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音楽の杜がおススメする邦楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする邦楽アルバム集
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#1981年

大滝詠一「A LONG VACATION」(1981)

今更ここで紹介するのが恥ずかしいくらいの超名盤、そして超定番のアルバムですね。 これからいい季節になっていく、そんなタイミングで聴きたくなる1枚です。実際、本作、及び本作と対となる「EACH TIME」はここ数週間、通勤時にいつも聴いてます。 「売れないレコードをいっぱい作って来たけど、それは本望じゃない。松本が売れて、細野も売れて、山下まで売れたら、俺も売れなくっちゃいけないと思う」と、松本隆に吐露して作った屈指の名盤。確かにロンバケ発表前までの大滝詠一は、マニアックな

松田聖子「Silhouette」3rd (1981)

松田聖子のサードアルバム。当時の帯には「扉をあけたら、もうひとりの私…聖子」とありました。前2作までは作詞:三浦徳子、作曲:小田裕一郎が殆どの楽曲を作ってましたが、本作より、いよいよニューミュージック界とのクロスオーバーが始まります。そして本作は「チェリーブラッサム」と「夏の扉」という初期松田聖子の2大ロックチューンが収録されてます。そういった意味では洋楽好きの私も、本作は実は名盤だと思っております。 彼女を発掘したディレクターが当時CBSソニーに在籍していた若松宗雄氏。実

LAZY「LAZY BEST」(1981)

段々秋めいてきました。季節とは関係ありませんが、たまに聴きたくなるバンドがレイジー(苦笑)。やっぱりいいですね~。すごくいい!! ラウドネスの高崎晃、樋口宗孝が在籍していた和製ベイ・シティ・ローラーズ。ただその演奏力は抜群で、メンバーはアイドル稼業に相当フラストレーションが溜まっていたと推察されます。 レイジーの仕掛け人は藤田浩一氏。後に杉山清貴&オメガトライブや菊池桃子の売り出しで大成功を収めた人物。GSグループ出身で、バンド解散後はかまやつひろしのマネージメント等を務め

尾崎亜美「HOT BABY」(1981)

先日のBayFMのクリス松村さんの「9の音域」という番組で、尾崎亜美さんの「Angela」という楽曲が流れてきました。この曲自体知らなかったのですが、尾崎亜美さんの楽曲の割にはかなりAORな音作りに、ついつい聴き入ってしまいました。そしてこのドラム、独特のフィルイン、このグルーヴ…、まさかジェフ・ポーカロでは? すぐに調べたら案の定ドラムはTOTOのジェフ・ポーカロ。それからこの撥ねるようなキーボード、ギターのリフ。やっぱりデヴィッド・フォスターにスティーヴ・ルカサーでした。

泰葉「TRANSIT」(1981)

6月29日に泰葉の4枚のアルバムがリイシューされました。正直、泰葉といえば「フライディ・チャイナタウン」しか知らず、かつあの破天荒な強烈なイメージしか浮かばず、ついついスルーしてしまうところでしたが、たまたまサブスクでもチェック出来たので、デビューアルバム1曲目を何気なく聴いてみたら…、これが完全なシティポップ。しかも明らかに私の大好きな井上艦サウンドで実に素晴らしい…。 各曲のクレジットは不明ですが、全曲作詞:荒木とよひさ、作曲:海老名泰葉、アレンジは井上艦・若草恵・矢野

寺尾聡「Reflections」(1981)

今回は最近の私のお気に入りの寺尾聡(今頃???)。 寺尾聡と言えば、やっぱり「ルビーの指環」ですね。とにかく当時、歌謡番組に出まくっていた印象があります。 そして80年代初頭のJ-POPにおける金字塔。それが本作。 当時は俳優の寺尾聡が歌手?? と漠然と思っていたものですが、実は彼、グループサウンズのザ・サベージというバンドのベーシストだったんですね。でも恐らくそのときは曲を作っていた訳でもなく、1968年に俳優デビュー。以降俳優に徹していた彼ですが、1981年に本作を発表

佐野元春 「Heart Beat」 (1981)

たまに聴きたくなる佐野元春。つまらない大人にはなりたくない…と自問自答するとき、ついつい聴きたくなります。本作は佐野元春のセカンドアルバム。 佐野さんが商業的に大成功を収めるのは、もう1年、「SOMEDAY」のヒットまで待たなければならないのですが、こちらも負けず劣らずの名盤。この当時は佐野元春バンドであるハートランドのメンバーは固定化されておらず、本作のドラマーは古田たかしではありません。でもその音はブルース・スプリングスティーンのバンド、Eストリートバンドやビリー・ジョエ

松田聖子「風立ちぬ」4th (1981)

ここ数ヶ月、松田聖子のアルバムを聴きまくってますが、やっぱり「風立ちぬ」が彼女のベスト、いや80年代J-POP史上に残る名盤ではないでしょうか。 松田聖子はデビュー以来、「SQUALL」、「North Wind」、「Silhouette〜シルエット〜」と、いかにもアイドルらしいアルバムを発表していきますが、ここで松田聖子の制作陣は新たな挑戦に挑みます。 時は1981年、その年の3月、「A LONG VACATION」というアルバムがビッグヒットを記録します。あの元はっぴい