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バカなふりこそが護身術だった

 #私たちは女性差別に怒っていい 

世界中で、こうだった。
だから、生きていく中で女の子は「バカなふり」を護身術的なコミュニケーションとして身につけていく。

バカなふりをしていれば、ゴミや豆を投げつけられる事はないからだ。

でもそうやって差別に迎合して生き抜いても、いい事あったっけ?
っていう事なのです。

バカなふりをするという事は、相手を馬鹿にするという事とイコールだ。
バカなふりをするだけでごまかせるチョロいやつ相手にへつらうのだ。
バカにバカなふりをしてへつらう事が、生きていくために必要な事なの??

バカにへつらって生きてきた。
でも、わたしは、バカ相手じゃなくて、尊敬する人にあいたかった!!!

いくらある程度頭がよくたって、たいしたことないのだ。
もっとちゃんと自分の才能を思い切り発揮して、才能がある事を卑下されずに生きてきたかった。
なにかちょっとできると、ドン引きしていく能力の低い大人の男たち、指導力のない大人の男たちのおかげで、私は自分の才能をとことん蓋をして、顔の良さを前面に出す事でしか認めてもらえない(それに言うほどすごい美人でもない)、息苦しい生き方を社会から要求されてそれに従うように、マメを投げつけられないように、息をひそめてきた。

優秀であることがハンデになる。
それが女だ。

これが、血液型だったらどうなの。
O型は選考では優先される事はありません。
AB型は一律減点します。AB型の人が増えるとバランスが悪いから。


女の優秀さにビビって尻尾を巻くか、圧力をかけるかしかできない愚かだけど権力だけは何とかゲットした男たちの仕組みを、優秀な女たちが黙って安い給料で支えているのだ。
奴らの権力を、私たちが支えて、この社会を作ったのだ。

彼らから権力をはく奪しなくてはいけない。

もうこの権力構造でなくても世の中は回っていくんだって事、みんな薄々わかっている。

もういい加減、怒っていい。
この愚かな男たちのシステムは、他の男たちにも迷惑極まりないものになっている。

先人の残した偉業を否定する気持ちになる男性も多いかもしれない。
古き良きスタイルを失う恐怖もあるかもしれない。
が、その仕組みで乗り越えなくてはいけない時代は終わった。
今はもっと平和でよい時代になった。

電車の車掌が女性になっただけで「アナウンスが女性の声だと腹立たしくなる」などとYahoo!知恵袋に書き込まれるくらい、人は変化を嫌う。
とにかく世の中は女が嫌いなのだ。
女自身もそこのシステムをうまく回すために控えめに振る舞い、飛び出した女をバッシングして自分たちの身の安全を守ったりしないといけない。


個人的な経験でも、優秀な男性はほんと少ない。
優秀な女性はとても多かった。
職場を切りまわしているのは、女性のほうという現場がすごく多かった。
たまに優秀な男性がいると、やはり優秀さというのはほんと素晴らしいなと思った。男女関係ない、優秀な事が重要なのだ。

優秀な女性は、優秀さゆえに追いつめられ、踏みつけられる。

隠れて大学に自費で通って、それで会社に貢献したなんて、これが男性だったらどうでしょう?

女性は突出した優秀さ、圧倒的な美貌がないとどうでもいいひょろついた男性並みの待遇を受けられない。
それなのに「女性は社会から守られ大切にされている」と言われるのだ。

女性が起業するという時には、必ず「夫の理解があって」という一言を添えなくてはいけない。
電話で初対面の人でも「いつもお世話になっております」って言わないといけないのと同じで、「夫の理解があって」というのが角を立てないための重要な枕詞なのだ。

結婚していなかったら、「事故物件」といわれる。
見えない瑕疵があるとされる。

それでも、先人のおかげで結婚しない女にも人権があり、ビジネスを始める自由も与えられ、努力する自由もあるのだ。やっとのことで!
(めっちゃ邪魔されるけどね)

