平成30年度秋季近畿大会準々決勝②「履正社-福知山成美」の見どころ

どうもこんにちは、遊撃です。

今回は第2回目「履正社-福知山成美」の見どころを書いていきたいと思います。それでは初戦の勝ち上がりを見ていきましょう。

履正社(大阪①)11-2南部(和歌山③)(7回コールド)
履正社が一発攻勢で南部を沈めた。1-2とリードされて迎えた3回表、4番井上・5番大西・6番野口の3連打で1点を返した後、7番池田のライトスタンドへ飛び込む3点本塁打で4点を追加。なおもチャンスを作り、2番西川のタイムリーと、2死満塁から4番井上の満塁弾でこの回一挙9得点。試合を決めた。先発の清水は最速145キロを記録し、7イニングを2失点で完投した。

福知山成美(京都①)5-4神戸国際大附属(兵庫②)
福知山成美は初回、3番東原の犠打を挟んで1番佐藤から6番岡田まで5連打の猛攻を見せ一挙4得点。先発の松本をノックアウトした。以降は替わった鍵の前に8安打を放ちながら1得点に終わったが、序盤に作った5点のリードをエースの小橋が何とか守り切った。

各校選手の初戦成績をまとめます。(〇数字は背番号、△は左打者)

〇履正社
1中 桃谷⑧  4-2 打点1 四球1
2一 西川④  4-2 打点1 犠打1
3三 小深田⑤△4-0 四球1
4右 井上⑨  4-3(本塁打1)打点4 四球1
5左 大西⑬  5-2(二塁打1)
6捕 野口②  5-2(二塁打1)打点1
7二 池田⑭△ 3-3(本塁打1、二塁打1)打点3 犠打1 四球1
8遊 野上⑥  3-0 犠打1 四球1
9投 清水①△ 3-3 打点1 犠打1

投手成績(△は左投手)
・①清水△ 投球回7 球数122 被安打7
与四球0 与死球0 奪三振9 失点2 自責点2

〇福知山成美
1三 佐藤⑤  4-1
2左 人知⑦△ 4-3(二塁打1)
3遊 東原⑥  3-3 打点1 犠打1
4捕 原②   3-1 打点2 四球1 盗塁1
5一 井戸③△ 4-1(二塁打1)打点1
6二 岡田④  4-2(二塁打1)打点1
7投 小橋①△ 3-1 犠打1
8中 坂⑧   4-1
9右 神内⑨△ 3-0

投手成績
・①小橋 投球回9 球数137 被安打10
与四球0 与死球1 奪三振2 失点4 自責点4

【試合の展望】
中盤までは競った展開で行ったとしても、中盤以降は地力の差が出そう。コールド…まではいかなくても点差は開きそうだ。

履正社は初戦、1巡目こそ南部の鎌倉海の前に得点を挙げることができなかったが、2巡目以降はしっかりと対応した。3回に集中打で一気に試合を決めたあたりは流石。1年生の池田の本塁打は、変化球に体を泳がされながらライトスタンドへ運んだものだった。正直、あれが入ってしまうのか…と思ってしまった。同じく本塁打を放った4番の井上も含め、パワーは凄い。

注目されていた3番の小深田はヒットこそなかったものの、そのスイングにはやはり脅威を感じた。トップもしっかりと作れている。タイミングさえ巧く取れるようになれば、高校生レベルの投手は難なく対応できるだろう。

この試合で履正社打線は17安打を放ったものの、4回以降は替わった右サイドスローの三木の前に1点しか挙げることができなかった。毎回のようにチャンスは作ったが、もったいないスクイズ失敗などもあり、1点を取りに行く攻撃の面では多少不安も残った。

投げてはエースの清水が自己最速の145キロを記録するなど好投を見せた。右足を勢いよく上げて、その反動を使いながら投げる。球速はコンスタントに140キロ台をマークしていた。この日はスライダーとストレートで組み立てを行っていた印象。ただ、思いのほか南部打線に合わされていた。球速ほどのノビは無さそう。もう少し緩急もうまく使えるようになりたい。

福知山成美上位打線の出来がカギを握る。初戦は2番の人知が3安打。中軸の前にチャンスを広げ、3番東原・4番・5番井戸のクリーンナップへ回した。この3人で4打点を挙げた。中軸の3人の中でも、4番の勝負強さは健在だ。府大会から勝負所で打点を挙げていたが、この試合でも先制の2点タイムリーを放った。履正社戦も上位打線がどれだけ出塁して、中軸にチャンスで回せるかという点がポイントになりそう。府大会からは少し調子を落としているように見えた1番の佐藤にも期待したい。

福知山成美は初回の攻撃も含め、積極的に振っていく印象があった。ファーストスイングストライク率を調べてみると.706とかなり高め。準々決勝でも、履正社の清水の「カウントを取りに来た直球」に狙いを絞ってどんどん振っていってほしい。

守備は多少修正が必要か。初戦ではショートの東原が2失策を犯した。前に出ずに打球を待って捕球。その結果、捕球と送球が連動しないため、悪送球に繋がるなど、いずれもほっともっとフィールド神戸の内野の天然芝に対応できていない、と感じる失策だった。1試合を通じて恐らく大体の感覚はつかめたはず。履正社戦では1つのミスが大量失点につながる恐れがあるので、このあたりはしっかりと修正してから臨んでほしい。

エースの小橋は、初戦は9回に4本の安打を集められて3失点したが、8回までの投球は見事だった。球速は最速でも130キロ前後だが、とにかくコントロールがいい。初戦は死球が1つだけ。右打者のインコースにも臆せずにスライダーを投げ込むことができる。このボールは少し抜ければ死球に、引っかかればど真ん中になるため、制球力に自信がないと投げれない。その抜群の制球力でボールをコーナーに投げ分けて、うまく打たせた。履正社戦でも、低く、丁寧に、コーナーにボールを集めて、フライを打たせるような投球を展開したい。

これらを踏まえた上で試合展開を予想してみます。
福知山成美が立ち上がりに苦しむ清水を攻め立てて先制点を挙げる。4回までは2点前後で成美がリードしているかも。しかし、3巡目に入った5回あたりで履正社の打線が小橋をとらえる。6回以降も点差は開き、成美の打線は清水に抑え込まれる。結局最後は差が付き、9-3で履正社の勝利と予想します。

ただ、これも試合前ノックや当日の雰囲気を見たらまた大きく変わる可能性もあるので、当日の私のツイートも楽しみにしておいてください。

コントロールのいい投手相手に、履正社の打線がどうやって点を取っていくのか。それは、今後レベルの高い投手と対戦した時に、どうやって点を重ねていくのか、という部分の参考にもなるので、打つ以外の点の取り方にも注目して見ていきたいと思っています。

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