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1月27日

朝起きる。



学校は春節のお休み。

この学校に息子が入った去年あたりから春節が身近になる。

のんびり起きてきた息子とパンとオムレツの朝食。




隣家の木はちょうどいい木陰を提供してくれる。

が、毎日のように落ち葉が出る。

落ち葉を掃く。

さらにヤル気になり家の掃き掃除とモップをかける。

洗濯もする。

息子が手伝ってくれるので早い。





11時ころになって外出。




行先をきめずにダウンタウンを目指す。

途中で息子に動物園に行きたいか聞く。

もちろん、行きたがる。




思いついたはいいけど炎天下なので近所の小さな動物園を目指す。

動物園の近くのカフェで一休み。

居心地のいいカフェで店員の感じもいい。

ストローが鉄なのもうれしい。

美味しいフルーツシェークが出てきた。







息子がiPadに夢中なので妻と電話する。

お互いに忙しいので久しぶりにゆっくり話す。



東京~札幌。

カナダ~東京。

オーストラリア~広島。



付き合ってたころからぼくがどこかに行くたびに遠距離になるぼくらの関係。



もともとぼくの帰属意識が低いのに加えて地震で生家が全壊した。



だからどこかの土地に帰るという感覚は薄い。



そんなぼくにとって「帰る」とは土地や場所ではなく家族が一緒になること。


だからぼくにとって2人と3人に分かれているこの状況は旅の状況。


あと2ヵ月ほどで丸々2年の旅が終わる。





カフェを出る。


動物園にいくとあいにくの休み。


残念だけど仕方ない。
月曜だもんね。



息子を諭して昼ごはんを食べにいく。

地元の人でにぎわう食堂につき料理を頼む。



・ごはん

・スープ

・煮込み料理2品

・ココナッツジュース



思ってたよりお腹が空いている。

もりもりと食べる。




息子より早く食べ終わるので食後はあたりを観察することが多い。





ここにはビリヤード場が併設されてる。

平日の昼間だがそこそこ人がいる。

ビリヤードしたい。



食べ終わった息子からリクエストがくる。



ビリヤードしない??

もちろんいいよ。



二人で1時間ほどゲームをする。
隣の台の兄ちゃんがジーッとぼくを凝視する。


ここらへんだと日本人はまだめずらしい。
だからこの手の視線は結構感じる。


けど、あまりにも強い視線に視線の主を見る。
目が合う。


「日本人ですか?」


日本語で丁寧に話しかけられてびっくり。


聞くと、日本で3年働いてたらしい。
すごく礼儀正しい。



ジーッと眺めてたのは日本語を話したかったから。



日本語で、ほぼ完ぺきにコミュニケーションが取れた。


息子とビリヤードしつつ会話しつつなかなか楽しい時間が過ごせた。
ビリヤードが終わり息子に宣言する。


「いまから5秒後、きみはヤッターっていうよ。」

「なんで??」

「これからハロハロを食べに行きます。」

「やった~!!」


ハロハロとはマンゴーやアイスやプリンいろいろなモノが乗ったフィリピンの豪華かき氷。

超絶美味い。


そして、むすこを喜こばせるのはすごく楽しい。



ハロハロ屋を目指す。

注文完了。

出てくるまで待ってると混み始める。



いいタイミングだった。



お待ちかねのハロハロ登場。

テンションが上がる。

めちゃくちゃうまい。

一杯の至福。




ハロハロ屋を後にして息子が授業で使うノートの探索。

なかなか見つからずでかい文房具屋を目指す。




文房具屋というよりは文房具も売っている小型デパート。
文房具コーナーに行きノートは息子に任せて店内を探索。


スポーツ用品、オモチャ、楽器、食料品、商品のラインナップがカオスで楽しい。



ノートを手に入れ店を後にする。




家に帰る途中で事故りそうになる。120%こちらの過失。ごめんなさいという気持ち。


息子にも叱られる。反省。



家に帰るとすでに午後4時半。



のんびりする。



6時を過ぎ、料理開始。
野菜とひき肉で簡単なスープを作り麺をいれる。



暑い中のスープ。爽快なくらい汗が出る。




食後に散歩する。

散歩しながら普段考えていることを息子と話す。

「急ぎなさい。早くしなさい。って学校とかで言われるでしょ??」

「うん。」

「おれも子供のころよく言われたんだけど、アレ嘘だから。」

「え??」

「正解は急がずゆっくり。だよ。」

「はやくしなきゃいけないときは??」

「急がないで素早く、確実に。だね。」

「ふ~ん。」

「みんな急げって周りから言われて急ぐのが当たり前だと思ってる。
けど、急ぐと焦っちゃうでしょ??」

「うん。」

「焦っちゃうと自分の中のリズムが狂う。
人のリズムにあわせなきゃいけなくなる。


たまにならいいんだけど。


人のリズムは自分のリズムじゃない。


だからいつもそれに合わせてると、
調子がわるくなっちゃうし辛くなっちゃう。


それか、焦って過ごすことが当たり前になり何も感じなくなり人にも自然とそれを強要するようになる。


だから、正解は、急がない。


急げって言われたら自分の内側には「急がなくていいよ。」って声をかけてあげて出来る範囲でいいから素早くするといいよ。急がなくても素早くすることはできるから。」

「ふ~ん。」


このアイデアはミヒャエル・エンデから学んだ。


「モモ」でエンデは時間泥棒が跋扈する世界にぼくらが生きていることを語った。



自分の時間が盗まれていることが普通になると、人の時間を当たり前に盗むようになる。


焦燥感に駆られて、「時間が足りない!!」と思ってしまう。



それに抗うためには自分自身のリズムを保つこと。



モモに出てくる掃除夫のように、ゆっくりとかくじつにそして丁寧にひとつひとつ目の前のことをやり遂げること。



それしかない。




そしてできれば急がなくてもいい環境や仲間をみつけて一緒に生きていくこと。





散歩の途中後ろから子供にデカい声で名前を呼ばれる。

どこから名前を仕入れたんだろう??

知らない子供だ。

日本の名前が面白いんだろう。

ツボに入ったようでぼくの名前を連呼する。

完璧にからかわれてる。

うざすぎるので無視する。



もちろん息子が憤慨する。

「なんで怒んないんだよ??」

息子からお叱りを受ける。



怒るとさらに喜ぶ可能性があるので無視した方がいい、インドの内陸でくらったウザさはあんなもんじゃなかったと話をすると納得。



家に帰りシャワーを浴びる。

思ったより疲れてる。



疲れ切った状態でベッドに倒れこむのは最高の瞬間。

おやすみなさい。


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