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欲しいのか、いらないのか、どっちなのか

昨日、行きつけのスーパーで、もやし炒めの材料が入った袋を
たぶんそうとう神妙な顔で見つめていた私を
おもしろそうに見てくる女性に気が付いた。

うちの上の階の一人暮らしの女性だった。

恥ずかしかった私はもやしを見つめていたワケを一気にまくしたてた。
「これ絶対に量が以前の半分!最近なんでも高くて嫌ですね」
女性は私の神妙な顔の意味が分かってすっきりしたのか
「私はひとりだから、暮らしがあんまり変わらないわ」
と静かに微笑んだ。(私もひとりだけど、そこは収入の差ということだな)

そこから、お互いのペットの話や
なんのお仕事をしているかとか
普段エレベーターでばったりした時には聞けなかったことを
ここぞとばかりに話し
私のおしりは野菜の棚の冷気ですっかり冷え切ってしまった。
アラ還のからだに冷えは禁物。

それでも、話していている途中で
ああ、これって私が欲しがってたやつだ
と思った。
移住者で、日中勤めに出ていると、職場以外の人とのかかわりが全くない。
私が欲しいのは、こうやってスーパーでばったり会って立ち話をする人や
ひょっこりお菓子を持ってちょこっと遊びに来てくれる友達。
私の生活にはそれが足りない!と思っていたところだ。

そんな私だったから、話題がとぎれてお開きとなったときの彼女の一言に思わず
「それな!」
と、言いたくなる衝動を抑えるのが大変だった。

「今度お茶でも飲みに(部屋に)いらっしゃいよ」


アラフォー時代の私なら、もう今週末にケーキを持って
上の階へとスキップしていたことでしょう。
でも、最近すっかりそういうのがうまくできないのです。

「ひととの距離を縮めるのが恐い」

友達になれそうだったのに、会ってみたら違ってたってことをお互いが感じ、それっきりになるとか。
考えるだけで恐い。

そんな感じで私の友達ほしいキャンペーンはいっこうに達成しないまま
「このへんでとめとくか案件」がいくつかたまってしまっている。

友達を作るって
こんなに大変なことだったっけ。
ひとと気軽に会うことが少なくなって
すっかり憶病になってしまったのかな。

友達欲しい
けど、疲れたり、傷ついたりするくらいならひとりがいい。

お友達と旅行したり
ひんぱんに会って食事したりしてるひとって
疲れたりしないのだろうか。








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