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いつか迎える死のための(22)-弊社はいつまで耐えられるか-

4月23日(木)気温は低めの風ある晴れの朝。夕方から急ににわか雨が降る。お昼ご飯を調達がてら、近所のスーパーマーケットとドラッグストアに行く。トイレットペーパーやティッシュペーパーが普通に並ぶようになっている。マスクと消毒用品などは品薄が続いているよう。ストックしておきたいものが、だんだん変わってきているのかもしれない。人出はあるし、天気は良いので、街は落ち着いているように見える。

遅めのお昼ご飯を食べながら、ついに長男に聞かれる。「母さん、仕事あんの?会社大丈夫なの?」「うん、かなり落ち込んでるけど、今のところ法人のクライアントさんいるし、まだなんとかなるよ」「コロナ、1、2年はかかると思うけど、平気?」22歳の息子にまで心配されてしまうほど、私が暇そうに見えるらしい。いや、本当にそうなのだが、息子に言われると堪える。

あと一年くらいは、今の仕事と取り掛かってることと、私個人の仕事で会社もなんとかなると思う。キャッシュが持ち堪えらるまでは生きていけそう。だけどその先についていえば、「わからない」としか言いようがない。

不安がないわけじゃないし、なんとかしなきゃと毎日考えている。考えすぎないようにもしている。ただ単に落ち込むから。会社が持ち堪えている間に考えよう、今できることをしながら。そう思っている。

だが、流石に息子に心配されると、口では大丈夫ともちろん言うのだが、大丈夫じゃなさすぎて落ち込む。うちにはダブルインカムのセイフティネットがなくてごめんよと思う。

シングルマザーでやっていくにはなかなか辛い。そんな現実を突きつけられたような午後。

この息子が生まれたころ、毎朝テレビでその笑顔を見ていた岡江久美子さんが亡くなった。癌闘病中のコロナ罹患。お会いしたこともないのに、なぜかとても辛い。

日本の感染者数 12,020名。死者 302名。
増えるこの数字を書き続けることも少し辛くなってきた。この中のひとりひとりに人生があって、愛する人がいたはず。


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