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ピアニスト・ござさん 勝手に #推し短歌

1 はじめに

 わたしの「推し」は、ござ、というピアニストだ。2021年11月に1stアルバム「EnVision」発売。今年2023年5月には『ござ式 ピアノ演奏 裏ワザの極意』という本をYAMAHAさんから上梓するなど、YouTubeだけでなく幅広く活躍するアーティストである。
 彼のピアノ演奏は、その技術が聴き手に悟られないほどの軽やかさと華やかさを持ち、即興アレンジは驚くほどの抽斗による多彩さがある。
 普段のわたしのnoteは、このござさんのコンサート記録に特化したnoteであるが、短歌という器を通してござさんのことを伝えられたら…と考えた。また、いつもは(比較的)順序立てたり、(なるべく)正確に書くことを心がけているが、短歌では自由に楽しく想像の羽を広げられるように詠めたら…と考えて、小さく自作イラストも添えることにした。
 短歌の披講は2回読むのが通例だから、横書き本文と名刺メーカー、2回の披講と思っていただけるといいかも知れない。
 短歌に馴染みのある方もない方にも、楽しんでいただけたら幸いである。

2 #推し短歌 10首

天井の反響板から降り来たる長きアルペジオは陽光に似る     ゆうかげ

ござさんのキラキラのアルペジオは本当に日の光のように心地いい。


白オーク材の反射やわらかく君の思索の果ての和音よ       ゆうかげ

オペラシティホールで感じたござさんのピアノの印象。


弾きながら客席の声を拾うとき君の内耳は宝石である       ゆうかげ

ござさんは頭脳も両手も素晴らしいが敢えて言うなら耳が宝石だと思う。


ホールいっぱいの生ピアノ音聴き逃さずよき集音器であれよわが耳  ゆうかげ

上の歌への返歌? 凡人が素晴らしい音楽を聴くときのこのジレンマたるや!


限りなき自由と制御の際(きわ)を跳ねるジャズのアドリブ 風立ちぬ日に
                               ゆうかげ

ジャズの文法の中のアドリブがあそこまで自由闊達なところが好きだ。


配信者からは見えないけれど掃除してオンラインライブまで待つ  ゆうかげ

推しに対する態度あるあるでは…?


奏者の指は鍵盤の上を跳躍す靭(つよ)く確かな鼓動のリズムに
                               ゆうかげ

あんなに正確なリズムを刻む人の鼓動は一体どんなだろう。


美しきピアノ譜面を生み出せる人の思考は整然と連桁(れんこう) ゆうかげ

連桁という単語はござさんのツイート(ポスト)で初めて知った。



夜のバス停にイヤフォン挿せばかたちなす音像(おんぞう) 耳に湿気を帯びる
                               ゆうかげ

帰途、バス停でござさんの音楽を聴いて初めて、生き返るみたいな気分になる。


執務室出でてイヤフォンすぐ挿せば「虹の彼方に」夜の雨払う   ゆうかげ

ござさんの「虹の彼方に」は叙情的で美しくて、その歌詞と共に何度救われたかわからない。

(2023.10.4 追記)

#推し短歌
#クリエイターフェス

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