AIプロンプトの記事を書くときのガイドライン:より良い情報発信のために【2024/10/23】
最近、noteでAIプロンプト(AIへの指示文)に関する記事をよく見かけるようになりましたね。便利な使い方を紹介する記事もあれば、有料でプロンプトを販売している記事もあります。
でも、ちょっと気になることがあります。情報の正確さにバラつきがあったり、高額な有料コンテンツなのに期待した効果が得られなかったり...。「どの情報を信じていいの?」と困っている方も多いのではないでしょうか。
実は、これには理由があります。noteは「誰でも気軽にコンテンツを配信できるプラットフォーム」なんです。これは素晴らしい特徴である一方で、課題も生んでいます。特に、プロンプトエンジニアリングの分野では注意が必要です。
というのも、現在「プロンプトエンジニア」という肩書には公式の資格制度がありません。つまり、誰でも自由に名乗ることができるんです。その結果、残念ながら十分な検証もないまま、粗悪な品質の有料コンテンツが出回ることも増えてきました。
これは、noteというプラットフォーム全体の信用を損なう可能性がある深刻な問題です。情報の質が低下すると、真摯に取り組んでいるクリエイターの方々の評価も下がってしまいますし、読者の皆様にとっても、時間とお金の無駄になってしまいます。
そこで、プロンプトに関する記事を書く際の指針として、このガイドラインを提案させていただきます。一人一人が責任ある行動を心がけることで、noteをより良いプラットフォームにしていけると信じています。
このガイドラインでは、プロンプトに関する記事を書くときに気をつけてほしいポイントを詳しく説明していきます。これを参考にすることで、より良い情報発信と情報選択ができるようになるはずです。
(かくいう私も正直わりといい加減な記事ばかり書いていたかもしれません。しかし、毎日note投稿を続けていくうちに少しずつ発信者とのしての自覚が芽生えてきています。この記事を書くことで、今後のプロンプト紹介を見直していきたいと決意し、この投稿を行っています。)
プロンプトを販売している方へ
プロンプトを有料で販売されている方、もしくはこれから販売しようと考えている方へ。購入者は、あなたのプロンプトに期待を込めてお金を支払ってくれる大切なお客様です。以下のポイントに気をつけることで、より良い商品を提供できます:
お客様が実際に使えて、効果が出るプロンプトであることを確認しましょう
どんなときに使えて、どんなときに使えないのか、はっきり説明しましょう
具体的な使用例をたくさん用意しましょう
分からないことがあったときの質問対応方法を明確にしましょう
定期的に内容を更新して、最新の状態を保ちましょう
プロンプトの購入を考えている方へ
プロンプトの購入を考えている方へ
「このプロンプト、買って効果あるかな...」と迷っている方へ。良質なプロンプトかどうかを判断する際のチェックポイントをご紹介します:
⚠️特に重要!記事の投稿日に注目! 古い記事のプロンプトは、最新のAIモデルでは期待通りに動作しないことがあります。例えば:
2023年前半の記事に書かれているプロンプトは、現在のAIモデルでは違う挙動を示すことがあります
モデルのアップデートによって、以前は効果的だったプロンプトが機能しにくくなることもあります
新しいモデルでは、より簡単で効率的なプロンプトが使えるようになっていることも
できるだけ新しい記事を選ぶことをお勧めします。
その他のチェックポイント:具体的な使用例が示されていますか?
どのAIモデルで使えるのか、書いてありますか?
期待できる効果と限界が明確に説明されていますか?
使い方の説明は分かりやすいですか?
質問やサポートの方法が示されていますか?
このガイドラインでは、プロンプトに関する記事を書くときに気をつけてほしいポイントを詳しく説明していきます。これを参考にすることで、より良い情報発信と情報選択ができるようになるはずです。
ガイドライン
1. 使えるAIモデルをはっきり書こう
大切なのは、使用するAIモデルと「ナレッジカットオフ」(そのAIが学習している情報の期限)をはっきり書くことです。
ナレッジカットオフって何?という方のために説明すると、AIが「ここまでの情報しか知りません」という日付のことです。スマートフォンのOSのバージョンのようなもので、古いバージョンでは新しいアプリが動かないのと同じように、例えば2023年4月がナレッジカットオフのAIは、それ以降に起きた出来事については答えられません。新製品のレビューを依頼しても、その製品が2023年4月より後に発売されていたら、AIは正確な情報を提供できないんですね。
良い例: 「このプロンプトは以下のAIで使えます:
ChatGPT-4(ナレッジカットオフ:2023年4月。つまり、それ以降の情報は分かりません)
Claude 3.5 Sonnet(ナレッジカットオフ:2024年4月。比較的新しい情報まで知っています)
Midjourney V6(2023年11月リリース。最新の画像生成エンジンです)」
悪い例:
ChatGPTで使えるプロンプトとしか書かれていない
モデルの記載がないため、GPT 4oなのかo1-previewなのかがわからない
汎用モデルのプロンプトであっても使用できるモデルは列挙した方がより親切です
この情報があれば、読者は「あ、このAIは〇年〇月より新しい話題には使えないんだな」と分かりますし、うまくプロンプトが動作しなかった時の原因としてモデルやバージョンの違いの判断できる材料ともなります。
2. 使用例は具体的に、比較付きで
「プロンプトエンジニアリング」(AIへの効果的な指示の出し方)の効果を示すためには、具体的な使用例と比較が重要です。
「ビフォー・アフター」の形で示すと、読者は効果が一目で分かります:
例(文章生成の場合):
試した日:2024年10月21日
使用したAI:ChatGPT-4
【改良前のプロンプト】
質問:「猫について教えて」
回答:(長所:手軽に聞ける/短所:漠然とした一般的な説明しか得られない)
【改良後のプロンプト】
質問:「猫について、次の3つの観点から詳しく教えてください:
1. 生態と習性
2. 人との関わりの歴史
3. 現代社会での役割」
回答:(長所:体系的で分かりやすい説明が得られる/短所:少し質問が長くなる)
◆ここがポイント!
