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クライアントワークをしないで生活する、の先とか裏とかにあるもの

独立してフリーランスになって、というケースのほとんどの仕事は、クライアントワークになると思う。クライアント=依頼者がいてその人の為に手となり足となり働くみたいな。

そういうのが主流だってことは、実は全然知らなかった。

やりたいものを作って売ってビジネスを回すようになってしまったので、他人から仕事を請け負うということがほとんどない。

そういう仕事は、私は本当に嫌いっぽい。

もともとやっていた派遣社員も、結局はクライアントワークなわけです。
というか、どこかの会社に所属するのも、究極的にはクライアントワークです。会社の為に働いているんだから。
でも、いろんな人の話を聞くと、社員で働いている人は自分がクライアントワークをしているという実感はほとんどないみたい。
私にとってはとても不思議なのだけど、派遣社員としてあちこちで「だれかのため」に働いていたから、いわゆる会社員的な働き方もクライアントワークと同じだった。

そういう働き方というかそういう仕事には、あんまり本気になれなった。
しょせん他人の仕事で、数合わせで、仕事っていうか作業をやっているだけだから。片手間でできるくらいでお賃金が頂ければ十分で、残業は残業代目当てでやる感じです。

で、独立とかフリーランスというのは、結局後ろ盾なくしてそういうクライアントワークをするということになる、という認識に近い。

だから独立してクライアントワークするなんて、技術も箔も後ろ盾もない人間がやるのは無謀というか、それならどこかに所属して(=会社に入って)仕事するほうが楽だし守られているし安定してお金もらえるし失敗しても怒られるのは会社だから圧倒的にフリーランスになる意味が消えてしまう。

自分の仕事だけがしたい。
だから独立したというか、会社員スタイルをやめた。

ってことは、クライアントワークはする意味がない。

どうして起業したの?みたいなことを聞かれるけど、一番の理由はこの「他人の仕事をして疲弊するよりも、自分の仕事をして死ぬ方がいい」ということだと思う。

でもなんとなく「クライアントワークをしないで生きるには」みたいな感じでググると、「アフィリエイトしてブログ書こうぜ!」みたいなネット記事にばかりぶつかる。
アフィリエイトは、クライアントワークですよね、どう考えても。
クライアントに直接会って営業してっていう作業をクライアントワークって勘違いしているのだろうか。そこがなくても、誰かの売上の為に手を貸すというのは、クライアントワークだと思います。
最低でも自分がアフィリエイターに依頼する立場にならないと。

独立起業フリーランスというのは
・他人の仕事を受け負うスタイル
・完全に自分のオリジナルな仕事をするスタイル

の2パターンくらいはあると思う。

そこをごっちゃにして、ただただ会社に雇われの身が嫌だからやめるというのは、単純に職を失うって事だと思う。落ち着いてほしい。
フリーランスになるということは、会社は辞めるだろうけど、職は失っていない。ただ会社を辞めることが目的だと、いろいろ問題が起きる。

別にクライアントワークが悪いといっているわけではない。
それが好きな人も多いし、安定した仕事だし。下請け仕事とオリジナル作品作りの両方をバランスとってやっている人も多いと思う。
自分にしかできない仕事で単価を上げるというのは、結局クライアントワークだからの方法だ。
でも、常に相手=クライアントの事を考えて仕事をするという基本姿勢はそこまで変わらないと思う。

自分でオリジナルにやるというのは、BtoCスタイルになる。
お客様は一般の、市井の消費者ということになる。
これはこれで相当大変だ。けど、クライアントワークだって大変なんだから同じだと思っている。
消費者がクライアントになるわけだけど、もう少し全体像はぼやけて、むしろこちらが打ち出したものを買ってもらうということになるから、どれだけ自分がはっきりと言いたいことを言うかがすごく大事。
相手にあわせるよりは、きちんと自己主張するほうが売上に影響する。

いろんな職種があるとは思うけど、カフェとか雑貨店とかは、クライアントワークではない感じ。
芸術家も、自分の作品を売るなら、クライアントワークとは言いにくい。
好きな事をやってそれを買ってもらって生活していく。

そういう生き方、働き方をしている人って「全国民に対する政治家の比率と同じくらいじゃないですかね」って言われて、そんなもんかなーと思っている。非常に少ない。

憧れてもできるもんじゃないだろうし、私もクライアントワークがほんと嫌いなんだって自覚することは、今の形でお金を回せるようになってからだ。
自分で仕事が作れないからといって、何かが劣るとか、格下になるという話じゃ全然ないし、クライアントワークのほうが安定して稼げる。できる事をちゃんとやるっていうのは、どういう形であれ同じ。

でも、クライアントワークしないで生活したいと思う人は、確実に存在していて、そういう人はやっぱりちゃんと自分オリジナルの仕事を作っていくのって、魂の為に大事じゃないかと思う。
規模は小さくてもいい、という割り切りは大事。
あと、単純に働きたくないという感覚とクライアントワークがしたくないという感覚を混ぜない事。働きたくないなら、うまいこと不労所得を得る仕組みを作らないといけない。

つまりは、結局自分はどういう仕事がしたいのか、どういう事で苦労をしたいのかを考えないといけないんだろうなってことです。
単純に思いつけない人は、ストレスがすごすぎてそれどころじゃないんだと思いますが、人間はいつも苦労をしたい生き物です。手ごたえのないゲームなんて面白くない。

独立するとか、クライアントワークをしないで生きるとか、会社員で出世するとか副業がとか、いろいろ道はあるけれど、どういう事をして喜び、どういう事で苦労をしたいのか、ちゃんとわかった上で道を選ぶ必要がある。
それはなるべく早く気づくといいけれど、ある程度苦労の経験もないと好きな苦労、嫌な苦労の見分けがつかないから、そこそこ苦労もバリエーション豊かに経験できるといい。

で、それを30代のうちにある程度やりたい仕事ができるようになって、お金もわずかだけど回せるようになったので、10代~20代をどぶに捨ててしまったけど、結果として自分なりの最速でここに来れた気がする。
これがこの先も続くかはわからないので、常に気を抜けないけれど、それでもここまでこれたのは、こっそりと誇らしい気持ちにはなる。
誇らしさに足をすくわれないように、いつもはしまっておくようにしている。

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