

幸せになるために、ちゃんと金は使っていきましょう。
それは自戒でもある。
(私のところは、タダでさえ金が少ないので)
あなたが幸せであることが、社会全体の利益になるのです。


孤独は金では避けられないかもしれないが、その苦しみのいくばくかは癒すことができる。

そこを遠慮してはいけないのだ。

あなたが、そしてわたしが、幸せであることは、社会を救う。
大きすぎる悲しみの前に太刀打ちできない事も多いけれど、それでもわずかな金でそれに抗えるのなら、抗おう。

不幸でも頑張ればいつか利益がでる、というのは幻想です。既得権益側の言い分です。既得権益をわけてもらえないのにそれに従うのは、搾取される側にい続ける事になります。

だから、勇気ある金を使う人を、見えない場所で私は応援しようと思う。

既得権益側の言い分に唯々諾々と従う必要なんてないのだ。

孤独でも、わずかな金を武器に、生き延びよう。
そしてそれがよい社会につながっていくと信じている。

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つよく生きていきたい。