・観点を明確にすることで、AIは構造化された回答を返してくれます
・聞きたいことを具体的に指定することで、的確な情報が得られます
例(画像生成の場合):
試した日:2024年10月21日
使用したAI:DALL-E 3
【改良前のプロンプト】
指示:「かわいい猫」
結果:(一般的な猫の画像が生成される)
【改良後のプロンプト】
指示:「夕暮れの窓辺で、オレンジ色の光に照らされた白いペルシャ猫。猫は窓の外を見ており、その横顔が温かな雰囲気を作り出している。柔らかな毛並みが光に透けている」
結果:(より具体的で雰囲気のある画像が生成される)
◆ここがポイント!
・具体的な状況設定を加えることで、より独特な画像が生成できます
・光や雰囲気についても指定すると、さらに表現力が増します
3. APIを使う場合の設定値も忘れずに
「API」(Application Programming Interface)とは、プログラムからAIを使うための仕組みのことです。
APIを使うと、より細かい設定が可能になります。主な設定値(パラメータ)には以下のようなものがあります:
Temperature(創造性の温度):0から1の間で設定
低い値(0.2など)→まじめで事実重視の回答
高い値(0.8など)→創造的でユニークな回答
Top_p(多様性の制御):0から1の間で設定
低い値→より確実性の高い選択肢から選ぶ
高い値→より多様な選択肢から選ぶ
Max_tokens(回答の長さ):生成する文章の最大長
短い記事なら1000程度
長い記事なら4000程度
例:
API設定:
モデル:GPT-4
temperature: 0.7(適度な創造性を持たせる)
top_p: 0.9(ある程度多様な表現を許容)
max_tokens: 2000(十分な長さを確保)
【使用目的】
ブログ記事のアイデア出し
【効果】
・適度な創造性により、面白いアイデアが出やすい
・極端な発想は抑えられ、現実的な提案が得られる
・十分な文字数で詳細な説明が可能
これらの設定値は、より質の高いAI生成コンテンツを作るための重要な要素です。
4. プロンプトの効果を裏付けよう
プロンプトが本当に効果があるのか、きちんと検証することが大切です。「信じてください」だけでは、読者は安心できませんよね。
実験結果の示し方
【基本情報】
・検証日:2024年10月21日
・使用モデル:GPT-4
・試行回数:10回
・成功率:8回(80%)
【具体的な結果例】
成功例1:(スクリーンショットや実際の出力結果)
成功例2:(スクリーンショットや実際の出力結果)
失敗例:(この場合はどうしてうまくいかなかったかの分析も)
【考察】
・どんな条件で成功しやすいか
・どんな場合に失敗しやすいか
・改善の余地はあるか
研究や論文があれば引用しよう
自分で発見したテクニックでない場合は、元ネタを明記しましょう。例えば:
「このプロンプトは○○大学の研究チームが発表した手法を基にしています」
「この方法は、有名なプロンプトエンジニアの○○さんが提案したものを、私なりにアレンジしました」
5. 安全性とリスクについても触れよう
良いプロンプトは、効果だけでなく安全性にも配慮が必要です。
気をつけるべきポイント
プロンプトの紹介では次のことに注意してください:
個人情報の扱い
良い例:「架空の人物データを使って検証しています」
注意例:「実在の人物データを使って試してみました」著作権への配慮
良い例:「著作権フリーの素材を使って検証しています」
注意例:「有名な小説の文章を使って試してみました」倫理的な配慮
良い例:「このプロンプトは、差別的な表現を避けるよう設計されています」
注意例:「相手の弱みを突くような返答を生成します」
トラブル防止のために
プロンプトを使用する際の注意点も明記しましょう:
生成された内容は必ず人間が確認すること
心配な場合は小さな規模でテストしてから本格的に使うこと
うまくいかないときの対処法や相談窓口
最後に
このガイドラインをここまで読んでいただき、ありがとうございます。少し長い内容になりましたが、これらの一つ一つが、noteでの良質なAIプロンプト記事作りのために大切なポイントだと考えています。
クリエイターの方々へ
プロンプトの作成や記事の執筆は、決して簡単な作業ではありません。しかし、このガイドラインに沿って丁寧に情報を提供することで、読者との信頼関係を築くことができます。それは、長期的に見れば、あなたの記事の価値を高めることにもつながるはずです。
私も端くれとして気を付けたいと思っています。もしよろしければこの記事をあなたの有料記事に貼り付けてください。私がその記事を確認させていただきます。そして、ガイドラインに沿った記事だと判断できた場合はその記事を私のnoteで紹介させていただきます。(無料)
購入を考えている方々へ
このガイドラインで紹介したチェックポイントを参考に、ぜひ良質な記事を見分けてください。もちろん、記事の中身は購入してみないと分からない部分もあります。しかし、ここで説明した項目がきちんと守られているかを確認することで、より良い買い物ができる可能性が高まります。
noteの未来のために
AIの世界は日々進化しています。その中で、noteというプラットフォームが、質の高いAI関連情報が集まる場所であり続けることを願っています。
それは、クリエイターの皆様と読者の皆様お一人お一人の意識と行動にかかっています。このガイドラインが、その一助となれば幸いです。
一緒により良いnoteを作っていきましょう!
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