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#20 ドメーヌ・ヒロキ

こんにちは。

be-en 代表のゆうかです。

蔵元巡り第20弾は長野県北安曇郡にある『ドメーヌ・ヒロキ』を訪問しました。

ドメーヌ・ヒロキは安曇野の壮大な山々と町を一望できる丘の上にワイナリーがあり、贅沢な景色の中で葡萄を栽培されています。

(もし写真があれば写真)

元々、大手飲料メーカーにワイン用葡萄を卸していたそうですが、2021年にワイナリーを設立し、自社ブランドのワイン製造を始められました。

ドメーヌ・ヒロキ式ワイン製造

赤ワイン製造は大きく分けて、①破砕・除梗(じょこう・葡萄の房の実を繋いでいる部分を除去すること)、⓶発酵・かもし、③圧搾、④貯蔵、⑤オリ引き、⑥瓶詰、⑦熟成の過程に分けられます。

ドメーヌ・ヒロキでは、発酵に使用するタンクに、クロアチア製のオーダーメイドステンレス発酵タンクを使用しています。

クロアチア製タンク

発酵の過程では、アルコール発酵、葡萄の色素抽出、乳酸発酵が行われます。発酵の後、圧搾が行われますが、ドメーヌ・ヒロキで採用している圧搾法は「バルーン式」と呼ばれる、空気圧により膨らんだ風船でタンク内の葡萄を側面に押し当てて押しつぶし、搾汁する方法です。圧搾法には、他に垂直式と水平式がありますが、バルーン式圧搾法の特徴は、果皮と種に余分な圧力がかからないため、クリアできめの細かい果汁を搾汁できる点です。

圧搾の後、貯蔵、オリ引きの過程に移りますが、ドメーヌ・ヒロキではオリ引きの過程で葡萄の酸味成分である酒石酸を固形化溶出させます。瓶詰前に酒石やおりを取り除くことで、雑味の少ないワインを作ることができます。

タンクで一次発酵させたワインは、樽で熟成させますが、この時、作りたいワインの味わいによって、使用する樽を選定します。

例えば、新樽や木目が粗い樽を使用すると、天然バニラの香りの主成分である「バニリン」が出やすく、甘い香りになります。一方、古樽や木目が細かい樽を使用すると、バニリンが出にくく上品な香り付きになるほか、オリの溶出も弱くなります。

そのため、作るワインの目指す風味に合わせて、樽を選定する必要があります。

木樽発酵

瓶詰後は、味と香りが薄まることを防ぐため、亜硫酸を添加し、約13℃に維持した保管部屋でワインを寝かせます。亜硫酸を添加し、2-3か月おくことで薄まった味や香りが戻るため、十分に風味を戻してワインを出荷しているそうです。


貯蔵庫

海外でも通用するワインを目指して

ドメーヌ・ヒロキのワインは長野県内や日本でも高い評価を得ています。白ワイン『シャルドネ 2021』は、長野県産の葡萄を使用し、その他の基準を満たしたワインのみが認定される「GI 長野プレミアム」に認定されています。また、ドメーヌ・ヒロキが独自にブレンドした赤ワイン『ルヴェ・デュ・ソレイユ 2020』は、日本ワインコンクール2022 において金賞を受賞しました。

今後の目標として、海外のワインコンテストでも評価されるワインを作りたい、とのこと。和食が注目されている機運を活かし、長野県の品種である「竜眼」を使用した和食に合う日本ワインの製造を構想しています。世界進出への課題として、言葉の壁や出荷のコネクションがあるようですが、ドメーヌ・ヒロキが海外進出の足掛かりを作る第一人者になることを目指しているそうです。

フレッシュな香りと酸を感じるものから、スモーキーでしっかりした飲み口なものまで、個性のあるワイン達は、本当に美味しかったです。

製造責任者の内川さんには、日本の在来種の「竜眼」の秘める美味しさを知ってもらいたいという想いがあるそうです。
私も日本の気候と食材で作るワインに魅力を感じ、沢山の方に飲んでいただけるよう発信し続けたいと思っています。

それではまた次の記事でお会いしましょう!

文責:むーみん

▼今回ご紹介したドメーヌ・ヒロキさんの HP はこちら


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