「女は守られ大切にされている」という認識が結構あるが、それは「女は賢くないので、男の支配下において置かねばならないし、支配下で有能に働いてくれないと女としての価値はないし、家事育児全般は完璧にこなすべきだし、男からのセックスの誘いは断ってはならない」という前提を全部守った上で適用される。

だから男より賢くてもいけないし、家事育児全般ひとりで完璧でないとダメだし、はむかったらダメだし、自分の意見を言ってもダメだし、男からのセックスに誘われるくらい美しくにこやかにしていないといけないし、セックスは断ってはいけない。

でも全体的に、女性の方が男性より優秀で強くできている。
となると、男は女より賢くあり続けるのは相当厳しい。
そんな事よりも、女性の方が賢くても何ら問題はなく恋愛もできるし夫婦にもなれるほうが、男性にとってもずっと楽なのに。
そこに男の沽券があるのは、お互いに苦しいだけだ。もっと他に男の沽券を出していってほしい。

こけん
【估券・沽券】
人のねうち。体面。面目。 「―にかかわる」

女の沽券は、男からの評価で決められる時代はもう終わっている。
でも給料とか、一律減点とかで、必死に男の沽券を維持している事は、権力構造の耐震偽装だ。蹴ったら壊れる。

そんな耐震偽装を必死で下支えしていたのが、安い給料で立派に働いてきた優秀な女性たちなのだと思う。

彼女たちの魂を、どうか、自由にしてあげてほしい。

特別美しくもなく、東大からハーバード大学に編入みたいな煌びやかな経歴もないが、圧倒的に優秀で才能があった女性たちの力を発揮してはいけないと縛りつけてきたこの権力構造から、30代~60代、70代、80代の女性たちをどうか自由にさせてあげてほしい。

そして20代、10代、生まれてきて数年の女性たちをガンガンに搾取する構造をもうやめねば。
男も女も死んでしまう。

女性を自由にしたからって、男性が被害をこうむることはない。
今までと大して変わらない生活だろう。


今までこの社会構造を、女性差別の構造を支え続けてしまった30~80代の女性たちの魂を、どうか自由にして、できれば救ってほしい。

 私たちは女性差別に怒っていい。

これは男にどうにかしてくれという話では、もうない。
女性自身が縛りつけられていた魂を自ら開放することだけだ。
別に離婚しろとか、男性を攻撃しろなんて事じゃない。
すぐ反射的に「女性に攻撃される」と身構える男は、他にもそうされる心当たりがあるのだろう。そういう女性が嫌いなのだろう。今までの権力構造に繋がっていないと自己を保てない脆弱性があるのだ。それはなぜなのか、是非考えてほしいと思う。
その精神の脆弱性は、男とか女とかいう部分にこだわる事で改善されるのか?と。

 もう男だから、女だから、というシステムで補てんされる事柄はかなり減ってしまったのだ。
科学が発達し、社会もそのように整備されてきた。
医療も、テクノロジーも、金融も。


バカなふりこそが、女の子にとって護身術だった。
本当だ。
にっこり笑って、彼らの攻撃をかわすのだ。
反撃してはいけない、返り討ちにされることがあるから。

いつの時代だろう。

そうやって荒立てないように戦い続けた結果が、一律減点だなんて。
よくスクープしてくれた。
ありがとう。
これが現実だ。やっと、目を閉じ続けていた、魂をつながれバカなふりで生き延びてきた優秀な女性たちが、自分の痛みと怒りをおもてに出してもよいと自覚するレベルの。


このニュースを読んで、ひとりでスタバでぼろぼろと涙をこぼした。
なんでこんな涙が出るのかと思ったが、スタバにいる人は周りの人が何をしているかなんて気にしない。

たぶん、日本中で、このニュースを知って、自分の事じゃないのに、医大受験なんかしてもいないのに、わがことのように思って泣いている人がたくさんいるという事が、どれほどのことか。

私たちは女性差別に怒っていい。
怒らなくてはならない、という強要ではない。怒っていいのだ。


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つよく生きていきたい。