見出し画像

ビジネスのお金じゃない部分のスケール

ビジネスをスケールさせたい。というのは正しい考えだと思う。
というか、成長し続けていかないと潰れるのだから。

一度やってみたことが二度目には簡単にできるようになることを成長と思っている人は多いけれど、組織においてそれは後退である、という記述をみて、私は大いに膝を叩いた。
簡単にできるようになることを続けるということは、組織としては力を抜いていることになるからだ。
このことは、非常に感銘を受けたのだけど、そう感銘を受けたとFacebookに書いたら(私のFacebookは狂人の投稿と呼ばれているのがいまいち納得いかないのだけど)、別にいいねも押していない人から後日「あれ刺さりました」と言われた。
そう思う心当たりのある人は少なくないということだ。

私は一人でビジネスの構造を考えて動かしている。
もちろんいろんな人に相談したり、技術的なものをオーダーしたりなどはあるんだけど、経営の方針は私が決めていく。
ってなると、ビジネスの方向をどうするかをすごく考える必要がある。

いまのビジネスをはじめて、5年くらい?
法人成りして3期目の半分を過ぎた。
派遣社員をしながら個人事業として初めて初年度は199万円の売上、翌年は600万ほどになり、なんやかや法人成りして1期目は年商1000万円を達成し、収支としては赤字。2期目に融資を受けて資金調達し、現3期目半年で2期目の1年分の売り上げを超えた。
手堅い。手堅すぎる。

「でもこのままだと、大きくスケールするには色々必要でしょう?」
訳知り顔で、私のビジネスの中身には金の話以外全く興味もないサラリーマンの知り合いにそんなことを言われて、彼にそんな気持ちはないことはなんとなくわかるけれど、私自身はすごくバカにされたような気がして、イラッとした。

あんたはさ、誰も知らない不特定多数の人から、1年間で1000万円ものお金を集めることができるの?
知り合いの会社の予算から一部を分けてもらうようなスタイルじゃなくて、本当に顔も名前も知らない、全員がアカの他人の人たちから、そういうことできるの?それが、簡単なことだと思うの?

そして、それを簡単に「大きくスケール」だなんて、雑なことばでいう意味が、どういうことかわかっているの?

相手は、全員人間なんだよ。
一回わずか1000円程度の買い物だけど、全員そこに人間がいるんだよ。
その重みは、まじめに考えると耐えられないほどの重みになる。
それを考えたことがないなら、気軽にスケールとかいうだろう。

よくマーケティングとかいって、人の気持ちも考えない表面的なことだけをなでて、さも賢いようなことを言っている人たちが結構いるけれど。
それで、何が得られるのだろうか。

小さな会社が儲かる。
その意味は?

私はしょせん100万円を稼いで、100万円程度で生活していくささやかな暮らしの中にいる。
zozoの社長みたいに大富豪になってばら撒きするのも夢があるし、デパートの外商担当さんに丁重にお見送りして玄関横付けハイヤーで送っていただくのもいいと思う。ピアジェの時計でもして。
というのは、100万円じゃ無理なのです。
でも100万円で出来ること、結構ある。そこちゃんとやらないと。

お金基準でスケールということしか語られないけれど、その前に、経営を作るものは意味や価値のスケールを考えないといけない。
お金は後だ。
ただ、その意味のスケールをするのが、本当にむずかしい。

簡単だと思う人もいる。
この自分のビジネスが大きく増えることが、もう単純に世界にとって良いことだとなんの疑念も矛盾もなく信じている人。
そういう人にとってはとても簡単だ。

私がいま突っかかっているのは、このビジネスは、私を全然幸せにはしないんだなってことがわかっちゃったということです。
そこが一番の問題。

じゃあどうするか。

別に自分の幸せとかどうでもいいんですけど、とにかく自分にとって面白い仕事をしないといけない訳です。
おもしろい段階をひとつ越えちゃって(つまりお金がないのにビジネスを立ち上げて軌道にのせちゃうというやつ。今は200万とか300万とかキャッシュにあてがある状態になってしまったので、なんだか張り合いがなくなっちゃったんですよねー。安い人生だ)、当たり前に当たり前の成長に必要な施策を打っていけばいい状態になって、私はそういうの、ほんと居心地悪く感じる性格みたいで。

つまり今はお金の面のスケールを考えて苦しくなっているというのならば、お金のスケールはとりあえずおいておいて、他の面のスケールを考えていくべきではないのか?

それが、やっぱり意味のスケール、価値のスケールになっていくわけです。

お金のスケールは簡単で、わかりやすくて、みんなに褒めてもらえるし、ドヤれる。そこ以外をめっちゃ頑張ってその結果がそこで図られるので、無視はできないんだけどそこだけを見てもあまり意味がない。

それが意外に大変なんですよね―――。ほんと大変なんですよ。

「このままじゃスケールしないでしょ」と訳知り顔で言われるしさ、お前うちのお客さんの事なにも考えてないのによく言うよ。
意味や価値のスケールは本当に難しい。
単純にたくさん売ればいいという話じゃない。

でも、多分私がやりたいのは、意味のスケールの方で、たくさん売るという方はあまり心が動かないので、それはそれで、またいばらの道を行こうかなと思うわけです。

そのほうが、楽しい。

ここから先は

0字

¥ 190

つよく生きていきたい。