ファンとは。

 去年活動していたとき、ありがたいことに少なからずファンの方々がいてくれた。私の大好きなアーティストたちはファンを大事にしている。私も「ファンの方に言われる言葉が嬉しい」といつも言っていた。それは紛れもなく事実。

 だけど、自分を大事にできなかった私は、大事な人を大事にしていく方法がわからなかった。近づきすぎるとこわくなる。失ったらどうしよう、プレッシャーなのか、不安なのか。大事なのに、大事に思っているのに、私の方から逃げたくなる。消えたくなる。

 この1年、見ず知らずの人に私の曲を聴いてもらいつづけて、気づいたことがある。わたしのうたを放つと、聴いてくれる人がいる、待ってくれる人がいるということ。その人たちは「家族」でも「友達」でも「恋人」でもない。それがファン。わたしのうた達の味方。

 「家族」「友達」「恋人」よりも、あなたたちの言葉を待っているわたしがいる。かけがえのない味方。

 「先生」でもない。「親」でもない。「評論家」でもない。わたしが届けたいのは、一番に目を閉じて聴いてくれる、あなた。眠る前に聴いてくれる、あなた。

 わたしは不安で眠れない夜、一筋の光みたいに、ファンの方からもらった言葉たちを思い出す。そしたら心が軽くなる。すごいことだと思う。

 去年と比べて少しずつわたし自身を大切にできるようになったわたしは、そんな"味方"にも愛を送ることができるかな。それを続けられますように。いつもありがとうございます。

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